前売り券が即日完売したナゴヤドーム。駐車場の開門前に合わせ、ドーム開場1時間半前に着いたのですが、ドーム周辺は、もう青や白などの中日ドラゴンズのユニフォームを着たファンでごった返し。
グッズ売り場はレジへの長蛇の列、それよりもお店の棚は荒木雅博選手、岩瀬仁紀選手、浅尾拓也選手の引退記念グッズは、ほとんど品切れ状態。3選手の記念グッズがカプセルに入ったガシャポンは設置前から行列状態。チアドラのステージ前は人だかり。こんな状態は久しぶりに見た気がします。
さて、試合の方は9回にドラゴンズのまずい守備によって同点に追いつかれ、延長11回に2アウト二塁からヒットを打たれ、2-3で負けてしまいました。残念ながら、岩瀬選手に、ホールド、セーブもしくは勝ちの記録が付く可能性がありましたが、残念ながら付きませんでした、しかし、延長に入ったおかげで、荒木選手のおまけ打席を観ることが出来ました。
荒木選手は現役最終試合に「一番・二塁」でフル出場し、5打数2安打で有終の美を飾りました。
初回裏の第1打席で打席に向かうと、スタンドは、この日の入場者に配られた荒木選手の背番号「2」が記されたボードを掲げるファンでいっぱい。
そして、阪神タイガース先発・竹安選手をとらえて通算2044安打となるライト前ヒット。もう、ドーム内は拍手と歓声でいっぱいでした。第2打席は1アウト一塁の場面でショートゴロでした。
6回の第3打席には、タイガースの金本監督の粋な計らいもあって、元ドラゴンズの高橋聡選手との対決はライトフライ。そして、迎えた8回の第4打席にこの日2本目、通算2045安打となる右中間への当たり。二塁もうかがえたが余裕を持って一塁ストップ。今季初盗塁・通算379個目の盗塁を期待して、ドーム内から「走れ走れ荒木」コールを送られた中、次打者・堂上選手の4球目にスタートしましたが、惜しくもタッチアウトで盗塁失敗。
家に帰ってから、プロ野球ニュースで観たところ、荒木選手は出塁した際に、目が潤んでいるように見えました。
これが現役最後と誰しも思っていましたし、アウトにはなりましたが、ボールを二塁塁審から渡されて、苦笑いの荒木選手の背にドームのファンからの拍手。ベンチへと戻った背番号2を、ナインがハイタッチ迎えました。
ところが、試合は思わぬ延長に。荒木選手にとっては最終試合が残業です。1点を追う11回に打席が回ってきましたが、サードゴロに倒れた際には、すでにもうバテバテの様子で、拍手に迎えられて寂しそうな表情でした。
同じく、今季限りでの現役引退を表明した岩瀬仁紀選手は2-2の9回表2アウト三塁の場面で登板。マウンドに向かう岩瀬選手には、荒木選手と同じく、この日の入場者に配られた岩瀬選手の背番号「13」のボードを掲げて球界最年長左腕を迎えました。
すると、タイガース金本監督は打席に1998年ドラフト同期入団の福留孝介選手を代打に告げます。この対戦で岩瀬選手は真っ向勝負を挑み、伝家の宝刀スライダーで元チームメートを3球三振に斬りました。空振りした福留選手はヘルメットをとって岩瀬選手に一礼。岩瀬はナゴヤドームの観客から大歓声を受けてマウンドを降りました。
荒木雅博選手
通算打率.268、2045安打、468打点、ホームラン34本、球団最多の378盗塁という数字を残し、2018年10月13日にバットを置いた。
岩瀬仁紀選手
プロ野球最多407セーブ、1002試合登板など数々の記録を樹立し、球史に残るクローザーが2018年10月13日に現役生活に別れを告げました。
中日ドラゴンズで5度のリーグ優勝と2007年の日本一を経験し、常勝時代の象徴だった荒木選手、岩瀬選手の現役最後の試合でも、最後まで「らしさ」を貫いていました。
本当にありがとうございました。