もちろん、虐待によるPTSDが存在するのはまちがいないことだし、トラウマにより長期にわたってストレス障害に苦しむ人々が少なくないことも事実だ。しかし、懸念するのは、「虐待」経験が異常なまでに過大視され、人間の実にいい加減な記憶の集積が、「虐待によって不幸になってしまった、かわいそうなわたしの物語」に都合よく回収されてしまうことだ。かつて、なんちゃってアダルトチルドレンがちまたにあふれたのと同じだ。いずれ、何の自己努力もせずに、すべての不都合の責任を虐待した(と本人が思い込んでいる)親に帰する甘ったれがたくさん現れくるのだろう。
しかし、この番組に出演していた西澤哲といい斎藤学といい、自分を何様だと思っているのだろうか。はじめにトラウマ理論ありき、相談者の苦悩をすべて自分が信仰する教義でもって解釈し、悩める人間を記憶の泥沼のなかに引きずり込む。カウンセリングで、問題の根源にあるものを発見できた者も多かろうが、記憶をねつ造してまで心理学屋が好む物語を創作させられ、新たな不幸を背負うことになった被害者も少なくないだろう。アディクションなりストレス障害なり、その原因がどこにあるのか、当事者でさえわからないし、ましてや精神科医や心理カウンセラーなどにわかるわけがない。あくまで「こうであるかもしれない一つの可能性」として当事者の物語を聞き取るスタンスをもたない専門家など、有害で傲慢な詐欺師でしかない。西澤、てめえのことだよ。
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