バリアフリー

　最後に、バリアフリーに達するポロセスでは、安全性は最も注目すべきのところであると思われる。なぜかというと、安全保障という前提がなければ、人々は安心して暮らせることさえできず、バリアフリーの社会の意味もなくなってしまうからである。
　施設の安全性だけでなく、組織や国の安全性を疎かにしてはならない。例えば、異国文化を体験のための出国は、文化的なバリアフリーには有効であると思われる。しかし、その文化的なバリアを取り除くために、出国のコントロールを緩めるのはあまりに非現実的すぎる。不法出国も出る恐れがあるからである。実は、あるバリアは障害物だが、あるバリアは城壁のような特別なグループを守るための存在である。後者のようなバリアを取り除くと、安全保障もなくなってしまうだろう。ですから、安全性を前提にバリアフリーを目指したほうがよいと思われる。
　以上、バリアフリーについて三つの方面からその前提を述べた。バリアフリーの対象、目指した範囲、不可欠な安全配慮を前提に、各方面における障壁を順調に取り除くことができ、バリアフリーの社会が期待される。人々は安全して暮らせるようにした環境は目先である。