「父が言い続けてくれなければ、今も野球をやってなかったと思う。本当にうれしい。(この勝利を)キューバにいる両親、婚約者に伝えたい。ボールは両親に渡したいね」
中日ドラゴンズの新外国人ヤリエル・ロドリゲス選手が2020年8月15日に来日初勝利を挙げました。8月3日に育成契約から支配下登録され、8月9日のジャイアンツ戦で来日初先発し、好投し、この日が2試合目の登板でした。
8月15日 / 読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)
7回 6安打 1失点
8月9日 / 読売ジャイアンツ戦(ナゴヤドーム)
7回1/3 2安打 2失点
ロドリゲス選手はキューバ出身。2019年11月に韓国で行われたWBSCプレミア12のオープニングラウンドを視察したドラゴンズの与田剛監督が、その試合で好投したロドリゲス選手に興味を持ち、キューバ政府に獲得を打診。海外を含めて複数球団からオファーを受けましたが、日本でプレーしたいという本人の強い希望もあり、2020年1月26日にドラゴンズと育成契約をしました。
このあたりは、「キューバの至宝」ともいわれた、リナレスさんの存在や、同じ現役キューバ代表のR・マルティネス選手、A・マルティネス選手の存在も大きいと思えます。
2019年に8勝を挙げて、今年もローテーションの一角として期待されていたエンニー・ロメロ選手が左肩の手術を受けるため米国に帰国しして、今シーズンの復帰は絶望的という苦しい状況と、期待された若手ピッチャーの不調の穴を埋めてくれる、ジャイアンツ戦専用先発ピッチャーとして、これからも期待できそうです。
ロドリゲス選手は、現在23歳。9歳で野球を始め、14歳までは主にサードで野手としてプレー。しかし、キューバ国内のセレクションに落ち、一度は野球をあきらめ、学校の体育の教師を目指しました。ただ、「勉強もうまくいかなくて…」と、すっかりやる気を失ったロドリゲス選手でしたが、「お前にはすごい能力があるんだから、もう一度野球をやれ」と、どれだけ嫌がっても譲らず、再び野球に導いたのがお父さんでした。
そして、17歳で連れて行かれたアカデミーで速球がコーチの目に留まり、本格的にピッチャーとして野球を再開。翌年には州の代表に選ばれ、21歳の時に最年少キューバ代表入りを果たします。
2018年12月に発表された「MLBの興味を呼ぶキューバ人選手」では現在ドラゴンズでクローザーとして活躍するR・マルティネス選手より上位でランクインし、2年前から福岡ソフトバンクホークスにもマークされるほど、潜在能力は高いものを持っているロドリゲス選手。キューバでのあだ名はスペイン語で人形の意味する「ムニエコ」です。これは、1988年11月9日に第1作が公開された米国ホラー映画「チャイルド・プレイ」の人形チャッキーに似ていることからつけられたそうです。
なお、8月11日の12球団代表理事会でA・マルティネス選手とともに今シーズンの最優秀新人王の資格申請が承認されています。このまま、先発ローテーションに定着し、勝ち星を増やしていけば、史上初の外国人選手枠での新人王も夢ではありません。
キューバにいるお父さんは、日本での初勝利に大喜びだったと思いますが、新人王を獲得すれば初勝利以上の親孝行になるに違いないでしょうね。
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