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Entrance for Studies in Finance

株式投資入門前編 スクリーニングサイトの選択と基本知識

Online Open Lecture : Investment in Stocks 株式投資入門
避けたいのは、知らない言葉でまごついて投資自体をあきらめてしまうことです。さっそく現在の相場を見ましょう。日経平均 TOPIX 円ドル相場 円ユーロ相場 ダウ平均などを見ます(カブタンの日経平均 表示は20分delayです。)。
株式投資を開始するタイミングとしては、株価が大きく下げた直後、相場が低迷し多くの投資家が投資に自信を持てない状況。それが投資を始めるのに良いタイミングです。それは高値で株を買うことを避けられるからです。相場は波が動くように動きます。大きく上げた翌日は下がりやすい。逆に大きく下げた翌日は上がりやすい。その繰り返しです。高値で株を買うことを避け、手数料程度の値上がりが得られれば最初の投資は成功ですね。
Ch.225リアルタイムチャート
日経平均チャート(Yahooファイナンス 表示は20分delayです)1ケ月 3ケ月 6ケ月 1年 2年 5年 を見る。リアルタイムチャート
N225(Yahoo Finance) 英語ですが日本語のサイトより多機能です。comparisonの機能など使えますね。DOWとの相関あるいは乖離を見てみましょう。
QUICK MONEY WORLD
ドル円相場(Yahoo Finance リアルタイム表示機能があります)1ケ月 3ケ月 6ケ月 1年 2年 5年 を見る
 円相場=為替と株価はどの程度連動していますか。NYの株価との連動性はいかがですか。
投資部門別売買状況(グラフ) 今どの投資売買部門が動いていますか。
 株式投資で、初心者がするべきことは、1)小型株に手を出さないこと。時価総額が小さい株を小型株と言いますが、小型株は売買が通常は盛んでありません。買っても値下がりしやすく、売却も困難になります。最初は東証一部でそのなかでも大型株から選びましょう。2)最低投資金額が安い株にも手を出さない。同様に最低投資金額(売買単位株数×時価)が安い株も薦めません。こうした株は売買は盛んですが、値動きが荒くかつ一方向に振れます。初心者である個人投資家には不向きです。3)次に所属する業種の将来性をよく考えること。将来性は売上や利益の伸びからもある程度判定できます。世の中の変化についての将来性の判断が投資では意外に役に立ちます以上を基本とします。直截に企業名と将来性で検索することも試みましょう。
 将来性については、投資の世界は、リスクを避けることが基本なので、世の中より「進歩的」だということです。そこで投資家はたとえば環境問題には敏感で「進歩的」です。その結果、(温暖化の原因となる)化石燃料にこだわる自動車メーカーは売り(そうした部分を切り離せば買い)です。(木材などの枯渇につながる)紙にこだわる事務機メーカーも売り(そうした部分を切り離せば買い)ということになります。世の中がどのように今後なるかを、予想して投資を楽しみましょう。参照:気候変動と企業
 株式投資の基本は割安株の発見です。一般に割安とは株価が1株当たり配当、1株当たり利益に比べて、上がり過ぎていないことを意味します。株価収益倍率、株価純資産倍率が低いもの、配当利回りが高いものを選択します。低いとか高いということを議論するには基準が必要です。市場平均、つぎに業種平均の数値と比較するようにします。
  1株当たり配当/1株株価 = 配当利回り 平均より高いもの:株価が割安 株価が配当に比して上がり過ぎていない。
  1株当たり利益/1株株価 = 益回り   平均より高いもの:株価が割安 株価が利益に比して上がり過ぎていない。
  1株株価/1株当たり利益 = 株価収益率(株価収益倍率 price earnings ratio, PER) 平均より低いもの
1株株価/1株当たり純資産 = 株価純資産倍率(price book-value ratio, PBR) 平均より低いもの

 理屈では予想利益 予想配当を使うことになっていますが、ここで企業側の予想数値はしばしば期待を込めた見通しになっていますので、直近の実績や業績見通しをみながら予想数値の妥当性を判断します。

