【逃げ出しがピッタリ――門外不出の秘本の巻】
■黒先白死。
■2子にすると、取られますが、すぐに取り返して「ナカ手」。
白は「二部屋」が出来ません。
■ただし周囲の黒石の配石をよく見てください。
黒石は全部つながっています。
「この黒の集団が完全に生きていない」「さらに外側を白が包囲している」と、どうなりますか。
スミの白を殺したと思っても、攻め取りになったり、攻め合い負けになるケースがあります。
「ナカ手」は取るまで手数がかかります。
注意が必要です。
◇
■趙治勲・名誉名人が語る「アマ向け詰碁勉強法」(骨子)
いつのころか、数年詰碁に取り組んだこともありました。
詰碁づくりでなく、解く方です。
何といっても、最大の難敵は、名人因碩の「発陽論」。
史上最難関の詰碁集で、いまも全問完全な正解は得られていないとされるほどです。
いくつか解説本をひもといてみても、解答手順に誤りが散見されますから……。
これに一問一問アタックしていったのですが、全問征服できず中途で断念しました。
そうかと思うと、瀬越憲作先生や前田陳爾先生の、アマ向けのやさしい詰碁集を繰り返し何回も通して解いています。
アマチュアのかたには、若干やさしめの詰碁問題集を繰り返し繰り返し解いてごらんなさい、とすすめています。
それは私自身の個人的な経験からなのです。
手をヨム訓練としては、これほど効果的な方法は他にありません。
発陽論(はつようろん) 江戸中期の作。名人碁所だった4世井上因碩(道節)が1713(正徳3)年に編纂した。「不断桜」「囲碁発陽論」とも記される。家元・井上家で門外不出の秘本とされ、一部の高弟のみ閲覧が許された。原本は焼失したが、本因坊秀哉(明治7年~昭和15年)が写本などを探し出し、編集・公開した。プロでも頭を悩ませる超難解レベルだが、やさしい問題もわずかに含む。
参考 発陽論は2019年1月9日にも出題しています
今回新設したカテゴリー「★古典の小径をゆく」では、われらの身の丈に合わせた問題、比較的やさしい問題を取り上げていくつもりです