米国上院議会は2022年3月15日、ロシアがウクライナで行っている行為を「戦争犯罪」「人道に対する罪」などと非難する決議案を全会一致で採択しました。そして、国際刑事裁判所(International Criminal Court)によるロシアへの捜査を支持し、ロシア指導関係者の責任を問うよう、米政府や国際機関の加盟国に求めました。
第2次世界大戦末期の1945年7月、日本は米英中(連合国)から無条件降伏を迫るポツダム宣言を受信し、8月14日に受け入れを決めました。宣言は日本の戦争行為を「日本の人々をだまし、間違った方向に導き、世界征服の挙にでた」とし、「一切の戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰を加えるべき」としています。戦後、連合国が日本の戦争指導者を裁いた、いわゆる「極東国際軍事裁判」が1946年5月3日に開廷し、「平和に対する罪」や捕虜虐待などの「通例の戦争犯罪」、一般市民の虐殺など「人道に対する罪」を審理しました。1948年11月の判決で、7人が極刑となるなど25人が有罪とされました。
さて、第2次世界大戦以降、特定事案に管轄を限定した国際法廷が設置されました。1993年5月に設置された「旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷」、1994年11月に設置された「ルワンダ国際戦犯法廷」がこれに当たります。
現在は、国際連合の主要機関の「国際司法裁判所(International Court of Justice)」と「国際刑事裁判所」が、戦時国際法を支える役割を担っています。
国際司法裁判所は、国家間の法律的紛争について裁判をしたり、国連総会や国連安全保障理事会などの要請に応じて勧告的意見を与えたりします。よって、国家間の紛争を取り扱うため、個人を提訴することはできません。
今回、ウクライナ政府はロシア政府を国際司法裁判所に提訴する方針だという。国際司法裁判所がロシア政府の法的責任を認めた場合、その判決内容の執行は国連安全保障理事会が担うことになります。しかし、ロシアは安保理常任理事国であるため、拒否権を発動できる権利を持っています。
一方の国際刑事裁判所は、国家同士の紛争とは別に、戦争犯罪を行った個人の国際犯罪を裁きます。
今回、国際刑事裁判所検察局は、ウクライナで戦争犯罪が行われていると「信じるに充分な根拠」があると述べており、約40ヶ国が捜査に合意しているといわれています。また、ロシアがウクライナのクリミア半島を実効支配する以前の2013年までさかのぼり、現在や過去の疑惑を調べることになるとのことです。そして、個人の犯罪行為の証拠が得られた場合、検察官は判事に容疑者召喚のための逮捕状を要請することができるのです。
しかし、国際刑事裁判所は独自の警察機関を持ちません。そのために容疑者の逮捕は各国の警察機構に委ねられています。さらに、ロシアは2016年に締約国から脱退しているため、ロシア側はロシア政府の容疑者の身柄を引き渡さないでしょう。ただ、もしも容疑者が締結国へ移動していた場合、逮捕することは可能ですが現時点ではその可能性はないと思います。
また、戦争犯罪を実際に行った戦闘員に比べて、命令を下す指導者の方が容疑としては立証することは、ほかの事例をみても難しいところですが、国際刑事裁判所は、「侵略戦争を引き起こした容疑」でも起訴することができると考えているようです。
これは、1945年11月20日に開廷された第2次世界大戦後に連合国によって行われたドイツの戦争犯罪を裁いた、「ニュルンベルク国際軍事裁判」において、当時のソビエト連邦政府が派遣した判事が連合国に対し、ナチスの指導者を「平和に対する罪」で裁判にかけるべきだと説得したのがきっかけになります。
しかし、ロシアは国際刑事裁判所の締約国ではないため、その指導者を平和に対する罪では裁けない可能性があるという。
理論的には、国連安保理が平和に対する罪について国際刑事裁判所に捜査を依頼することもできますが、やはり、ロシアはこれにもやはり拒否権を発動すると思います。
ただ、勝者の理論で裁かれることだけはあってはいけないことだと考えます。
本日も私のブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。
その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。
それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。