「信州を紹介します」のコーナーです。今年2022年は「諏訪大社の御柱（おんばしら）祭」と「善光寺の御開帳（ごかいちょう）」が同時に開催されます。信州にとっては「盆と正月が一緒にやってきた」感があります。
本日は「善光寺の御開帳」編です。
全国的に有名な「善光寺 御開帳」は7年に一度、現在では丑年と未年に開催されているが、昔は一定間隔ではなく、境内堂社の造営や落慶に合わせて寺の都合により開催されていたようです。
本来でしたら2021年に御開帳が開催される年でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、今年2022年に延期されました。
善光寺は長野県長野市元善町にあり、仏教が各宗派に分かれる創立された無宗派のお寺ですので、誰でも参拝できるお寺です。「牛に引かれて善光寺詣り」「遠くとも一度は詣れ善光寺」などといわれ、全国から多くの方が訪れています。本堂は東日本最大の国宝木造建築物であり、ひわだ葺の屋根は日本一の面積で、重要文化財の山門とともに圧倒されます。
「煩悩（ぼんのう）」だけの細胞の集合体のような私にとっては、善光寺詣りをするたびに都度都度圧倒されます。
開帳には、お寺のある場所で開催する「居開帳」のほかに、大都市部に出向いて開催する「出開帳」がありました。出開帳には、江戸（東京）、京（京都）、大坂（大阪）で開催する「三都開帳」や諸国を回る「回国開帳」があり、境内堂社の造営修復費用のための事業として行われていました。明治時代以降から2009年まで「御開帳」と呼ばれるものはすべて居開帳でしたが、2013年には東京両国回向院にて「出開帳」が開催されています。
善光寺御開帳の正式名は、「善光寺前立本尊御開帳（ぜんこうじまえだちほんぞんごかいちょう）」といいます。これは、善光寺の御本尊様である「一光三尊阿弥陀如来（いっこうさんぞんあみだにょらい）」は絶対秘仏となっており、善光寺のご住職でさえも直接拝むことはできません。その御本尊の身代わりとして、鎌倉時代に造られたまったく同じ姿の「前立本尊（まえだちほんぞん）」が、その姿を現すのがこの御開帳です。
そして、御開帳の期間中には前立本尊と本堂の前に立てられた「回向柱（えこうばしら）」が「善の綱（ぜんのつな）」と呼ばれる五色の紐で結ばれ、回向柱に触れると前立本尊に触れたのと同じご利益があり、「来世の幸せ」が約束されるとされています。また、釈迦堂前にも小さい回向柱が立てられ、堂内の釈迦涅槃像の右手と紐で結ばれ、回向柱に触れることにより釈迦如来と結縁し、こちらは「現世の幸せ」が約束されるとされています。つまり、この2つの回向柱に触れることにより、現世の仏である釈迦如来と来世の仏である阿弥陀如来と結縁することができ、利益・功徳が得られるといわれています。
「煩悩」だけの細胞の集合体のような私は御開帳で2つの回向柱に触れてこなければなりませんが、実は御開帳には一度も行ったことはありません。
その回向柱は長さ約10ｍ、重さ約3tにもなります（信州は大きな柱が好きな民族なのでしょうか？）。そして、回向柱を建立するのが「回向柱建立式」です。現在でも伝統的な技法によって行われていて、「木遣り（きやり）」という職人の唄に合わせながら、「神楽桟（かぐらさん）」と呼ばれる木製の道具でワイヤーを巻き上げて柱を立てていきます（信州は柱を立てるのが好きな民族なのでしょうか？）。
今回は4月～6月下旬までの1ヶ月長い期間の御開帳となっており、長野地域に「緊急事態宣言」か「まん延防止等重点措置」が出された場合（どちらも県独自のレベル6）、回向柱に参拝者がさわれないようにする対策をとる予定です。レベル5以下であれば、回向柱に抗菌効果のある光触媒をコーティングし、手指の消毒を徹底することで触れるようになります。
ちなみに、信州には善光寺が長野市以外にも「元善光寺（飯田市）」と「善光寺（諏訪市）」にあります。
善光寺参りは信州の3善光寺すべてをお参りするのが最良とされており、また、北の善光寺（長野市）と向かい合う位置にあり、善光寺参りの後にお参りしなければ片参りだといわれる北向観音が上田市の別所温泉にあります。
本日も私のブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。
その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。
それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。
