囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

玄玄碁経/彩雲勢㊦

2021年03月27日 | ★古典の小径をゆく

 

900年前の名著「玄玄碁経」勢の部から

 ~ 今も出版物に取り上げられている古典 の巻】

 

 

 

変化図です

黒1の一線のコスミ

これは常套手段ですが

白2のマゲに対処できますか?

 

黒3、黒5となれば

白は自らダメヅマリになるという

悲劇で終幕します

どうやっても白全滅の図

 

さいうんのせい とは

一点の黒い影が、あっという間に

大きな黒雲に広がる様子を

言い表しているようです

古典の味わいはネーミングにもあり

夜空を見て星座を定めるの如し

ここに幽玄な趣を感じる、としたものです

 

 

 

 

 

 

 


<女流3強プロフィル>

 

鈴木 歩(すずき・あゆみ) 東京出身、岩田一九段門下。女流最強戦優勝2回など女流トップの一角。夫は名人戦リーグ入りのトップ棋士・林漢傑八段、娘2人の4人家族。林は「美の有段詰碁100」「古典詰碁の魅力」などの著書があり、詰碁研究でも高い評価を得ている。

藤沢 里菜(ふじさわ・りな) 埼玉出身、藤沢秀行名誉棋聖門下。女流本因坊、女流名人、女流立葵杯、扇興杯優勝など、最年少記録を多数保持している。最新ランキングは日本人最高の世界4位。3大リーグ入りは時間の問題とされる。藤沢秀行は祖父、藤沢一就八段は父、藤沢朋斎九段は伯従父。(下の写真右)

上野 愛咲美(うえの・あさみ) 東京出身、藤澤一就八段門下。女流初の全棋士出場一般棋戦ファイナリスト(竜星戦準優勝)、歴代最年少(16歳3カ月)での女流棋聖獲得など、なにかと話題の多い10代棋士。鈴木、藤沢のバランス型とは異なり、ハンマーパンチを持つ超攻撃型の剛腕。自宅に大掛かりなAIソフトを置き、序盤研究の先端をゆく。(下の写真左)

 

 


玄玄碁経/彩雲勢㊥

2021年03月26日 | ★古典の小径をゆく

 

 

900年前の名著「玄玄碁経」勢の部から

 ~ 今も出版物に取り上げられている古典 の巻】

 

 

 

黒先白死となります

初手は、おなじみ一線のコスミ

 

黒3が落ち着いていますね

白4のハネダシに対しても

黒5と応じれば

白6と一子を抜いても

黒7のサガリがきいて

あとは、あがいても、

1眼しかつくれません

ご愁傷様……

 

ちなみに実戦では、

白番は「2」を打たず、

死んだふりをしましょう

盤上に石がある限り、

いつか活用できる道もある、

としたものです

コウになったらどうなるのか、

と手を抜いておくのも一興です

 

 

 碁のお友達からは

 高段のNさんからメールで解答をいただきました

 新型ウイルス自粛でお会いできませんが

 また一緒にアマ大会の団体戦に出る日を楽しみにしています

 

 

 

 

 

◆前回に引き続き、女流プロの話題を一つ

(碁のお友達Kさんから「面白かった」と、お褒めいただきましたゆえ)

 

 

最新の国内ランキング(FC2、2021年2月末)によると、

 

女流トップ3の全体の位置は、

32位の藤沢里菜(22)

62位の上野愛咲美(19)

92位の鈴木歩(37)

となっている。


タイトル数トップの謝依旻(31)は104位


そして、

仲邑菫(12)は225位と急伸している。

直近1年は24勝12敗と好調で

あと2~3年でトップ集団に入る勢い。


地元・大阪府高槻市在住で世界戦4位の

佃亜紀子(49)は331位


テレビ囲碁番組でおなじみの

稲葉かりん(22)が383位

 

現役最年長の

杉内寿子(94)が398位である。


         
        ◇

 


国内のブロ棋士は約500人

ランキング入りは443人で、

ほかに新人や対局数の少ない

ランキング外の棋士が40人余りいる。

 

 


玄玄碁経/彩雲勢㊤

2021年03月25日 | ★古典の小径をゆく

年度末が押し迫った。

女流碁界はいまや百花繚乱の様相。

5棋戦のタイトルを分け合うのは

鈴木歩(37)、藤沢里菜(22)、上野愛咲美(18)

の異なる世代のビッグ3である。それに――。

女流最多タイトル記録27の謝依旻(31)の巻き返し

仲邑菫(12)の躍進が絡んできそうな雲行きである。

 

一年前、13年振りにタイトル(女流棋聖)を手にした

鈴木は河野臨九段ら一流棋士を破って勢いに乗る。

一流の証明となる3大棋戦リーグ入りも間近だ。

バランスを取って打つタイプとされるが

復活を支えたのは、傑出した正答率の「詰碁」の力である。

 

もう、これ以上は伸びないとあきらめているあなた。

人間、死ぬまで生きている。

おうち生活で、コツコツとやっていれば、

いずれ花咲くときもあるーーかもしれない。

 

永いときを経ても

いまも輝き続ける傑作古典詰碁にて

新しい次の一歩の足掛かりといたしましょう!

