葡萄隊。
一年に一日だけ特別な日があります。2人の背番号10がいる日。
まだ新チームのキャプテンは暫定ではあるが、これからは7人の5年生がチームの中心になっていかなくてはなりません。
今までのいいところは引継ぎ、新しいチームカラーを作って行くのですよ。
さて、2人のキャプテンとして思い浮かぶことは、ワールドカップ南アフリカ大会で決勝トーナメント進出を果たした岡田ジャパン。ゲームキャプテンとしてチームを引っ張ったのが長谷部誠(ボルフスブルク)。それまでは中沢佑二(横浜M)や川口能活(磐田)のベテランがゲームキャプテンを務めることが多かったです。
長谷部がゲームキャプテンになったとのは、たしか直前のことだったと思います。当時の岡田監督は「中堅どころでチームを引っ張っている。チームメートも信頼している」と話した。ベテランの立場ではなく、中堅どころ。ある意味私も???でした。
長谷部はプロでも高校時代でもキャプテンを務めたことはありません。しかも「いじられキャラ」。
ランニングも先頭で走ったりしたが、長谷部は「みんなに言われるから。いじられるので」と。リーダーというより潤滑油的な存在。だけど、それがベテランと若手の間には距離を埋めて距離を縮めていったとのことです。
もう1つ期待された役割。長谷部がプレーしている場所。同じ欧州組の本田と仲がいいということで、普段から連絡をとりあっている。本田がキーマンとなるA代表で長谷部を緩衝材に溶け込ませようとしたことと、中村俊輔や楢崎正剛をスタメンから外すにあたり、ゲームキャプテンを世代交代させれば、このワールドカップは若手で行くという意思表示になるという狙いがあったそうです。
ですが、チームと言うのはゲームキャプテンだけでは成り立ちません。やはり、ベテランの力は大きいものです。
直前の韓国戦に惨敗しムードは最悪。チームキャプテンの川口が「みんなで集まらないか」と呼びかけたそうです。15分程度の予定の話し合いが1時間以上になり、その場は批判の応酬だったとのこと。
攻撃陣が「前で守備しているのに一発で裏を取られる」と言えば「前がもっと追わないと守れない」と守備陣が返す。
この場でまとまることはなかったが本音をぶつけあう関係を築いていくことができたそうです。
川口はそれ以降裏方に徹し、チームが苦しいときに手を差し伸べる存在として、誰からも認められていったという。その川口のような強力なバックアップを得て、長谷部は自分なりのキャプテンシーを発揮していったのです。
チーム崩壊の危機に追い込まれた中で岡田監督が敷いた2人のキャプテン制が機能しはじめた瞬間でした。
なるほどなあ、長谷部キャプテン起用の理由はそう言うことだったのか。
長谷部のプレーは知っているが、人をよく知らなかった。長谷部がキャプテンと言うのを聞いた時には不思議だった。
だけど、Wカップ後のインタビューやTV番組などを見るとなるほどと・・・
リーダーとかキャプテンとかはとにかく引っ張る力、意思の強さなどが重視されますが、日本という国ではそういう尖がった人物はあまり出て来ません。目立つ存在というのが疎まれ易い国民性でもあり強いリーダーというタイプの人間は育ち難いのでしょうか(小泉純一郎や石原慎太郎は別として)。
そう考えると、この2人のキャプテン制というのは組織的には日本に合っているのかも知れません。
ベテランの役割。全体を見守り役として置いて、そして現場の中堅の若手に思い切ってやってもらえるような体制を作る。
任天堂などは若手にいきなり社長をやらせて、ベテラン役員たちが全力でフォローする体制で一気に変わって行った。
日本のあらゆる組織は昔ながらのやり方だけに固執していてもダメだと思います。
表面上だけの欧米の真似事をやってもダメ。
時代の流れ、変化に合わせて再度、何が、今の時代にとってベストなのか。何がその組織にマッチしているのかを作るべきでしょうね。
サッカーでの中田英寿や本田圭佑のようなタイプの日本人はほとんどいません。
だから彼らの海外での活躍とかはどこか特別なことのように感じてしまいます。
だけど、長谷部のようなタイプは日本人にとっては大半が当てはまるでしょう。
それだけに長谷部の活躍は非常に参考になるし、良い目標となるでしょうね。
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まっくろくろすけ

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