 割安株発見のもう一つの手法に、理論株価との乖離幅をみる方法があります。理論株価(幅で示されるときは中心値をみます)より株価が上値か下値か。下方乖離が割安になりますが、極端に下方乖離している場合は(隠された事情があるかもしれませんので)、入門の段階では投資対象から外した方がいいでしょう。理論株価から1割程度下方乖離するもの)を選びます。理論株価をいかに導くかは以下をみてください。

 理論株価の計算方法 ここで山崎元氏が紹介しているものは、株主資本をベースとして、それを押し上げる大きさの現在価値を加算するというもの。考え方として払込資本が出発点になり、それにどれだけつけくわわるかを問題にしている。そして払込資本を上回る加算計算になるには、リスクプレミアム(期待収益)を上回る収益が必要だとしている。予想収益がどうなるかや、リスクプレミアムの大きさをどう考えるかがポイントになる。
 理論株価の計算方法(スイングトレードの達人) この人は一株当たり純資産に一株当たり利益を一定の方法で加算する形で、理論株価を出そうとしている。求めているのは将来の理論価値だろうか? 少し荒っぽい印象を受ける。
 理論株価の計算式 この比較は有用。計算式を集めて比較してくれているので参考になる。指摘されているように、とく小さな会社の予想利益はあてにならない。ということは小さい会社の理論株価は、予想利益が過大であるために、高く示されがち(相場に対し上方乖離しやすい)ということ。

