午後7時ころ100人以上が工場の建物に乱入。製造ラインを管理するパソコンが破壊された。事務所が放火され人事担当のインド人が死亡(両足を骨折したインド人幹部が逃げ遅れて死亡したとされる)。日本人幹部2人を含む100人以上が負傷したとのこと。
現地警察は首謀者12人を逮捕(委員長 書記長含む12人の組合幹部全員を含む)。
操業停止により日1700台の生産止まる(1日あたりおよそ10億円の売り上げが失われる)とされ、スズキの業績への影響が心配された。
なお8月21日(火) マネサール工場は1ケ月ぶりに再開した。州政府は工場内外に警備部隊500人を配備した。
捜査当局は154人を逮捕。会社側は暴動に関与した社員546人を解雇した(直接雇用のものの4分の1にあたる)。派遣業者から派遣される契約工について問題があったとの判断があるようで、今後は組み立てラインに従事する工員を直接雇用に切り替えてゆくとしている。当初の再開予定水準は、300人体制で生産能力の10分の1程度の日産150台程度。段階的にフル操業に戻し、正規工8割、契約工2割の割合を目指すとのこと。しかし21日の出社した工員は予定の4分の1にあたる約75人。騒動の原因がなお解明されず、大量解雇や大量逮捕が不満を煽っている可能性もある。生産の回復が順調に進むか予断を許さないのではないか。
REUTERs, Aug.21, 2012
Bloomberg, Aug.17, 2012
Asiancorrespondent, July 19, 2012 けが人は管理職40人以上。組合側は60人以上が拘束された。
AP July 19, 2012 直接の原因は水曜日の朝、一人の管理職に労働者が暴行を加えたこと。組合は労働者への処分を阻止しようと出入口を閉鎖。話し合いが決裂したあと、管理職者たちへの暴行が始まった。逮捕者は88人に及んでいる。
Truth & Hype: Multi, Trouble at the Plant, posted on Oct.23, 2011 厳しい労働環境への不満が昨年の労働争議の背景にあったこと。日本的労務管理に現地従業員が反発していたことが伺える。
これまでもたびたび労働争議
2006年マネサール工場稼働
2011年6月 スト 月内に収束
2011年8月 一部従業員が怠業 会社側がロックアウト
2011年10月 スト再燃 月末に収束
この工場については201年度半ばに拡張計画があった(年25万台のラインの追加)。ハリヤナ州にはグルガオンにも工場がある。
現在の能力は年150万台。
2012年6月2日の発表で西部グジャラート州に年25万台の新工場建設を発表(2015年度に稼働予定)。投資額400億ルピー:
560億円
すべてあわせて200万台体制。スズキの予想では、2011年度に261万台のインド乗用車販売市場は中期的に400万台に。
そこで現在と同じ約5割のシェアを維持する構えだった。
なおインドでは7月30日から31日にかけて北部で大停電があった(1時間に1-2度の停電は日常茶飯事 日系進出企業は自家発電で対応している ただ自家発電の比重が増えると燃料代でエネルギコストが上昇するのでやはり望ましくはない)。発電設備 送電設備の老朽化で送電ロス 貧しい人による盗電
王子製紙が巻き込まれた排水管問題。2011年のタイの水害。そして電力。これらはいわゆるインフラ問題。さらに労働争議と、新興国事業のコストが目立ってきた。今回のトラブルでは、インドへの土着化で知られるスズキの労務管理が実は日本的労務管理の移植に過ぎず、必ずしも成功していないことが見えてきたことが注目される。
originally in Aug.8, 2012
corrected and reposted in Aug.22, 2012
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