【新しい二輪車がやってきた の巻】
むかし、わたしが北陸に赴任したとき、
乗っていた原付バイクを母に譲った。
それからしばらくして
買い替えた母は八十を超えても
制限速度を下回るトロトロ運転だったが
駅前のエスカレーターで転んでから
原付にも乗れなくなった。
今度は、わたしが引き取った。
譲り受けてから数年経った。
このごろアチコチに傷みが出て
どうも調子がよろしくない。
部品を替えても追っつかない。
幅寄せ、割り込みも怖い。
やむなく買い替えることにした。
「今度は少し大きなバイクに戻ろうか」
学生時代から中型に乗ってきた。
今度こそ あのカワサキZに乗りたい、
と思ってモデルルームに行くも
思い描いたようなデザインのものは
既になくなっていた。
ギアチェンジや修理の手間を考えると
歳のせいもあってメンドーである。
乗りこなす覚悟が出なくて、断念。
手軽な小型スクーターで手打ちした。
とはいえ、昔の地味なイメージはなく、
エンジンも一気に吹き上げ
時速60㌔まではアッという間に加速すると聞いた。
なじみのバイク店主の話が決め手である。
「京都、神戸ならチョイ乗りで行けるし、
車体が小さいから置き場に困りません。
私も大型含めて3台に乗っていますが
原二スクーターを一番使っていますよ」と。
だが新型ウイルスの影響がここにもあり、
タイなどの工場からの海上輸送が滞り
昨年末からメーカーの在庫が逼迫し
人気車種の入荷見通しは半年先一年先とか。
選択肢が狭いなか、ここは初のスクーターで
と、一晩考えた末にデザイン重視で決めた。
4大メーカー中でヤマハが一番と思う。
それは2月下旬のことだ。
入手にしてから、200㌔余り走った。
慣らし運転の終わりも見えてきた。
車体が軽くエンジンも改善されていて
昔の250ccクラスの力がある。
スロットルを少し開けると
重低音のエンジン音と
微細な振動が心地よい。
春はバイクの季節である。
小さなワクワク感に包まれる。
もう日本海日帰りはムリとしても
今年の夏は、遠乗りならぬ、
近場ちょい乗りを楽しんでいきたい。
▼こういうところは、やっぱりアナログ表示が見やすい
全部が全部デジタルにならないことを祈りたい
▼思えば、いろんな車やバイクに乗ってきたもんだ
細部は全部違って、それぞれに良さがあった
▼伝説の名車「Z2」
威風堂々の風情、憧れで終わるのであろうか