Entrance for Studies in Finance

2012 (2009)

私は終末論映画と呼んでいるのだが、世界の終わりを予知するこの手の映画は近年多い。そうした軽いノリで見たけれど、意外に特撮と脚本がしっかりできていて驚いた。監督Roland Emerich。
 長編映画だけど飽きないのは、スペクタクルな特撮映像が続くため。特撮が予告編を大きく超えていることにも正直なところ驚いた。お話はおそらく「科学者」が現実性をすぐに否定しそうなお話。2012年に惑星直列により太陽活動が活発化、放射線量の爆発的増加で、地球の地殻活動が活発化。大地震、大噴火にとどまらず大陸プレートの移動まで生ずる。大津波が発生し、文明は水面下に没するというもの(その前兆現象は2009年には発見されているが、例によって政府は隠している)。こうした因果関係の「お話」は、程度問題を別にすれば実は間違いではないようだが、映画における規模では生じないというのが「真相」のようだ。しかしそれを地球の終末をもたらすものほどの問題として現実感のある映像で見せているのはさすがで、この映画を見てまじめに不安に駆られる人もいるのではないか。
 主人公らしき人物は二人。一人は若い地球物理学者Adrian Helmlley博士(Chitwetwel Ejiofor)。そしてもう一人は、妻と別居中の売れない科学小説作家Jackson Curtis(John Cusack)。映画はまず地球物理学者を中心に、問題の発見から政府の動きを描き、続いて科学小説作家を中心にした、危機からの家族(別居した妻は整形外科医と同居、しかしSF作家との間にもうけた二人の子供がいる)の脱出劇を中心に描くことでスタートする。このほか、間奏のように日本にいる息子に会いに船にのるジャズピアニスト。そして兄が「船」の建設現場で働く若いラマ僧。さらにはロシアの資産家一家、など実にさまざまな、今日性を象徴する家族(このほか大統領(President Thomas Wilson by Danny Glover)一家や大統領補佐官の家族など)とその在り方が続々と登場するのはこの映画の魅力で脚本がよく練られている部分だ。

2012 trailer
2012 trailer 3
2012 film wiki
Nibiru collision wiki
the end of the world 2012
地球終末論の描き方

Written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author.

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