 

 

 

 

900年前の名著「玄玄碁経」勢の部から

 ~ 今も出版物に取り上げられている古典 の巻】

 

 

黒先結果如何?

 

 

白の3子と5子を切っている黒1子の存在

いまは小さいけれど、このキリは不気味

暗雲が立ち込めてくる予感がしませんか?

 

狭いところなのでノーヒント

と、いきたいところですが

初手がすべてです

 


玄玄碁経/曲水勢㊦

2020年10月14日 | ★古典の小径をゆく

 

900年前の名著「玄玄碁経」勢の部から

 ~ 今も出版物に取り上げられている古典 の巻】

 

曲水の流れに乗って

相手の眼を欠いて死に追いやるーー

見事な手順は

まさに君子のたしなみです

         

         ◇

 

正解が二つあります

現代の詰碁問題としては失題となりますか

そう固いことをいわず

死活問題と考えてください

 

「まずはハネ」

と、覚えましょう

ハネはスペースを狭め

「二部屋作る広さ」が足りなくなります

ハネ → オキ の手順です

この碁形でオキからいくのは

うまくいきません

(ハネてツイでは、ダメですよ)

 

死活の第一感は

一にハネ

二に急所直撃

ほとんど、どちがかが正解

と覚えておきましょう

 

ただし手順を誤ると

失敗することがあります

(変化図を研究してください)

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤル気マンマンの皆さんからの解答

 

 

■高段・Nさん

クイズの解答を添付しました。

手順が難しいです。

 

 

 

■初段・Sさん

おはようございます🙋

気候の変化が落ち着きませんね😢

体調管理万全に😊

昨夜の解答は別添付に、基本の見本ですね、偉そうに満足してます😅

最初は反対から跳ねたのですが、無理🤔

真面目に考えて、正解にたどり着けた🙆と思います。

黒9の後はA・Bが見合いで白の死😁

 

 

 

■級位・Aさん
遅くなりました。ら・マンタの男です

初手は「13-十八」でしょうか?

 

 

 

 
 

 


玄玄碁経/曲水勢㊤

2020年10月13日 | ★古典の小径をゆく

 

900年前の名著「玄玄碁経」勢の部から

 ~ 今も出版物に取り上げられている古典 の巻】

 

曲水の宴(きょくすいのうたげ)は、王侯、貴族の優雅な遊び。

水の流れのある庭園などで、流れのふちに皆が座り、

流れてくる盃が自分の前を通り過ぎるまでに詩歌を読み、

盃の酒を飲んで次へ流し、別堂でその詩歌を披講する。

中国古代、周公の時代に始まったとも、

秦の昭襄王の時代に始まったとも、伝えられる。

 

         ◇

 

流れるような手順で、白を召し取ってください。

初手は、基本のキ。

 

 

一晩考えていただき、あす10日(水)夕までに答えを決めてください。

マインドのある碁打ちは「賞品のないクイズ」に解答を!

 


玄玄碁経/細妙勢㊦

2020年10月02日 | ★古典の小径をゆく

 

900年前の名著「玄玄碁経」勢の部から

 ~ 今も出版物に取り上げられている古典 の巻】

 

こういう形は

初手は「ツケコシ」からいくもののようです。

9手で決着しますが、

盤端の妙技が冴えなければムリというもの。


手順も大切で、白はどうやっても全滅を免れません。

途中の手をよくごらんください。

「見合い」の筋で、白の抵抗を封じます。

あるいは「3目中手」をお見舞いします。


基本のヨミがしっかりしていないと解けません。

詰碁問題で解けると初段あるいは三段。

実戦で間違わないで打てると五段とされます。

ヨミがきちんと入るかどうかを訓練するのに

最適の出題とみました。

 

 

 

 

 

▼碁友から「賞品のないクイズ」の解答が

締め切り間際? に寄せられました

ありがとうございます

 

 

 

■初段・Sさんayu123です🙋

中国古典詰碁、素晴らしいですね。久し振りに置いてみました、が・・・
白・黒の△▲が見合い
実際は黒⑤まで、⑦が出て来ません😭でした。
ズルの解答ですね☺️
私の教本は左辺に創られてます。
ありがとーございます🙇
今は規三生さんの詰碁を勉強中です、一つきりがつきましたら、ボチボチとヒモ解きます。

 

 

