幅4m未満の道路に接する土地に建物を建てる際はセットバックが必要ですが、50万円から100万円程度の費用がかかります。
その費用ですが、どうやら補助金が出る市町村があるようです。
セットバックの補助金とその目安をご紹介しましょう。
そもそもセットバックとは?
はじめに、そもそもセットバックとはどのようなものか、わかりやすく簡単に解説します。
セットバックとは、土地の一部を道路とし、その土地が接する道路の幅を広げることです。
建築基準法により、市街地に位置する建物が建つ土地は、幅が4m以上の道路に接していなければならないと定められています。
よって、市街地に位置する幅が4m未満の道路に接する土地に建物を建てる際や、既存の建物を建て替える際は、一部例外を除きセットバックをしなければなりません。
セットバックをすれば接する道路の幅が広くなり、災害時には緊急車両が、平常時にはゴミ収集車や福祉車両などが通行しやすくなります。
また、風通しも良くなり、ヒートアイランド現象の緩和にも役立ちます。
セットバックの前と後の状況を図解でご紹介すると、以下のとおりです。
セットバックの詳細は、私が運営するサイト「誰でもわかる不動産売買」にてよりわかりやすく解説中です。
同コンテンツでは、セットバック部分に固定資産税がかかるか否かもご紹介しています。
気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
つづいて、セットバックの補助金をご紹介しましょう。
多くの市町村では、セットバックに補助金を支給する
セットバックが必要となる道路、すなわち幅が4m未満の道路を「狭あい道路」と呼びます。
そして、全国の多くの市町村では、狭あい道路を広くするために「狭あい道路解消事業」などの名目の事業を行い、セットバックを行う土地の所有者に補助金を支給します。
補助金の額は市町村によって大きく異なり、いくらという目安はありません。
よって、人口が多い横浜市(約377万人)と大阪市(約279万人)、名古屋市(約233万人)の補助金の目安をご紹介しましょう。
セットバックを行うために必要となる主な作業は、以下の4つです。
- セットバックをする部分を決定するための測量
- セットバックをする部分に設置された門塀などの工作物の除去や移設
- セットバックをする部分に埋設された水道管や配水管、ガス管の除去や移設
- セットバックをした部分の舗装
そして、横浜市では、塀の除去や移設に対して塀1㎡あたりにつき最大1万4,000円が、水道管やガス管などの除去や移設に対して最大25万円が補助金として支給されます。
横浜市がセットバックに対して行う補助金の詳細は「横浜市建築局:狭あい道路拡幅整備事業 補助金一覧表」にて確認することが可能です。
大阪市では、塀の除去に対して塀1㎡あたりにつき最大1万2,800円が、舗装に対して1㎡あたりにつき最大1万4,700円が補助金として支給されます。
大阪市がセットバックに対して行う補助金の詳細は「大阪市 狭あい道路拡幅促進整備事業」にて確認することが可能です。
名古屋市では、生垣の移植に対して生垣1㎡あたりにつき9,100円が、ガスメーターの移設に対して1万4,200円が、舗装費用に対して1㎡あたりにつき5,400円が補助金として支給されます。
名古屋市がセットバックに対して行う補助金の詳細は「名古屋市:生活こみち整備促進事業」にて確認することが可能です。
ただし、いずれの市町村も補助金を受給するためには、セットバックを行う前に市町村役場の担当者と面談をするなどして、工事の詳細を伝える必要あるため留意してください。
それではまたまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。