野球小僧

UNIVAS CUP 2019

日本版NCAA(全米大学体育協会:National Collegiate Athletic Association)設立準備委員会にて、検討を重ねてきた大学スポーツに係る大学横断的かつ競技横断的統括組織「一般社団法人 大学スポーツ協会」(通称UNIVAS)が、2019年(平成31年)3月1日に設立されました。

米国ではNCAAが大学横断的かつ競技横断的統括組織として1910年に発足し、米国大学スポーツ全体の発展を支えています。一方、日本の大学スポーツは大学内で課外活動として位置づけられ、学生を中心とする自主的・自律的な運営が行われ発展してきました。よって、大学内では個々の部として運営しており、大学の関与が限定的で学内でも競技横断的に全学的にスポーツ分野の取組を一体的に行う部局を置いていない大学が多いのが現状でした。

また、大会を開催する学生競技団体も競技毎に発展し、全国高等学校体育連盟や日本中学校体育連盟のような、競技横断的な統括組織が大学スポーツのみ存在していない状況も続いていたこともあります。つまり、大学の大会は競技ごとの学生連盟(学連)が自主的に運営してきたのです。

ちなみに、NCAAは1000以上の大学が加盟し、バスケットボールの放映権料などで年間約1000億円もの収入があるそうで、収益は加盟校に再配分もされています。ある意味、競技のビジネス化路線の管理もしています。ただ、日本のアマチュアリズムの伝統の中では、ビジネス的な路線を前面に出すことは、いやらしい感じがしますが、加入した大学には財政基盤が小さい地方の大学やマイナー競技も少なくないようです。単体ではビジネス化が難しく、UNIVASを通じて大学や競技のブランド力を高める狙いがあるのでしょう。ただ、現状では大会の入場料や放映権といった収入は大抵、学連にあり、UNIVASとの関係をどうしていくかのことでしょう。

一方で、UNIVASは収益事業の確立だけでなく、学生の学業充実や安全確保も活動の柱としています。本来はこちらが主力事業です。学生本来の学業がおろそかにならないように、成績調査などを通じて試合に出るための基準作りを検討する方針です。既に大学の中には既に独自の学業基準を設けているところもありますが、学業とスポーツの両立を図るようにしていく方針です。

(一般社団法人 大学スポーツ協会HPより)

また、競技横断で国内大学の総合順位を争う試みとして、野球、バレーボール、ラグビーなどの全国大会の成績を点数化し、年間順位を決める対抗戦を始めました。6月10日に開幕した野球の全日本大学選手権が最初の大会から始まってます。

対抗戦の名称は「UNIVAS CUP 2019」です。加盟219校が31大会で順位を競います(学内での調整が続いている東京大、明治大、慶応大、筑波大などは参加を見合わせています)。全日本大学野球選手権のほか、水泳の日本学生選手権や柔道の全日本学生体重別選手権、ラグビーの全国大学選手権など1競技1大会が指定大会になります。ただ、陸上の駅伝や大学サッカーは対象外です。順位に応じて各大学にポイントが付与され、総合順位を争い、上位の大学は年度末に表彰されます。今後、冠スポンサーも付く予定です。各校に振り分けられるポイント総数は競技登録者数に応じて、野球が3万、バレーボール男女が1万6000、バスケットボールが1万5000となりました。

