Entrance for Studies in Finance

株式の派生商品取引の増加と株式市場

概説
まず 派生商品取引が増加している。その利用の主体は外国人である。その多くは投機的である。
つぎに個人取引では派生商品取引の増加がみられる。その多くはやはり投機的でヘッジ目的ではない
個人の現物取引の減少は中小型株の流動性低下につながるとの指摘がある。市場は
全体として売買の高速売買化も絡んで、短期的要因で1日の間でも大きな動きが生じやすくなっている。
長期的観点から株式(個別銘柄)の分析を行い、売買のタイミングを見図るような取引はますます困難に
なっている。

株価指数先物取引 個別株の先物はない。
 先物取引 1700年代 堂島の米会所で誕生したとも
1988 大証で日経225先物 東証でTOPIX先物始まる
 先渡し取引 標準化・市場取引化 先物取引
 取引商品の規格化
 反対売買 途中換金を可能にする 決済月の第二金曜日(満期日)まで
      決済されないものは決済日に特別清算指数(SQ)で強制的に差金決済
 売買単位 受け渡し期日の標準化
 証拠金制度=決済不能リスクからの保護 必要に応じて追い証(追加証拠金)
証拠金と取引金額との倍率=レバレッジ
   ミニ日経平均で20-30倍
 マクロ指標で取引できるので個人が先物取引に移動 個人の先物売買比率が上昇
 値動きが悪い時は個人投資家は中小型株へ

 証拠金をもとに大きな取引ができる
 値動きが小さくても利益を出しやすい
  2006年7月 日経平均先物ミニ(大証で上場) 個人が中心に売買を想定して導入
  取引単位は日経平均が指数の1000倍 9000円なら900万円
  ミニ日経平均は100倍 9000円なら 90万円
  ETF信用取引は10倍  9000円なら 9万円   
  日経平均(ラージ) ミニ日経平均とも
  レバレッジは20倍前後とここでは仮定 その場合 証拠金は 日経平均は45万ほど ミニ日経平均は4.5万ほど
  レバレッジは状況により変化 幅はたとえば14-20倍前後
  ETF信用取引は3倍程度 このケースでの証拠金は3万円ほど 
 信用取引より手数料低い(金利 貸株料もない)
  取引の最終日までに反対売買を入れるか その翌日に算出される特別清算指数SQで損益確定する
    3月 6月 9月 12月の特定日ヲ最終取引日 最長1年3ケ月
  実際の使われ方は投機的で(ヘッジ目的少ない)同日取引が多い(8割とも)
   デートレーダーの増加により マクロ指標を投資のてがかりにする個人投資家は個別株投資よりは
   指数取引をこのむように。指数取引の増加は指数対象銘柄の流動性を高める。反面 指数とは関係の
   ない銘柄の流動性の低下要因になっているとの指摘もある 
  専門家は予想が外れた場合のロスカット(損切り)ルールが重要という。
2011年2月14日 大証がJ-GATEを導入 高速短期取引の増加
 2011年7月19日 大証が日経平均の夜間取引時間(日中取引を3時15分終了後 午後4時半夜間取引開始)を延長 
  午後11時半を午前3時に延長(海外株取引をみながらの
  取引可能に) 

 下げ予想
 売り持ち増やす(下げたところで買い戻し)
 保有株の損失を回避する先物売りつなぎ
 円買い 株売りを組み合わせて、さや取り
 不透明感
 先物を売り商品への乗り換え 債券先物 商品先物
 企業業績回復期待
 現物株売り先物買い

清算指数と裁定取引について
 特別清算指数(SQ)の算出(毎月第2金曜日)
 算出直後の株価が当面の高値安値となるケースが多い
 一時的に売買急増 
 先物と現物を組み合わせた取引の解消
 裁定取引 現物と先物の価格差を利用した取引
 上昇期待 買い残増える   


オプション取引 個別株と株価価指数オプションがある。
 1989 大証で日経225オプション 東証でTOPIXオプション
 1997 大証と東証で個別株オプション
 オプションの価値=本質的価値+時間価値
 時間価値は満期が近くなると減る
 コールの本質的価値は原資産価格(株価)>権利行使価格でプラス インザマネー
 株式相場のこう着 変動率の低下 → オプション取引で値ざやを稼ぐ取引
 相場の方向感にかける
 変動率の高まりを予想して

株価下げ予想局面の利益確保方法
 コールを買い戻す(株価指数の下げ局面で価格低下)
 プットを買う(保有株のリスクヘッジ プットの買い持ち=ロング)
 利益を出すににはそのプットを売る
   このほか信用取引の売り=現物株の信用売り
       株価指数先物の売り(売り持ち=先物のショート)
 も下げ局面の利益を上げる手段となる。
 プットを売る(株価指数の下げ局面でプット価格上昇) 
株価上げ予想局面の利益確保方法
 コールを買う 利益を出すには
 コールを売る(株価指数の上げ局面で価格上昇)
 プットを買い戻す(株価指数の上げ局面で価格低下)
   このほか信用取引の買い
       株価指数先物の買い    

 変動率の上昇予想 コールもプット 価格上昇
          → コール プットの両方を買う

 コールの売り手 日経平均が一定水準以上に上がらなければオプション料が収益として確定
         上がると損失抱える
         そこで先物の売り手に回る
         損失を限定するための先物買いという手法もある

日経平均ボラテリティインデックス(VI)について
 株価の予想変動率を示すもの オプション価格をもとに算出されている
 経験則では日経平均VIが上昇すると株価が下落する傾向がある
 日経平均VIの上昇は日経平均V(変動率)が大きくなることを予想する市場参加者が増えていることを示す
 日経平均と日経平均VIは逆相関の傾向が強い
VI=恐怖指数を商品化した投信が登場している
 上場投信にVIX短期先物指数がある。2010年12月に大証に上場されたもの。米S&P500株価指数のオプション価格をもとに算出。2008年9月のリーマンショックのとき、2010年5月のギリシャ危機のときに、それぞれ急上昇(株価下落局面で急上昇する特徴)。「恐怖指数」を投信商品としたもの。VIX指数の先物を使った指数に連動した運用成果を目指すとのこと。
 同様の指数に米国のVIX指数 米シカゴオプション取引所が算出 恐怖指数として知られる。

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