詭弁
① 間違っていることを、正しいと思わせるようにしむけた議論。道理にあわない弁論
② 人をあざむくため故意に行われる、虚偽の推論
狂言
① 日本の伝統芸能の一。猿楽の滑稽・卑俗な部分を劇化した芸能。
② 歌舞伎の演目。歌舞伎狂言。
③ 人をあざむくために仕組むたくらみ。お芝居
④ 道理にはずれた言葉や行為。たわごと
⑤ ふざけて面白おかしく言うこと。また、その言葉や動作
三省堂「大辞林」より
【ついに「詭弁」とまで言われちゃいました ~ 今週も非生産的な国会でありましたの巻】
■「狂言」は「詭弁」よりも、計画性があり、毒性も強い。
前者は攻めに、後者は守りに、軸足を置くとみえる。
だが、本質は同一線上にあると考えてよかろう。
嘘は嘘を重ねざるを得ず、クセになり、エスカレートする、としたものだ。
さて、議論はさらに深みにはまるやら、はまらずにしぼむやら。
権力維持の謀り事とは、凡百のあずかり知らぬところか。
戦国時代(非常事態)らしい話をお一つどうぞ
戦場に生き戦場に死んだ者の非情なる巧智とはーー
ある時
織田信長が毎夜、密かに外に出るので
奥方(濃姫)がこれを怪しんで
「一体、何をなさるのか」
と尋ねた
すると信長は
「女の知ったことではないから、黙っていろ」
と言った
けれど奥方がしきりに問うて止まない
そこで信長は声を潜めて
「お前の父君(斎藤秀龍<道三>)の家臣某々2名が
内通することになった
そうして、いよいよ打って出る時は
烽火(のろし)を上げて合図をするはずなので
このように毎晩出てみるのだ」
と言った
これを聞いた奥方は大いに驚いて
“父の一大事、一刻も猶予することはできない”
と考えたので、密かにこの由を秀龍に知らせた
そこで秀龍は、ただちに某々2名を斬ってしまった
そのため斎藤氏の勢力は、にわかに衰えたという
ところが、これはあらかじめ信長が
某々2名の驍将を除こう、と
謀ってやった「狂言」だったのである
2020年2月15日(土)記す