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わたしも大好きなジャズの旋律に、懐かしい大阪の風景と、愛すべき大阪人たちの感情が重なり合い、気がつけば一気読みしていた。
何度も読み返す本ではない。一回きりの哀情をあじわうことができればそれでじゅうぶんだ。
ひとりで街へ飲みに行くのは、誰もいない浜辺でゆっくりと海に入っていくのに似ている。ある夜、男はその飲み屋で働き始めた女と知り合った。親しくなった二人は、大阪を歩きながら互いの身の上を語り合う。ジャズのこと、街の風景、そして今はもういない人々―親密な会話から浮かび上がる、陰影に満ちた人生。街に生きる人々の語りが響き合う、哀感あふれる都市小説集。
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