Entrance for Studies in Finance

ウイルコムが更生計画案提出(2010年10月14日)

2009年9月 ウイルコム(カーライル 京セラ KDDI出資) 私的整理へ 
 競争激化もあり契約件数減少進む

(2010年1月27日 アップルによるiPadの発表 サンフランシスコ)

2010年2月18日 ウイルコム、東京地裁に対し会社更生法適用申請
 負債総額2060億円
 (社債含め負債総額1700億円という報道もあり)
 PHS 最大手 
 2004 カーライルG 京セラが買収 (KDDIの傘を離れて独立する意図)
 2005 業界に先駆け音声定額サービス導入 
   ソフトバンクの音声定額
   イ―モバイルの高速データ通信 
 2007 契約数466万ピーク(2010年1月末契約数424万人) 
 料金値下げ競争
 次世代PHS(XGP 現行携帯より早い)開発
  2009年秋 首都圏等に限定して投入
  次世代開始には5年間で1400億円の投資必要
社債を含めた負債1700億円 金融機関が新規融資に応じず行き詰まる
  →しかし2010年秋NTTドコモがさらに高速データ通信サービス開始
 財務体質急速に悪化
  電磁波弱いPHSは全国の病院5000か所で使用されている

2010年2月18日 格付け投資情報センターR&Iと日本格付け研究所JCRはウイルコムの発行体格付けをD(デフォルト)に引き下げた。ウイルコムは非上場。2012年6月に満期を迎える公募社債350億円を発行している。

2010年2月25日 企業再生支援機構が予定していた支援を正式決定をできず先送り(400万人を超す利用者が支援の理由付け 支援の枠組みをめぐりソフトバンクとAP間で意見が対立したため 公的支援に慎重論浮上)

2010年3月2日 ソフトバンクとAPが支援内容で合意

2010年3月3日 ソフトバンクが臨時取締役会でウイルコムを支援する方針を決定 
 分離される次世代PHS事業新会社に出資する (150億円の資本金のうち50億円を出資 APが50億円 残りは出資者をつのる)

2010年3月12日 東京地裁が更生手続き開始決定
 1月末の正社員数1058人。自然減と合わせて2011年3月末までに約230人削減予定(2010年3月14日判明)
2010年3月12日 企業再生機構(瀬戸英雄委員長 日航再建を主導)がウイルコム支援を正式決定を発表
 第3者委員会を開催して決定 
 カーライル 京セラ KDDI 出資分は100%減資
 AP(アドバンテッジパートナーズ)が新たに3億円出資
 銀行団などの債権カット額1145億円
 25億円以下の一般債権は全額保護
 機構から融資 最大120億円の融資枠 出資は見送る
 その後 次世代PHS事業で新会社設立(ソフトバンク30億円 AP優先株ふくめ50億円 事業者などから30億円出資集める)

企業再生機構が当初案作成
 その後 事業の毀損が想定より大きいことが判明

2010年8月2日 ソフトバンクが全面支援を発表
 事業家管財人も送り込む

2010年10月14日 更生計画案 東京地裁に提出される
 更生会社社長に宮内謙氏(1973年京都府立大学卒業 日本能率協会を経て1984年ソフトバンク)。
 投資ファンドのアドバンテッジパートナーズAPが3億円出資
 APがソフトバンクに同額で株式を譲渡
 ソフトバンクの100%子会社として約410億円の債務(金融機関などによる債権カット後の弁済総額)を今後6年間で均等弁済
 不足運転資金はソフトバンクが融資
 自己都合退職済みの100人以外の人員削減は行わない
 次世代PHS事業はソフトバンクがAPなどと設立するワイヤレスシティプランニングが引き継ぐ

加入者同士の通話が24時間無料になる(若者に人気があるものの加入者の純減続く 2010年9月末 契約数は380万件割れ)。コールセンターの効率化、基地局の削減しながら事業を継続して2014年3月期の黒字転換目指す(2010年3月期50億円強の最終赤字 2011年3月期は1100億円を超える債務免除益で大幅な黒字)。
 次世代PHS(XGP)を進めるなど技術開発に課題。ソフトバンクの狙いはXGPの周波数獲得と、PHS基地局の一部を携帯電話の基地局に置き換え、通話品質の向上に役立てることにあるとの指摘もある。

Written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author.
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