「桜」は、作詞・作曲:小渕健太郎さん、黒田俊介さんによる2005年11月にリリースされたコブクロの12枚目のシングルです。第47回日本レコード大賞 金賞、2006年度 JASRAC賞銀賞などを受賞し、2006年度の着うたフル、オリコン年間1位を獲得しています。
コブクロのシングル作品では「蕾」に次いで2番目の売上を記録しています。また、2007年3月18日から2010年3月1日までJR西日本 東海道本線(JR神戸線)さくら夙川駅の列車到着時のチャイムに採用され、高校の国語の教科書にも掲載されています。
この曲は春の桜の季節にぴったりではありますがリリースが11月であり、本来は、「冬の寒さの厳しさ。その冬を乗り越えて花を咲かせる桜」を唄ったものです。
♬冬の寒さに打ちひしがれないように 誰かの声でまた起き上がれるように
しかし、世の中は広いもので、この時期に咲く、「四季桜」という品種もあります。
そして、この時期にきて意外な桜の話題が注目され始めました。
毎年春に東京新宿御苑で開かれている首相主催の「桜を見る会」について、11月8日行われた参議院予算委での共産党議員による追及がきっかけです。
最も問題視されているのは、税金で首相の「後援会員を私的に招待しているのでは?」という点です。しかも、招待の規模が一般国民の私から見ても大きいものです。
さらに、今年の桜を見る会の前日、東京都内のホテルで、首相の後援会による「前夜祭」が開かれていたことも指摘されています。そこには約850人が出席し、首相夫妻も姿を見せてたそうです。そして前夜祭の参加者は翌日は貸し切りバスで桜を見る会会場の新宿御苑に朝早くから移動しており、なぜか首相や警察関係者と記念撮影をしていたそうです。
「桜を見る会」なのか、招いた有名人と共に写真に収まる「好感度アピール会」なのかは分かりませんが、インターネットなどでも影響力があるインフルエンサーたちを招いて、首相などとの写真をSNSで発信すれば、これ以上ないイメージ戦略になります。この好感度アップキャンペーンを税金で行うのです。
ちなみに、「桜を見る会」の2020年度の開催経費は2019年度の3倍超の5700万円であり、参加費は無料で、お酒やオードブル、菓子などがふるまわれるのです。
これを、政治家先生たちが自分のお金でやったら明らかに公職選挙法違反です。ですが、税金を使った公的行事でそれをやっているわけで、さらに後援会の方々を招待しているという。どう考えても、正しい税金の使われ方はされていないような気がします。先日、有名お笑いコンビのボケの方の脱税の件を書きましたが、別の意味で税金を払いたくないように思えます。
そんな中で、2020年度の「桜を見る会」が中止になったとのこと。
政府として招待基準の明確化や招待プロセスの透明化していき、予算や招待人数含め、全般的な見直しを行った後、2021年度については開催したい考えだそうです。中止については首相が自ら判断したということですが、追及が厳しくなる前に中止決定し、「私は関与していない」とうそぶいているのは、何かやましいことがあったからだと思うのは考えすぎでしょうか。
首相は誰かに媚び、万人に愛されていたいのでしょう。自分の不都合を指摘されても、それを真摯に反省する、潔さはありません。これでは、一国の長として、人々の心を惹きつけることは出来ないでしょう。
♬桜の花びら散るたびに 届かぬ思いがまた一つ
涙と笑顔に消されてく そしてまた大人になった
桜の花は鮮やかに咲き誇ったあと、瞬く間に散っていきます。決して誰かに媚びるわけではなく、すべての人に愛される必要はないと考えているように。
この潔さがあるから、私たちは「もう一度、見たい」と、毎年願うのです。
だから、桜は人々の心を惹きつけるのでしょう。