 理論株価に比べ株価が十分下方乖離しているものを選びましょう。つぎに配当利回りについては気持ちとしては2%を下回るものは避けたいですね。ただ優良株のなかには1%を下回るものが確かにあります。ただ少なくとも株価収益率PERについては20倍を超えるもの、株価純資産倍率PBRについては1.5倍を超えるもの・・・これらは明らかに株価が割高ですから最初の投資では避けましょう。できれば直近の決算情報も確認しましょう。決算が近々発表されるときは、決算を見てから選択しましょう。こうした判断基準は、投資に慣れてきた段階で緩めても問題はありません。
このほか 配当性向(配当/利益)は低い数値かを見ます。低いと配当余力がありますが、高いのは無理をして配当を払うほど利益率が低下しているか、配当を投資に回す必要がないほど、新規投資の案件が減っているか。いずれにせよ好ましくありません。決算の見通し(予想)の進捗状況もよく見ます。進捗が悪いのは、決算の修正⇒株価下落になりますので注意するべきです。
 ではスクリーニング(銘柄の絞り込み)をしましょう。証券会社に登録すると、そこに証券会社が提供しているものがあります。ここでは無料で登録せずに使えるスクリーニングに使うサイトを紹介します。
Traders Web 銘柄スクリーニング   検索可能項目が多いのでいろいろな項目を組みあわせることが可能 これを提供しているのは DZH Financial Researchという会社。この会社はQuick、トムソンロイター、日経など大手に情報を提供している。資本的には中国の親会社が100%出資支配しています。
  みんなの株式 株価の判断で予想株価 理論株価の表示は使える。目標株価・理論株価は、他のサイトも同じだが突然変更されることがある。とくに決算や業績見通し発表や資金政策発表前後(こうした発表は場が引けたあと。一般に減益になると株価は下落、増益になると上昇。怖いのは市場が極端に動くことである。同様に企業不祥事にも市場はやや過敏に反応する。したがってこうしたイベントは高値あるいは安値になるので売り買いのチャンスになる。自社株買いや増配は、株価押上要因だが減益発表と組み合わされているときは微妙。増資は押し下げ要因。借入や社債発行は、その目的や財務状態によって意味が異なる)は注意が必要。このサイト(みんかぶ)は登録しない場合 取引時間中はアクセス制限がかかったことがある。業種別に入り、割安銘柄を探すのもいい。なおこれを運営提供しているのはMinkabu the Infonoid ミンカブジインフォノイドという会社。ここは後述するKabutanも提供している。
  3) 株マップコム 簡易スクリーニング 項目数は少ないが 自己資本比率の検索機能は貴重 共同通信の子会社らしいクオンツリーサーチという会社が運営提供している。
 怖いのは直近の決算発表や、関連するニュースを見落として損をすることです。企業名と決算という言葉で、検索を書ける習慣をつけましょう。
 つぎに購入した後を考えます。複数株を保有した状況になっています。ここで購入時点ではなく、財産を増やす基準になる基準日の終値を記録します。第一の原則は、売るときは、必ず(基準日の終値+売買コスト)以上の値段で売却することです。この原則を守ることで、資産のすり減りを防止できます。前日の高値と安値を必ずチェックします。その振幅の幅が注文を出すときに参考になります。前日の高値と安値の振幅の範囲は、指値の注文の範囲として合理性があります。注文を出すときは、注文期間は少し長めにします。
 売り買いの判断について迷うときは、例えばみんなの株式の判断をチェックすると冷静になれます。たとえば自分が買いと思っても、みんなの株式では売りになっているとき、今一度判断を見直せます。直近で新たな情報がないか、慎重になりましょう。
 Traders Web 銘柄スクリーニング このサイトを使って数値を実際に入れて、スクリーニングをする意味のある数字を考えてみます。
 スクリーニングしたあと、実際に購入するかについては、まず直近の株価動向をチェックして、現在が買い時かの判断をする必要がある。たとえば移動平均線moving average このテクニカル指標で買いサインがでているかのチェックを併用することを考える。
         移動平均の計算方法
         加重移動平均と指数平滑移動平均
 移動平均線のトレンドtrendと乖離率が示される  乖離率は日々動く値なので短期投資には必要だが、長期投資ではトレンドの方が重要。長期 中期トレンドが上昇であるなか短期のみが下落なら買いサイン。移動平均線を利用した投資の方法に グランビルの法則がある。グランビルの法則では移動平均線と株価との関係が問題にされている。ただグランビルの法則は8つもあって覚えるのも面倒だ。その中で一番簡単なものは、乖離の大きさを問題にするもの。その日の乖離率difference from moving average大きくマイナスであれば割安サイン。大きくプラス(目安は5%超)なら割高サイン。とりあえずはこれがグランビルの法則に含まれていることを覚えよう。
   乖離率={(株価ー移動平均)/移動平均}×100
 そして長期の移動平均線を短期の移動平均線が右上に突き抜けるものをgolden crossといい相場上昇のサイン。右下に突き抜けるものをdead crossといい相場下落のサインという。このgolden crossとdebt crossもグランビルの法則のなかで、移動平均線と日々の株価線の関係として指摘されている
 なおこの移動平均の数値を、計算するときに最近の数値の影響が大きくなるように計算することが合理的だとされる。その方法を収束拡散convergence divergenceといい、そうして計算した数値を収束拡散移動平均 MACD moving average convergence divergenceという。なお同じことを平滑移動平均exponetial moving averageと呼ぶこともある。
 ボリンジャーバンドBollinger band(ボリンジャーバンド:カブコム証券 移動平均線に対して日々の株価の標準偏差(σ=シグマ)の値の変化が示さしたものである。このバンド(たとえば3σ)の上に株価があれば割高。下(たとえばマイナス3σ)にあれば割安。
 このほか株価の偏りを計測する手法にはRSI relative strength Indexを使う人もいる。これは一定日数間の上昇幅の合計を、一定日数の上昇幅と下落幅の合計で割ったもの。50%を超えると買いが強い。割ると売りが強いという。これは相場全体についての騰落レシオと似ている。
 騰落レシオは、一定日数間の上昇銘柄数を、値下がり銘柄数で割ったもの。これも相場の過熱あるいは冷え過ぎを表す数値として使われる。120%前後が過熱(買われ過ぎ)の目安とされる。逆は80%割れで売られ過ぎサインである。株価の面ではPBRの1割れ。PER4で10割れは、予想配当利回りで2.5%超え、などは株価の割安サインである。そこで下げ止まるという保証はないが割安サインではある。
株式投資入門中編 投資銘柄の選択
株式投資入門中編補講 優良株の相場動向
株式投資入門後編 値下がりへの対処法

originally appeared in Dec.4, 2009
corrected and reuploaded in Aug.17,2021




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