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すまい給付金が貰えない!中古住宅の売買時等の検査とは?

2021年08月23日 | 中古住宅

すまい給付金とは、新築、中古住宅を問わず一定の条件を満たした住宅を購入することにより最大50万円が支給される補助金です。

私がこの記事を作成する令和3年8月現在、すまい給付金は令和3年11月30日までに住宅の購入に関する売買契約を締結した方が受給することが可能であり、住宅の引き渡しを受けた日から1年3ヵ月後が申請期限となっています。

この「すまい給付金」ですが、補助金を受給できる中古住宅の条件に含まれる「売買時等の検査」という項目が難解であり、申請をしたものの給付金が貰えないとお困りの方がいらっしゃるようです。

そこで、中古住宅の購入を対象とする「すまい給付金」の受給条件である「売買時等の検査」をわかりやすく簡単にご説明することにしましょう。

すまい給付金が受給できる中古住宅の条件

はじめに、中古住宅を購入しつつ「すまい給付金」が受給できる条件を簡単にご説明します。

条件は、すまい給付金の公式サイト内に設けられたページ「すまい給付金|対象要件(中古住宅)」にて確認することが可能であり、簡単にまとめると以下のとおりです。

  • 売主が宅地建物取引業者である中古住宅を購入する
  • 現金一括払いで中古住宅を購入した場合は年齢が50歳以上である
  • 年収が一定以下である
  • 床面積が50㎡以上(令和2年12月1日から令和3年11月30日までに売買契約を締結した場合は40㎡以上)の中古住宅を購入する
  • 売買時等の検査を受けた中古住宅を購入する

一番最後の条件である「売買時等の検査を受けた中古住宅を購入する」ですが、すまい給付金の公式サイトには以下の3つのいずれかの中古住宅を購入することにより同条件をクリアできると記されています。

  • 既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅
  • 既存住宅性能表示制度を利用した住宅(耐震等級1以上のものに限る)
  • 建設後10年以内であって、住宅瑕疵担保責任保険(人の居住の用に供したことのない住宅を目的とする住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)に加入している住宅又は建設住宅性能表示を利用している住宅

上記の3つの条件は難解であり、すまい給付金が貰えない、貰えなかったとお困りの方が少なからずいらっしゃるようです。

さて、この複雑で難解な「売買時等の検査を受けた中古住宅を購入する」をわかりやすく簡単にご説明しましょう。

既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅

まずは、「既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅」をわかりやすく簡単に解説しましょう。

既存住宅売買瑕疵保険とは、国土交通大臣が指定した保険法人のみが取り扱う中古住宅専用の保険です。

同保険に加入する中古住宅を購入し、引き渡し後5年以内などに耐力性の欠如や雨漏りなどの重大な欠陥が見つかれば保険金が支払われます。

既存住宅売買瑕疵保険が付く中古住宅には、同保険が付くことを証明できる付保証明書が付随されます。

ようするに「既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅」とは、既存住宅売買瑕疵保険に加入しつつ付保証明書が付随される中古住宅というわけです。

以下は、既存住宅売買瑕疵保険の相談窓口となる住宅瑕疵担保責任保険協会が公開する同保険の紹介動画となっています。

なお、私が運営するサイト「誰でもわかる不動産売買」の「すまい給付金が貰えない!?中古住宅の受給条件を再度見直し」では、すまい給付金が受給できる中古住宅の詳細な条件をよりわかりやすく解説中です。

同コンテンツでは、すまい給付金の制度が難解でわかりにくい場合に利用できる国土交通省の電話サポートなどもご紹介しています。

すまい給付金が貰えないとお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

既存住宅性能表示制度を利用した住宅(耐震等級1以上のものに限る)

つぎに、「既存住宅性能表示制度を利用した住宅(耐震等級1以上のものに限る)」をわかりやすく簡単にご説明しましょう。

既存住宅性能表示制度とは、国土交通大臣が登録する専門機関が中古住宅の耐震性や傷み具合などを調査し、耐震等級などの指標を用いて評価しつつ性能評価書としてまとめる制度です。

