中日ドラゴンズを戦力外になった亀沢恭平選手と杉山翔太選手が新設された琉球ブルーオーシャンズに加入することが決まりました。
亀沢選手は今シーズン47試合の出場に留まり、打率.128に終わっており、10月に戦力外通告を受け、現役続行か他の道へと進むか悩んだ末、トライアウトを受験。トライアウトでは3ベースヒットを含む2安打を放ち、アピールしていました。
亀沢選手は「1年目というのに魅力を感じた。球団の成長に自分も参加できる。そして沖縄の町おこしも、自分の第2の人生にぴったりマッチングー。あとは、絶対面白そう」と話しています。
杉山選手は2016年には104試合に出場しましたが、ここ2年は一軍出場がなく、戦力外となっていました。しかし、現役続行を希望、トライアウトに参加していました。
琉球ブルーオーシャンズは沖縄初のプロ野球チームの設立と日本プロ野球機構(NPB)への参入を目指し、2019年7月に設立されました。東北楽天ゴールデンイーグルス初代監督を務めた田尾安志さんがゼネラルマネージャー(GM)、元;横浜DeNAベイスターズの小林太志さんが球団社長を務めます。初代監督には元;千葉ロッテマリーンズの清水直行さんが就任し、元;東京ヤクルトスワローズで沖縄出身の比屋根渉選手が選手第1号として入団しています。
小林球団社長は現役時代に沖縄キャンプを経験し、「子どもたちや地域の方の野球熱が強いが、沖縄にチームがないことにずっと疑問を持っていた。沖縄の人たちの情熱の受け皿を作りたいなと思って沖縄を選ばせてもらった」と、沖縄を拠点にした理由を語っています。
義父が沖縄で病院の創設に関わり、40年近く沖縄と関係があるという田尾GMは、「沖縄設立のチームに協力できることは非常にうれしいし、久々に現場を思い出した。なんとか力になりたい」と語り、「沖縄で野球をやりたいという人たちは非常に多い。レベルの高い監督、コーチを呼んで、できる限りいい環境でプレーさせてあげたい」と意気込んでいます。
清水監督は、「県民に応援されるチームづくりをしていく。NPBに参入し、勝てるチームにしたい」「私は投手出身で守備面を強化すると思うが、攻撃的な野球もしたい。自分に何が必要かを考えられる選手を育てたい」「球団としてNPBを目指すが、ここからNPBに行く選手が出ることも願っている」と述べています。
比屋根選手は、「沖縄に恩返しがしたくて入団を決めた。後輩に教えられるよう頑張りたい」と決意を述べています。
球団の親会社で、スポーツ選手のマネジメントなどを行うBASEの北川智哉社長は、「今後3年間は沖縄で野球を楽しめるチームを作り、県民から『NPBを目指そう』という流れができるチームにしたい」と目標を語っています。
独立リーグに所属せず、宜野湾市と浦添市を本拠地、宮古島市を準本拠地として活動し、25~30人の選手とプロ契約を結んだ後は、四国アイランドリーグplusやBCリーグ、NPBの二・三軍や台湾のチームなどとと交流試合を行う予定です。
田尾GMは福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長に、「正直、どんなチームにできるか自信はありません。それでも協力していただけないでしょうか」と相談し、全面協力を約束してもらいました。また、読売ジャイアンツ原辰徳監督にも依頼し、「ジャイアンツは全面協力しますよ。沖縄への移動費も食費も我々が負担しましょう。どうせなら開幕戦をウチとやるっていうのはどうですか」とこちらも全面協力を得ています。
(中日ドラゴンズ又吉克樹選手の弟さんです)
もちろんNPB入りの野望が実現する保証はどこにもありませんし、もちろんNPBへ参入障壁は高いと思います。
球団名の「ブルーオーシャンズ」には、沖縄の青い海と無限に広がる可能性へ出発するという意味が込められています。
日本のプロ野球界に新しい波が押し寄せてきました。