全日本大学野球選手権大会 2019年6月10日~16日 / 30,000p
全日本学生アーチェリー王座決定戦 2019年6月15日~16日 / 4,000p
日本U23トライアスロン選手権 2019年7月7日 / 1,000p
全日本大学対抗ソフトテニス選手権大会 2019年8月6日~7日 / 7,000p
全日本学生テニス選手権大会 2019年8月7日~13日 / 9,000p
全日本学生なぎなた選手権大会 2019年8月11日 / 1,000p
全日本学生カヌースプリント選手権大会 2019年8月20日~25日 / 1,000p
文部科学大臣杯全日本学生レスリング選手権大会 2019年8月20日~23日 / 1,000p
全日本大学ソフトボール選手権大会男子:2019年9月5日~9月8日 / 女子:2019年8月29日~9月1日 / 5,000p
全日本大学選手権大会(ボート) 2019年9月5日~8日 / 3,000p
日本学生選手権水泳競技大会(競泳) 2019年9月6日~8日 / 8,000p
全日本大学アルティメット選手権大会(フライングディスク)本戦:2019年9月21日~22日 決勝戦:2019年9月28日 / 4,000p
全日本学生柔道体重別選手権大会 2019年9月28日~29日 / 6,000p
全日本学生スポーツ射撃選手権大会 2019年10月10日~13日 / 2,000p
全日本学生サーフィン選手権秋季大会 2019年10月19日~20日 / 1,000p
全日本学生ホッケー選手権大会 2019年10月23日~27日 / 5,000p
信夫杯争奪日本大学ゴルフ対抗戦 2019年10月31日~11月1日 / 3,000p
全日本学生馬術大会 2019年11月2日~7日 / 1,000p
少林寺拳法全日本学生大会 2019年11月4日 / 4,000p
全日本学生ハンドボール選手権大会 2019年11月8日~12日 / 8,000p
日本学生オリエンテーリング選手権ロング・スプリント競技部門 2019年11月9日~10日 / ミドル・リレー競技部門 2020年3月中旬 / 2,000p
全日本大学空手道選手権大会 2019年11月10日 / 3,000p
全日本大学対抗(女子)ウエイトリフティング選手権大会 2019年11月15日~17日 / 1,000p
全日本バレーボール大学男女選手権 2019年11月25日~12月1日 / 16,000p
全国大学ラグビーフットボール選手権大会 2019年11月24日~2020年1月11日(予定) / 12,000p
全日本大学バスケットボール選手権大会 2019年12月9日~16日 / 15,000p
全日本学生スポーツチャンバラ選手権大会 2019年12月21日~22日 / 2,000p
全日本大学ボクシング王座決定戦 2019年12月26日 / 1,000p

6月17日時点の順位は次のとおりです。

  1位 東海大 / 1,800p
  1位 東京農業大 / 1,800p
  3位 近畿大 / 1,400p
  4位 東洋大 / 1,250p
  5位 城西国際大 / 1,200p
  5位 東北福祉大 / 1,200p
  7位 愛知工業大 / 1,000p
  7位 大阪工業大 / 1,000p
  7位 大阪体育大 / 1,000p
  7位 九州産業大 / 1,000p
  7位 桐蔭横浜大 / 1,000p
  7位 福井工業大 / 1,000p
  7位 福岡大 / 1,000p
14位 日本体育大 / 800p
15位 環太平洋大 / 600p
15位 高知工科大 / 600p
15位 上武大 / 600p
15位 星槎道都大 / 600p
15位 創価大 / 600p
15位 中京学院大 / 600p
15位 日本文理大 / 600p
15位 八戸学院大 / 600p
15位 東日本国際大 / 600p
15位 立命館大 / 600p
25位 愛知産業大 / 250p
26位 長崎国際大 / 200p
26位 早稲田大 / 200p
28位 関西大 / 100p
28位 京都産業大 / 100p
28位 専修大 / 100p
28位 日本福祉大 / 100p
32位 北海道大 / 75p
33位 拓殖大 / 50p
33位 東北学院大 / 50p
33位 立教大 / 50p
36位 新潟大 / 25p

本家のNCAAはアメリカンフットボール、バスケットボール、野球、アイスホッケーの米4大スポーツのほか各競技の大会を運営していますが、総合ポイントを競うシステムはありません。UNIVAS CUPは大学スポーツへの注目を高め、各校のブランド力や競技力向上につなげる狙いとのことです。

一番大事なことは学生や大学にいかにメリットを生み出すかでしょう。昨年、大学スポーツで社会問題化した出来事があり、問題が起きた際に学生が安心して部活動に臨めるようにもして欲しいと思います


コメント一覧

full-count
eco坊主さん、こんばんは。
そうですね。入れ物だけ作っても、実際に運用できるかどうか、これからが大事なところです。
ポイント制で競うのもいいですが、ポイントのバランスがちょっと良くないような。
もしかしたら、野球だけで順位が決まっちゃうかも。
eco坊主
おはようございます。

最後の3行に書かれている通り、UNIVAS という組織が本当に大学生のための組織となってくれることが必要ですね。大学の一部経営者のため、またはUNIVASの組織の利権のためだけにならないようにしてほしいものです。

運営などの監視は文科省でしょうか・・・?
仏作って魂入れずになりませんように_人_
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