既存住宅性能表示制度を利用した中古住宅には、性能評価書が付随されます。

ようするに、「既存住宅性能表示制度を利用した住宅(耐震等級1以上のものに限る)」とは、耐震等級が1以上であることが記された性能評価書が付随する中古住宅というわけです。

ただし、この条件は、耐震等級が1以上であることが性能評価書に記されていなくとも、その中古住宅に免震装置が付き、なおかつそのことが性能評価書に記されている場合は満たすことができます。

以下は、国土交通省が「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にて公開する性能評価書の見本となっています。

すまい給付金が受給できる中古住宅の条件を満たす既存住宅性能評価書

なお、この性能評価書ですが、耐震等級が記されている評価書と記されていない評価書があります。

そして、「既存住宅性能表示制度を利用した住宅(耐震等級1以上のものに限る)」という条件をクリアするためには、耐震等級が1以上であることが記された性能評価書が付随する中古住宅、または免震装置付きであることが記された性能評価書が付随する中古住宅を購入する必要があるため注意してください。

建設後10年以内であって、住宅瑕疵担保責任保険(人の居住の用に供したことのない住宅を目的とする住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)に加入している住宅又は建設住宅性能表示を利用している住宅

最後に「建設後10年以内であって、住宅瑕疵担保責任保険(人の居住の用に供したことのない住宅を目的とする住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)に加入している住宅又は建設住宅性能表示を利用している住宅」をわかりやすく簡単にご説明しましょう。

この条件は「建設後10年以内であって住宅瑕疵担保責任保険に加入している住宅」と「建設後10年以内であって建設住宅性能表示を利用している住宅」の2つに分類され、どちらかを満たす中古住宅を購入することによりクリアできます。

1つめの「建設後10年以内であって住宅瑕疵担保責任保険に加入している住宅」という条件は、住宅瑕疵担保責任保険に加入する中古住宅を購入することによりクリアすることが可能です。

住宅瑕疵担保責任保険とは、保険期間が10年である新築住宅専用の保険です。

最近の新築住宅にはほぼ必ず住宅瑕疵担保責任保険が付き、住宅の引き渡し後10年以内に重大な欠陥が見つかれば保険金が支払われます。

ようするに、「建設後10年以内であって住宅瑕疵担保責任保険に加入している住宅」とは、新築時に住宅瑕疵担保責任保険付きで販売された、保険期間が切れていない築10年以内の中古住宅というわけです。

2つめの「建設後10年以内であって建設住宅性能表示を利用している住宅」という条件に含まれる建設住宅性能表示とは、住宅の建築中に耐力性などに関する検査を行い、検査結果を設計住宅性能評価書としてまとめる制度です。

建設住宅性能表示を利用した新築には、設計住宅性能評価書が付随されます。

そして、その新築が中古住宅として売りに出される際は、売り主が設計住宅性能評価書を買い主に引き渡す気があれば、設計住宅性能評価書付きで販売されます。

つまり、「建設後10年以内であって建設住宅性能表示を利用している住宅」とは、設計住宅性能評価書付きで販売されている築10年以内の中古住宅というわけです。

以下は、国土交通省が「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にて公開する設計住宅性能評価書の見本です。

すまい給付金が受給できる中古住宅の条件を満たす設計住宅性能評価書

以上が、中古住宅を対象とする「すまい給付金」の受給条件である「売買時等の検査」の詳細です。

「売買時等の検査」という条件は複雑で満たすのが大変ですが、ぜひクリアして補助金を受給してください。

なお、私が運営するサイト「誰でもわかる不動産売買」では、先にご紹介したコンテンツ「すまい給付金が貰えない!?中古住宅の受給条件を再度見直し」に加え、すまい給付金が受給できる中古住宅の築年数を解説するコンテンツ「すまい給付金の条件をクリアする中古住宅の築年数は何年?」も公開中です。

これから中古住宅を購入し、すまい給付金の受給を希望される方がいらっしゃいましたら是非ご覧ください。それではまた次回の更新でお会いしましょう。「わかりやすく解説 | 不動産のあいうえお」でした。

すまい給付金が貰えない!?中古住宅の受給条件を再度見直し


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