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本と音楽とねこと

それを、真(まこと)の名で呼ぶならば

レベッカ・ソルニット(渡辺由佳里訳),2020,それを、真(まこと)の名で呼ぶならば──危機の時代と言葉の力,岩波書店.(2.16.2022)

 ミソジニー(女性嫌悪)、気候変動、人種差別等について、ソルニットらしい冷静な筆致で論じる。
 わたしたちが対峙すべき対象があれば、まず、それを、言葉で表さなければならない。おかしい、許せないと感じた自分の心情についても同様だ。そして、それに対抗していく論理についても、だ。
 ソルニットの批判の対象は、ドナルド・トランプ、共和党の政治家、石油メジャー、人種差別主義者等であるが、たんなる民主党イデオローグのポジション・トークで終わっていない点はさすがというべきであろう。

「ものごとに真の名前をつけることは、どんな蛮行や腐敗があるのか―または、何が重要で可能であるのか―を、さらけ出すことである。そして、ストーリーや名前を変え、新しい名前や言葉やフレーズを考案して普及させることは、世界を変える作業の鍵となる。解放のプロジェクトには、新しい言葉を作り出すか、それまで知られていなかった言葉をもっとよく使われるようにすることが含まれている。」現在の危機を歴史から再考し、すりかえや冷笑に抗い、予測不能な未来への希望を見いだす。勇気のエッセイ集。アメリカで、全米図書賞ロングリスト選出、カーカス賞受賞、フォワード・インディーズ・エディターズ・チョイス賞受賞の話題作(いずれもノンフィクション部門)。

目次
1 大統領選挙の破壊的影響
ドナルド・トランプの孤独
ミソジニーの標石 ほか
2 アメリカに渦巻いている感情
孤立のイデオロギー
無邪気な冷笑家たち ほか
3 アメリカの境界
気候変動は暴力だ
国の土台に流された血 ほか
4 可能性
ブレイク・ザ・ストーリー
悲しみのなかの希望 ほか

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