「お疲れ様です。」
もう12月30日です。
明日は大晦日?嘘ですよね?
月日が経つのが速すぎて日々の記憶の半分も覚えていない様な気がします。
今回は、知り合いに「あの~、中に紙を挿める本を作る事が出来ますか?」と問われまして。
全く意味が解せなかったので「詳しく説明を、お願いします。」といった、やり取りの後に
話を聞くと、退職される方の為に本の形態の寄せ書きを募りたいが、人数が多く部署等も
多岐にわたるので、本のまま廻すと紛失や誰が書いて、誰が書いていないかが分からなく
なるので個々に寄せ書きをして貰う用紙を配布し記入後に回収し、
本のページに糊付けをしたいと言った依頼でした。
「あぁ~台紙みたいな本を作れば良い訳ですね?」
「???、、、普通に何もプリントされていない本を作って貰えれば良いのですが、」
「配布した用紙を頁に貼り付けるんですよね?そうしたら普通の製本では貼り付けた用紙の厚さで
本が開いてしまい閉じる事ができませんよ。」
「???、、、お任せします。」
上記の様な、やり取りがありましてページに用紙を貼り付けられる製本をしてみました。
依頼内容はページ数74ページ、ページごとにコピー用紙と同じ斤量(紙の厚さ)の紙を貼り付ける為、
それに見合った仕様での製本、中本のサイズは105x148の文庫本サイズ
表紙は余っている物を活用して欲しいが、退職者は「紫色」が好き。
といった具合です。
今回は「二つ折の全糊丁合」という形式で製本をしてみようと思います。
画像がないので(また撮るのを忘れました。)簡単に説明します。
用紙を二つに折り、折った用紙の外側に糊を全面に塗布して貼り合わせをして重ねていく丁合方法です。
「絵本製本」なんて呼ばれ方もして、180度ページが開きます。
今回は二つ折にした内側に寄せ書きをした用紙を貼り付けるので用紙2枚分の空間が出来る様にします。
通常はただ用紙を折ればいいのですが、上記の事を踏まえ「筋押し機」で用紙にスジを入れ折っていきます。
「筋押し」とは、簡単に言えば用紙に凹凸の付いた折目を入れる事です。
分かりづらい、、、表面に凸のスジがついています。
少しは分かるでしょうか?用紙に凹凸が出来ています。
スジの凸が内側に来るように折ります。
(ピンクの用紙は画像で、分かりやすくする為で、本番は白の用紙を使用しています。)
この時にコピー用紙2枚分相当の斤量の紙を間に挟み丁合をしていきます。
丁合後には三方断裁(化粧断ち)をして中本は完成です。
(また画像忘れています。)
でっ!表紙なのですが、紫かぁ~
以前、「御朱印帳」を作った時に薄紫の桜柄の刺繡生地があるのですが、
「紫!」って感じでは無いので、悩んだ時はいつもの様に100均へ
紫のトーン違いのフェルトの生地が売っていました。(画像では大分色が違っています。)
表紙ではフェルト生地等は使った事がないのですが、どんな感じになるか試しにチョイスしました。
フェルト生地の裏側には紙を貼ってから作業をします。
「裏打ち」「裏貼り」何て言い方をします。
表紙生地・平の出生地・表裏ボール材・背材等の材料を用意します。
表紙が完成しました。
表裏の生地を敢えて色違いにしてみました。
「御朱印帳」の時に使ったベルトを今回も使ってみました。
ギボシ(擬宝珠)が100均から無くなっていて数件さがしましたが入手できず!
以前、作った御朱印帳の余りから、こちらに移植しました。
完成しました。(必要なのは1冊ですが私の趣味なので、もう1冊はストック用)
右側の本の方が上品な出来栄えの様な気がするので、そちらを渡します。
フェルトの優しい手触りと質感が中々良いと思います。
冬場で寒いからそう思える?夏場だったら使っていない(考え付かない)素材だったかも知れません。
ページの間に挟んで製本作業をした茶色い紙がコピー用紙2枚分の斤量なので
これを外して寄せ書きをページに貼ればOKです。
(寄せ書きの用紙のサイズは中本サイズの105x148より小さい
102x144位になっていると思います。)
たまに、この様な変わった依頼が来るのですが、私の趣味なので金銭は発生していません。
だからこそ材料等もセオリーではない物を使えたり、自由に作れるので私自身が楽しんでいます。
今回も楽しめたのでOKとします。(ギボシ何処かで売ってないかな~!)
「お疲れ様でした。」