「主権」とは、「ほかの国に支配されたり、干渉されたりしない権利」のことです。ほか国からの干渉を受けず、自分で意思決定を行う権利とも言えます。国と国との関係を考えるうえで、とても大切な考え方で、主権を持つ国家のことを「主権国家」と言います。国際社会は主権を持つ主権国家で構成されていますが、ときどき国際問題で、「あの国は『かいらい国家(政権)』だ」と言って、ほかの国を言うことがあります。「かいらい」とは、「あやつり人形」という意味で、「人の手先となって思いのままに使われる者」ということを意味します。
2023年2月4日に米国が、「(偵察)気球が米国領空にあることは、米国の主権と国際法の明らかな侵害」だとし、中国が飛ばしたものだと認めた気球を米国領海内で打ち落としました。
この国家として主権がおよぶ範囲一般的に「領土」「領海」「領空」になります。
領土:国が領有する土地
領海:国の主権がおよぶ範囲の海
領空:領土と領海の上空
領土とは、一般的に国家が領有する陸地のことを指します。つまり、日本では陸地続きで隣の国との国境がありませんのでわかりやすいのですが、欧州などの陸続きの国では隣の国との国境線の範囲内が領土になります。
領海の範囲は「海岸線から12海里」と国際法で定められています。1海里は約1852mになりますので、海岸線から約22kmが領海になります。案外、狭いものです。ちなみに海岸線から200海里の範囲は、その国の「経済水域」とされています。経済水域とは、「その国が優先的に魚や資源を得ることを認められた海」のことです。
しっかり覚えておきましょう。
さて、話題の領空ですが、領空の高さを知るためには宇宙空間との関係があります。1967年に発効した「宇宙条約」では、宇宙空間の領有が禁止されています。よって、地表(領海上は水面)から宇宙空間に至るまでの空間が領空となります。
肝心の宇宙空間はどこかなのか?ですが、実は各国の利害関係から明文化された国際条約は存在しないそうです。ただ、一般的には「地球の大気圏の外側が宇宙空間」と考えられますが、どこまでを大気圏とするかによって異なります。そのため、1950年代に宇宙開発が始まったときに「国際航空連盟(FAI)」という民間団体が、「地上から100kmを宇宙空間と大気圏の境界線」と定義しました。
これはロケットや人工衛星が地球大気圏を脱出するための軌道速度(宇宙速度)を計算する際、高度100kmが基準として用いられたとのことです。100kmの境界線は「カーマン・ライン(Kármán line)」と呼ばれ、現在に至るまで大気圏と宇宙空間との境界線の定義として、様々な分野で活用されています。
2023年2月4日に米国が、「(偵察)気球が米国領空にあることは、米国の主権と国際法の明らかな侵害」だとし、中国が飛ばしたものだと認めた気球を米国領海内で打ち落としました。
この国家として主権がおよぶ範囲一般的に「領土」「領海」「領空」になります。
領土:国が領有する土地
領海:国の主権がおよぶ範囲の海
領空:領土と領海の上空
領土とは、一般的に国家が領有する陸地のことを指します。つまり、日本では陸地続きで隣の国との国境がありませんのでわかりやすいのですが、欧州などの陸続きの国では隣の国との国境線の範囲内が領土になります。
領海の範囲は「海岸線から12海里」と国際法で定められています。1海里は約1852mになりますので、海岸線から約22kmが領海になります。案外、狭いものです。ちなみに海岸線から200海里の範囲は、その国の「経済水域」とされています。経済水域とは、「その国が優先的に魚や資源を得ることを認められた海」のことです。
しっかり覚えておきましょう。
さて、話題の領空ですが、領空の高さを知るためには宇宙空間との関係があります。1967年に発効した「宇宙条約」では、宇宙空間の領有が禁止されています。よって、地表(領海上は水面)から宇宙空間に至るまでの空間が領空となります。
肝心の宇宙空間はどこかなのか?ですが、実は各国の利害関係から明文化された国際条約は存在しないそうです。ただ、一般的には「地球の大気圏の外側が宇宙空間」と考えられますが、どこまでを大気圏とするかによって異なります。そのため、1950年代に宇宙開発が始まったときに「国際航空連盟(FAI)」という民間団体が、「地上から100kmを宇宙空間と大気圏の境界線」と定義しました。
これはロケットや人工衛星が地球大気圏を脱出するための軌道速度(宇宙速度)を計算する際、高度100kmが基準として用いられたとのことです。100kmの境界線は「カーマン・ライン(Kármán line)」と呼ばれ、現在に至るまで大気圏と宇宙空間との境界線の定義として、様々な分野で活用されています。
なお、1983年に流行った洋楽の「カルチャー・クラブ」の「カーマは気まぐれ」とは関係ありません。
さて、結論として、領空の高さについても「カーマン・ライン」が慣習的に用いられ、領土・領海の上空で宇宙空間に至るまでの大気圏、つまり高度100kmまでの空間が領空であるとされています。なお、カーマン・ラインを超えた人工物および人間が宇宙飛行を行ったと認定されます。
つまり、今回、米国上空を飛行していた気球は約10,000m~約20,000mの高さを飛行していましたので、米国の主権を侵していたことになり、飛行許可を得ていない限り領空侵犯として撃墜されても仕方がないことになるのでしょう。
ちなみに、1983年9月1日に韓国・大韓航空のボーイング747が米国ジョン・F・ケネディ国際空港を出発し、アラスカのアンカレッジ国際空港を経由、韓国の金浦国際空港に向か途中、旧ソビエト連邦(現;ロシア)の領空を侵犯したため、ソ連軍の戦闘機により撃墜され、全員が死亡した事件がありました。また、この5年前の1978年4月20日にも航法ミスで旧ソ連領空を侵犯し、ソ連軍の戦闘機に迎撃され、2人が死亡、13人が負傷する事件がありました。
以上、本日のお勉強の時間は終了です。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。
さて、結論として、領空の高さについても「カーマン・ライン」が慣習的に用いられ、領土・領海の上空で宇宙空間に至るまでの大気圏、つまり高度100kmまでの空間が領空であるとされています。なお、カーマン・ラインを超えた人工物および人間が宇宙飛行を行ったと認定されます。
つまり、今回、米国上空を飛行していた気球は約10,000m~約20,000mの高さを飛行していましたので、米国の主権を侵していたことになり、飛行許可を得ていない限り領空侵犯として撃墜されても仕方がないことになるのでしょう。
ちなみに、1983年9月1日に韓国・大韓航空のボーイング747が米国ジョン・F・ケネディ国際空港を出発し、アラスカのアンカレッジ国際空港を経由、韓国の金浦国際空港に向か途中、旧ソビエト連邦(現;ロシア)の領空を侵犯したため、ソ連軍の戦闘機により撃墜され、全員が死亡した事件がありました。また、この5年前の1978年4月20日にも航法ミスで旧ソ連領空を侵犯し、ソ連軍の戦闘機に迎撃され、2人が死亡、13人が負傷する事件がありました。
以上、本日のお勉強の時間は終了です。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。