本と音楽とねこと

どこまでもいかがわしくあやしげで有害なトラウマ理論

 今週のハートをつなごうのテーマは、「子ども虐待」。生きづらさを訴えるすべての登場人物が、子ども時代の被虐待経験を切々と語る。何の根拠も示されないままに、本人のアタマの中で創作された「物語」が問題の唯一の原因として語られる。
 もちろん、虐待によるPTSDが存在するのはまちがいないことだし、トラウマにより長期にわたってストレス障害に苦しむ人々が少なくないことも事実だ。しかし、懸念するのは、「虐待」経験が異常なまでに過大視され、人間の実にいい加減な記憶の集積が、「虐待によって不幸になってしまった、かわいそうなわたしの物語」に都合よく回収されてしまうことだ。かつて、なんちゃってアダルトチルドレンがちまたにあふれたのと同じだ。いずれ、何の自己努力もせずに、すべての不都合の責任を虐待した(と本人が思い込んでいる)親に帰する甘ったれがたくさん現れくるのだろう。
 しかし、この番組に出演していた西澤哲といい斎藤学といい、自分を何様だと思っているのだろうか。はじめにトラウマ理論ありき、相談者の苦悩をすべて自分が信仰する教義でもって解釈し、悩める人間を記憶の泥沼のなかに引きずり込む。カウンセリングで、問題の根源にあるものを発見できた者も多かろうが、記憶をねつ造してまで心理学屋が好む物語を創作させられ、新たな不幸を背負うことになった被害者も少なくないだろう。アディクションなりストレス障害なり、その原因がどこにあるのか、当事者でさえわからないし、ましてや精神科医や心理カウンセラーなどにわかるわけがない。あくまで「こうであるかもしれない一つの可能性」として当事者の物語を聞き取るスタンスをもたない専門家など、有害で傲慢な詐欺師でしかない。西澤、てめえのことだよ。

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コメント一覧

心理屋
 自分が書いた記事を読み返してみましたら、けっこう怒ってますねえ。よほど西澤の言動が気に障ったのでしょう。
社会学屋はほとんど人畜無害ですが、心理屋、医術屋、福祉屋、金融学屋等には、有害なのがごろごろいますね。
自分の利権のために人心を惑わすようなタコ野郎はぜってえに許せないです。
No Name
No Title
西澤のひどさはまったくつける薬がない、といった状況でしたね。「毒親」のハラスメントに対してもっともらしいヘリクツをこねくり回した挙句、被害者に「あなたの考えが幼い」と一刀両断ですからね。開いた口が塞がりませんでした。子供の方は無視して持論を述べていましたが、西澤はまったく理解できていないようでした。
経験者が一番よく知っていると言うのは本当だと思いました。結局精神疾患は同病相哀れむのが一番気持ちを落ち着かせるのにいいんだな、と。それが出来ないから学者連中から医者まで揃って薬漬けって安易な方法を選ぶんだな、とつくづく感じましたね。
西澤なんて昔で言えばペテン師として絞首刑ものだったと思いますよ。18世紀イギリスあたりだったら(笑)。
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