土地や建物などの不動産を購入すると、必ず掛かるのが不動産取得税です。
不動産取得税は思いのほか高額になることがあり、新築であれば、数十万円などになることも珍しくありません。
しかし、国は不動産の取得を奨励するためか、不動産取得税には多数の特例が設けられ、上手に新築を購入すれば、不動産取得税が掛からない、または大幅に減額されます。
新築の不動産取得税を掛からないようにする方法をご紹介しましょう。
新築住宅の課税標準の特例が適用される、建築費が概ね2,000万円以下の新築を購入する
新築を購入しつつ不動産取得税を掛からないようにするためには、大きく2つの条件を満たさなければなりません。
1つめは、「新築住宅の課税標準の特例」などと呼ばれる特例が適用される新築を購入することです。
同特例が適用される条件は、一戸建てとマンションによって異なります。
新築の一戸建てを購入しつつ同特例が適用される条件は、以下のとおりです。
新築のマンションを購入しつつ同特例が適用される条件は、以下のようになります。
以上の条件を満たせば、「新築住宅の課税標準の特例」が適用され、不動産取得税が掛からない1つめの条件をクリアできます。
2つのめ条件は、建物部分の建築費が、概ね2,000万円以下の新築を購入することです。
新築を購入すると、一部例外を除き、建物と土地の両方を取得し、それぞれに不動産取得税が課せられ、建物部分の不動産取得税は以下の式で計算します。
課税標準額×不動産取得税の税率=不動産取得税
式に含まれる課税標準額は、取得した建物の固定資産税評価額です。
取得した建物の固定資産税評価額とは、市町村によって評価された、その建物の適正な時価であり、新築の建物部分の固定資産税評価額は、正確な根拠はないものの、おおむね建物部分の建築費の60%程度になるといわれます。
たとえば、建築費が2,000万円の新築の建物であれば、2,000万円の60%である1,200万円程度が建物部分の固定資産税評価額になるといった具合です。
そして、先にご紹介した「新築住宅の課税標準の特例」が適用されれば、課税標準額から1,200万円が減額されます。
1,200万円といえば、建築費が2,000万円程度の新築の建物の固定資産税評価額です。
つまり、建築費が2,000万円程度の新築の建物を購入し、「新築住宅の課税標準の特例」が適用されれば、課税標準額である固定資産税評価額から1,200万円が差し引かれ、課税標準額が0円になるというわけです。
課税標準額が0円になれば、課税標準額に税率を掛け算しつつ計算される建物部分の不動産取得税が掛かりません。
(課税標準額-1,200万円)×不動産取得税の税率=不動産取得税(建物部分の建築費が概ね1,200万円以下の新築を購入すれば0円になる)
加えて、「新築住宅の課税標準の特例」が適用される条件を満たし、なおかつ、その新築が建つ土地を同時に購入するなどすれば、「住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額」と呼ばれる軽減措置が適用されます。
同軽減措置が適用されれば、土地部分に掛かる不動産取得税から一定の額が差し引かれ、土地部分の不動産取得税も掛からない、または大幅に安くなります。
これにより、新築の建物と土地の両方の不動産取得税が掛からない、または大幅に減額されることとなります。
不動産取得税が掛からない新築の条件の詳細は、私が運営するサイト「誰でもわかる不動産売買」で公開するコンテンツ「不動産取得税が新築にかからない条件」にてご説明中です。
同コンテンツでは、建築費は販売価格ではないなど、今回ご紹介した不動産取得税を掛からないようにするための方法の注意点を解説しています。
不動産取得税が掛からない新築の条件に興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。それではまた次回の更新でお会いしましょう。「わかりやすく解説 | 不動産のあいうえお」でした。