Entrance for Studies in Finance

スマートフォン市場の拡大とそのインパクト

スマートフォンや多機能端末(タブレット)が伸びてインターネット接続機器の主役をPCから奪いつつある
 PCの販売に影響に影響している。台湾のエイサー(宏碁:ノートPC世界2位 首位はHP 一時はネットブックで主流になる)やアスース(華碩電子)など軒並み減収 人気ダウン(ネットブックで成長するもiPad人気に押される 2010年第四半期以降 2011年4月からアンドロイド携帯で巻き返しはかっている)。
 なおノートパソコンEMS首位の広達電脳(クワンタ)は中華電信と組んでクラウドを強化中 ノート2位は仁宝電脳

  2010年10-12月期    
  米IDC調べ スマートフォンの世界出荷台数 1億90万台 前年同期比87%増加
        比較するとPCは             9207万台 3%増
  逆転は4半期ベースで初めて生じた。

 2011年 スマホの出荷台数がパソコンの出荷台数を上回る見込み
 2010年 PC 約3億4900万台 スマホ 約2億9300万台
 2011年 PC 約3億8500万台 スマホ 約4億2100万台 (予測)

 スマホの人気は2007年6月のiPhoneの発売が火をつけたもの 同様にタブレットは2010年4月のiPadの発売を起点にしている。
 アップル:基幹部品は共通 発注量多い
   2007年6月 iPhone発売
   2008年7月 iPhone 3G発売
   2010年4月 iPad発売
   2011年1月 ステーブジョブズCEO 病気療養へ
   2011年3月 iPad2発表発売
   2011年6月 iCloudサービス発表

スマホ向け電子部品市場の概要
 静電容量方式パネル(薄型化 機能向上を求められ価格がさがりにくい)
 高精細液晶パネル(解像度高く 値下がりしにくい)
  液晶パネル:シャープ 東芝 日立 新たな工場建設へ
 中小型液晶事業 シャープ そして 東芝・ソニー・日立連合 2011年11月
  液晶製造装置:ニコン、アルパック、デイスコ
  部材:TDK 村田製作所 太陽誘電
 インダクター(電気の流れを整える 既存の携帯電話の2倍必要)
 スマホ向けNANDフラッシュメモリー 7月に入り下げ止まり 東芝は四日市工場の能力増強投資中
 半導体事業 エルピーダと東芝, ソニーの明暗 2011年11月
 セラミックコンデンサー 村田製作所 工場の生産能力拡充へ
 スマホ向け電池 高周波部品 
 端末メーカーは複数機能が一体化シタモジュールを求める → M&A加速へ
 アップルはプロセッサーの生産をサムソンに依存 サムソン依存を下げるためにも日本メーカーを活用
 サムソン電子はグーグルのアンドロイドを組み込んだギャラクシーSを生産
 ソニーエリクソンはやはりアンドロイド搭載のエクスペリアを生産

携帯電話市場
 世界ではノキア(シンビアン)、RIM(ブラックベリー)が大きい存在。
 グーグル(アンドロイド)、アップル(iOS)の対決に目が行きがちだが。
 アップル、サムソン(ギャラクシー) モトローラなどが伸びている アップルの急伸の前に
 カナダのブラックベリやフィンランドのノキア(MSと組む)が苦戦しているとの見方もある。
 台湾の宏達国際電子(HTC:スマートフォン大手 アンドロイド携帯)の人気 
HTCはEMSが多い台湾のメーカーのなかでは異色。携帯電話のEMSでスタートするも2007年6月に自社ブランド発売、
2009年第一四半期にはついに受託生産から撤退。
 EMSの変調
 EMSの代表格である鴻海精密工業では人件費上昇 受注競争激化もあり、収益力が落ちている
 人件費上昇 受託競争による安値受注で採算悪化 中国内陸部への拠点移転 顧客との費用転嫁交渉
 ⇒ 世界的なデジタル製品の値下がりにはどめかかるかは注目されている
(売上高営業利益率は2001年以降 傾向的には下落。売上高は2010年までは上昇。とくに2009年から2010年は
 急上昇。その後伸びが鈍化。)


 日本の国内携帯電話市場4000万台 高機能端末(スマホ)はそのうち半分超え 2011年度は2000万台超える?
 うちアイフォンが3割以上 2008年 アイフォンのヒットで市場拡大
 投入が遅れたNTTドコモ KDDI減収(2011年3月期)

