野球小僧

友よ、歴史だ。オリンピックチャンピオンだ / ムタ エッサ・バーシム

いろいろと話題のあった東京オリンピック。史上初の兄妹同時金メダルとか、姉妹同時金メダルとか、2つの金メダルが話題になったりしています。

ともすれば日本人選手のメダル獲得や競技についてメディアでは大きく取り扱われていますが、それだけがオリンピックではないのですよね。

そして、金メダルに輝くのは1人だけでもなかったのですね。

大会10日目の2021年8月1日、陸上の男子走り高跳び決勝で2人の選手が同時に金メダルを獲得するということが起きました。

カタールのムタ エッサ・バーシム選手とイタリアのジャンマルコ・タンベリ選手。

ともに試技を1回も失敗することなく、2m37cmまで跳んで1位で並びました。オリンピック記録に並ぶ次の2m39cmは2人とも3回の試技を失敗し、「ジャンプオフ」と呼ばれる追加試技にもつれ込むと見られましたが、「ジャンプオフをやりますか」という審判員の問いかけに対して、バーシム選手が「金メダルは2つもらえるの?」と答えます。

審判員の「可能です」と答えを受けて、バーシム選手はタンベリ選手に「これ以上やらなくていいね」といい、2人はうなずき合い、バーシム選手が「友よ、歴史だ。オリンピックチャンピオンだ」と語りかけ、2つの金メダルが決まりました。

金メダルが決まった瞬間、タンベリ選手は叫び声を上げてバーシム選手に抱きつき、跳びはねたり、転げ回ったりして喜んでいる姿がTVで映し出されました。

走り高跳びの競技規則には、選手同士が試技をこれ以上しないと決めた場合などは、複数の選手が1位で並ぶと定められています。陸上競技で同記録による複数人の金メダリストが誕生するのは、1912年ストックホルム大会以来109年ぶりのことだそうです。

このストックホルム大会での陸上・近代五種競技(走幅跳、円盤投、200m、1500m、やり投)で、米国のジム・ソープさんが、走幅跳7m7cmで1位、やり投46m71cmで3位、200m22秒9で1位、円盤投35m57cmで1位、1500m4分44秒8で1位と圧倒的な成績で優勝しました。また、6日後には十種競技(100m、走幅跳、砲丸投、走高跳、400m、110mハードル、円盤投、棒高跳、やり投、1500m)に出場、100m11秒2で3位タイ、走幅跳6m79cmで3位、砲丸投12m89cmで1位、走高跳1m87cmで1位、400m走52秒2で4位、円盤投36m98cmで3位、110mハードル15秒6で1位、棒高跳3m25cmで3位タイ、やり投45m70cmで4位、1500m走4分40秒1で1位、合計ポイントは8,412.955で世界新記録、2位に700ポイント近い大差をつけて優勝しました。

しかし、1913年になり、オリンピックに参加する選手は、「何らかの大会で賞金を受け取った者、スポーツの教師、過去にプロ選手と対戦した者はアマチュア資格を喪失した者とする」として競技会から締め出され、1913年1月下旬にソープさんが1909年と1910年にプロ野球マイナーリーグで89試合に出場し、最低1試合2ドル(現在の貨幣価値で約47ドル)から最高1週間で35ドル(約822ドル)程度の報酬を受け取ったと報道しました。そして、国際オリンピック委員会(IOC)はソープさんがプロ選手でありアマチュア資格を喪失しているものと認定し、彼のオリンピックのタイトル、メダル、および賞を剥奪することを決定し、剥奪されたメダルはその後ローザンヌのIOC本部に保管された[6]。取り消すことを決定し、五種競技では2位だったノルウェーのフェルディナンド・レインハルト・ビーさん、十種競技はのヒューゴ・K・ウィースランダーさんに金メダルを授与したのです。

その後、長年にわたってソープさんの支持者がオリンピックでのタイトルを回復させようとし、1982年に米国議会から支持を獲得し、当時のソープさんの資格剥奪がオリンピック規則で許容された、閉会式から30日間の期間の後に行われたことを立証し、同年10月にIOC理事会はソープさんの権利回復を承認しなした。ただし、当時繰り上げで金メダルを獲得した五種競技のフェルディナンド・レインハルト・ビーさん、十種競技はのヒューゴ・K・ウィースランダーさんともに繰り下げずにそのままとし、2つの金メダルとなったのです。

ただ、ソープさんが1912年に受け取った金メダルは博物館に保管されていたが、盗難にあって、現在は行方不明のままだそうです。

さて、タンベリ選手は2016年リオデジャネイロ大会直前に足首をケガして欠場。そのとき着けたギプスに「ROAD TO TOKYO(東京への道)」と書き込んで東京大会を目指してきました。

一方、2012年ロンドン大会は銅メダル、2016年リオデジャネイロ大会は銀メダルだったバーシム選手は悲願の金メダル獲得となりました。

お互いに高め合ってきた2人は競技を離れると親しい友人だということで、バルシム選手は試合後のインタビューで、「勝ったほうが相手に食事をおごる予定だったけれど、どうやら割り勘だね」と笑いながら答えていました。タンベリ選手は、「金メダルを獲得した喜びは美しいが、それを友人であるバーシムと共有できることはより美しい」と語っています。

また、バーシム選手は試合後のツイッターにタンベリ選手との写真を公開して、「1つの金メダルよりいいものを知っているか?2つだ!」とコメント、さらに、「オリンピックチャンピオン!」と指をさし合っている画像を投稿しています。

あらためて、こうしてお互いの力を認め合い、金メダル2人になる競技もあっていいと思いますし、決着をつけることがすべてではないということを教えてくれたと思います。

なお、ベラルーシのマクシム・ネダセカウ選手も2m37cmを記録していますが、全体の試技のうち失敗の数の多さで3位となっています。試合後にネダセカウ選手は「ベラルーシにとっては貴重なメダルだ」と胸を張ってインタビューに応じていました。

さてさて、タンベリ選手は8月3日にイタリアへ帰国するために羽田空港で出国前のセキュリティチェックを受けました。首にかけていた金メダルを金属探知機の前で外し、メダルをX線検査用のトレイに乗せて、自身は探知機を無事に通過しますが、メダルは事前に税関に申告などをしていないため、タンベリ選手は職員に向かって「これ(金メダル)って持ち込んでもいいのかな?それとも置いていかないとダメ?」と没収の有無を確認したそうです。

もちろん、メダルは没収されることなく、無事にタンベリ選手に戻されています。

今日も、私のブログにお越しいただいてありがとうございます。

今日がみなさんにとって、穏やかで優しい一日になりますように。そして、今日みなさんが、ふと笑顔になる瞬間、笑顔で過ごせるときがありますように。

どうぞ、お元気お過ごしください。また、明日、ここで、お会いしましょう。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

日本で開催されたオリンピックですが、ほとんど観ていなかったです。最初から最後まで観ていたのは開会式くらいでした。

今日からパラリンピックが始まりますが、どうなのかなと。
Unknown
おはようございます。

確かに色々あった金メダルストーリー!
そしてその中で様々な言霊もうまれましたね。
>「勝ったほうが相手に食事をおごる予定だったけれど、どうやら割り勘だね」
↑これも最高ですね。二人の友情が詰まった言霊だとおもいます。
どっかの国の首相も魂のある言の葉発することができたらなぁ~


自分にできる事をしっかりやります!
笑顔の生活は戻って来ると信じて!!
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最新の画像もっと見る

最近の「名言・迷言」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事