東欧での「市民革命」、グローバル・カバナンスへのNGOの参画、そして9.11テロ、アフガニスタン紛争、イラク戦争と反戦運動等を検証し、テロと戦争を抑止するためのグローバル市民社会構築の可能性を模索する。
一つ一つの歴史的事象に対する認識が的確で、冷静な事実認識に根ざした読みごたえのある議論が展開されている。
目次
第1章 グローバル市民社会のもつ五つの意味
第2章 市民社会の言説
第3章 一九八九年の理念―グローバル市民社会の概念の起源
第4章 社会運動・NGO・ネットワーク
第5章 グローバリゼーション・国家・戦争
第6章 九月一一日―「外部」が戻ってきたのか?
下からの民主化によるソ連・東欧での社会主義体制の崩壊や発展途上諸国における権威主義体制の崩壊、その後の冷戦の終結とグローバルな相互連関といった大きな変化のなかで、「市民社会」という言葉や概念も従来とは異なる意味合いをもつようになってきた。いまや私たちは、国家領域に基礎をおく垂直的な市民社会形態に代わって、水平的で国境横断的な、市民的か非市民的かを問わずグローバルなネットワークの台頭を目の当たりにしている。本書は、市民社会の概念とその歴史的形成を問い直し、そこでの諸アクターの役割にも注目しながら、冷戦後に頻発する紛争や「対テロ戦争」にみられる新たな暴力の連鎖を、どのように抑止していくかを考察する。
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