■高段・Nさん

解答添付します。手順が難しいです。

 

 

「玄玄碁経」シリーズをもう少し続けます

なあんだ、こんなの市販本に載っているよ

などと、言わないでくださいね

「卵が先」なのですからーー

 


玄玄碁経/細妙勢㊤

2020年10月02日 | ★古典の小径をゆく

 

900年前の名著「玄玄碁経」勢の部から

 ~ 今も出版物に取り上げられている古典 の巻】

 

 

わたしが級位の頃、

疑問に思っていた形です。

 

細密にて妙(たえ)なる技をもって

白がみごと全滅します。


この問題は、

「初二段~三段」が小考して

正しく打てるか、どうか、

といった筋のようです。

 

おおむね級位者向け問題集(初段挑戦)のレベル。

といっても、変化が多く、複線のヨミを要します。

 

高段者でも「実戦」で正しく打てるかどうか。

打ち間違えてから、「つい、うっかり……」とは言えませんよ。

(ヨミの習慣がおそろかになっている人の常套句)

 

級位者の皆さんは、ぜひ碁盤に並べてみてください。

初段への足掛かりになることでしょう。

(詰碁解きの効果を実感するという意味において)

 

 

 

 

 賞品のないクイズに、

 奮ってご参加ください。

 今夕、またお会いいたしましょう。

 

 

 

 

 

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玄玄碁経/通妙勢㊦

2020年09月30日 | ★古典の小径をゆく

 

900年前の名著「玄玄碁経」勢の部から

 ~ 今も出版物に取り上げられている古典 の巻】

 

一線(盤端)の妙技は、

勉強されている人には第一感でしょう。

変化図もあり、複線的なヨミが必要です。

攻防の秘術を尽くして、初めて正解となります。

 

 

以下、(賞品のない)詰碁クイズに応募いただきました

アウトプットのマインドに敬意を表します

なお、正解手順と変化のみを掲載します

異筋はありません

後は、ご自身で確認をお願いします

 

 

■高段・Tさん

クイズに解答(応募)します。

「黒16十八 → 白16十九または16十七 → 黒14十七。黒は10十八の一子を活用し、白

に2眼を作らせません。我流男」

 

 

■高段・Nさん

「10時間」を過ぎてしまいましたね。

解答を添付します。

 

 

 

 


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玄玄碁経/通妙勢㊤

2020年09月30日 | ★古典の小径をゆく

 

900年前の名著「玄玄碁経」勢の部から

 ~ 今も出版物に取り上げられている古典 の巻】

 


史上2番目に古い棋書からの出題です。

(最古は12世紀ごろとされる忘憂清楽集。原書は北京図書館所蔵)

このうち傑作の死活問題――詰物「勢の部」から。

後世の「官子譜」、江戸期の「発陽論」「碁経衆妙」にも影響を残しています。

毎年出版される詰碁問題集にも取り上げられる有名な作品が数多く収録されています。

 

チャレンジ精神をお持ちの方は、

解答を「コメント欄」あるいは「ブログ管理人宛メール」へ!

考慮時間は、おおむね10時間とします。

初手あるいは3手だけ示していただいても結構です。


         ◇


「官子譜」にも登場する有名な筋。

「妙に通じる」とは、どういうものでしょうか?

 


ヒント=9手で決着しますが、初手が肝心です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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発陽論「手順に注意」続

2020年05月02日 | ★古典の小径をゆく


正解 ~ の巻】 

 

■黒はグズミから行きます。


五目中手の形にすれば、白を殺せます。

アタマの中で、この図が浮かべば、

実戦で使えます。

 

初手は絶対ですが、黒3のハネも大事。

黒3で「5」のツギを先にすると

白4を「3」の位置に広げられて失敗。

5目中手にできないためです。

 

         ◇

 

ヨミは、まだ打っていない地点に

石がある形をイメージできるかどうかです。

そのために必要なのは、頭のなかの碁盤を作る

ということ。

それができるようになれば有段いや高段かな。

級位の方は無理せず、

「正解手順」を見ながら碁盤に並べる

ところから始めるといいでしょう。

 

発陽論(いごはつようろん)は、

名人碁所であった4世井上因碩(道節)による1713年の作。

難解なことで知られ、別名は「不断桜」。

ほとんどの問題が、わたしの手に負えません。

 

棋力向上には「やさしい詰碁の反復練習がよい」

といわれます。

本問は発揚論の中では最もやさしいレベル。

またいつか、難解詰碁を出題してみようと思っています。

長手数のいくつかを理解し、実戦で使えば、

観戦者からオオーッと歓声が上がるでしょう。

これは快感です。

 

それでは、この辺で。

さよなら、さよなら、さよなら。

 

 

 

 

 

 

*・゜゚・*:.。..。.:*・'☆'・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..・◯

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