 新興国向け携帯電話・大型テレビ・パソコン向けの部品は値下がりしやすい

スマートフォンの拡大で直接影響を受けている企業名一覧
 中小型液晶パネル           シャープ 
 中小型液晶パネル           韓国サムソン電子 有機ELでは独走体制
 中小型液晶パネル           台湾奇美電子(CMI)HDPの生産を受託 2010年3月 ホンハイの傘下
 中小型液晶パネル           東芝モバイルデイスプレー(TMD) 中国で合弁事業展開
 中小型液晶パネル           日立ディスプレイズ(HDP)高精細パネル
 中小型液晶パネル           ソニーモバイルイスプレー(SMD)
 中小型液晶パネル           韓国LG電子(LGデイスプレー)
 高精度タッチパネル          アルプス電気 
 タッチパネル             日本写真印刷
 タッチパネル             台湾 宸鴻(TPK)
 タッチパネル保護フィルム       東洋紡 
 反射防止フィルム           大日本印刷
 反射防止フィルム           パナ電工+凸版 (2011年8月事業統合)
 タッチパネル用フィルム        JSR
 偏光板保護フィルム          富士フィルムHD
 ポリエステル製フィルム        東レ (拡散フィルム 反射フィルムなど)韓国 中国にも工場
 液晶用光学フィルム          日東電工
 異方性導電膜             ソニーケミカル&インフォメーションデバイス
 異方性導電膜             日立化成
 偏光板向け樹脂素材          クラレ 光学用フィルム ポバール 世界シェア8割で強い
 多層プリント基板           パナソニック 
 タッチパネル用ガラス         旭硝子(ガラス基板は米コーニング 旭硝子 日本電気硝子の順)
 液晶パネルの着色材料         三菱化学
 有機ELパネルの基盤パネル基板材料  宇部興産(韓国サムソンとも連携) 
 半導体パッケージの基板材料      住友ベークライト
 セラミックパッケージ         京セラ
 HDD用磁気ヘッド           TDK
 表面弾性波フィルター         TDK
 HDD用精密モータ 振動モータ     日本電産
 積層セラミックコンデンサー      村田製作所
 表面弾性波フィルター         村田製作所
 小型インダクターコイル(電気整流)  TDK
 電子コンパス             旭化成 
 LSI                  ローム 
 半導体フラッシュメモリー        東芝  
 モバイルDRAM            エルピーダメモリ
 半導体製造装置             リンテック 
 世界最大のEMS(iPad, iPhoneの生産をほぼ引き受け ソニー 任天堂のゲーム機も生産):台湾鴻海精密工業(EMS最大手 ブラジルに巨額投資交渉中)
 コネクター               台湾恩得利工業
 スマートフォン大手           台湾宏達国際電子(HTC) グーグルと携帯「ネクサスワン」を共同開発。英米でネット販売。  

 液晶パネルはテレビ向けは テレビ需要低迷 価格下落 各社業績伸び悩み(2011年前半) テレビ向け需要に偏った企業は苦しい
 中国パネルメーカーの増産
  京東方科技集団(BOE) TCL集団 新工場稼働 8.5世代
 韓国 サムソン電子 LG電子は中国に進出
 今後 3D ネット対応 節電機能など

見えてきた次のインパクト
 無線データ通信量増える(従来の携帯の10倍 アイフォンは30倍)
 ⇒通信インフラ整備必要(高性能アンテナ 多重化)
スマホの増加 データ通信量の増加 回線容量の急拡大必要 ソフトバンクは2012年3月期 13年3月期に合わせて1兆円の設備投資を計画。NTTドコモは2011-1012年度にLTE(次世代通信サービス)に2700億円、KDDIも2015年3月期までに3000億円投資予定。
 アプリ市場の拡大
  ⇒アプリの開発 世界市場を開拓するチャンス
  ⇒アプリケーションに不正ソフトが組み込まれている可能性が問題になっている
 ウエッブページのスマートフォン向け作成支援

 SNS(ゲーム アイテムの発売)の利用拡大 → ゲームソフト販売というモデルは終焉へ → 任天堂危うし
スマートフォン向けにソフトやコンテンツを開発する企業が注目されてる。
 グリー スマホ向けゲーム配信
 DeNA  携帯交流サイトモバゲーの運営 
 エイチアイ 携帯電話向けソフト開発
 スクエニHD SNSゲーム開発
 コーエーテクモHD 同上  

 コンテンツ市場
 電子書籍
 通販
  ヤフー(専用画面)
  楽天(専用アプリ)
 2011年度ネット販売高8兆2815億円(野村総研推定)
      内携帯経由 1兆5298億円 

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