忘憂之物

鳩山氏、雨がっぱで反原発デモに…拡声機握る(読売新聞) >2012.7.20


    




鳩山氏、雨がっぱで反原発デモに…拡声機握る(読売新聞) - goo ニュース

<民主党の鳩山元首相は20日夕、関西電力大飯原子力発電所(福井県)の運転停止を求める市民グループらが首相官邸前で行った抗議活動に加わり、「この時点での再稼働はやめるべきだと私も思っている」と訴えた。

 小雨の中、雨がっぱ姿で表れた鳩山氏は、「再稼働反対」とシュプレヒコールを続ける参加者と握手をして回った。その後、拡声機を握り、「皆さんの新しい民主主義の流れをとても大事にしなければならない。首相を経験した、官邸にいた側として、皆さん方の声を官邸に伝え、政治の流れを変える役割を果たさなければならないと思って来た」と語った。

 鳩山氏はその後、首相官邸を訪れ、藤村官房長官と会談。野田首相が抗議行動の主催者と面会するよう要請した>









いまから四十数年前、NWAタッグリーグ戦の決勝、アントニオ猪木は星野勘太郎と組んでニック・ボック・ウィンクル&ジョニー・クインと60分1本勝負を戦った。1本目を取られた星野勘太郎が水を飲もうとすると、猪木は「水を飲むな!」と一喝する。プロレスファンならよく知る、伝説の「水事件」だ。

現在は「スポーツ生理学」の観点から、激しい運動を行う際は適度な水分補給が必要、というのが常識だが、その昔は真逆のことが信じられていた。星野勘太郎は結局、水も飲まずに60分時間切れからの延長戦を戦い、猪木と共に72分9秒の試合を制して優勝した。

それから数年後に私は生まれ、10年と少しが過ぎるとラグビー部に入部した。毎朝夕、来る日も来る日も筋トレさせられた。当時の教師は「自分で無理だと思ったら止めるように」などという冷酷、無責任な指導ではなく、自分の限界を感じてから「その先がチカラになる」という真心ある熱心な指導だった。へばると容赦なく怒鳴りつけられ、殴られ蹴られた。いまならワイドショーが飛んできて校長は土下座しても許されない。

腕立て100回とか腹筋100回とかを数セット。スクワットも100とか300とか。全員がプロレスラーを目指すわけでもない、そもそも、およそ13歳の子供にさせる必要があるのかどうか、疑問を抱く余裕もなく、それが終わると暗くなるまで走らされる。校内のグラウンドのときもあったが、何度か近くの川の土手まで行った。炎天下の中、何時間も走らされた。倒れたり、吐いたり、動けなくなったら日陰で転ばされた。だれも「練習している」なんか思っていなかった。ただ、毎日「しごかれている」と思っていた。いまなら共産党の事務所を見つけて「助けてください」と飛び込んでいるかもしれない。

その出発の際、我々一年坊主はトイレに行くことを許された。水道の蛇口が頭に浮かんだ。みんな蛇口の下に顔を入れて上を向いた。流れ出る水流の横から大口を開けている者もいた。野蛮だし、品がないし、どちらも上手に飲めない。育ちがよろしい私の場合は先ず、右手の小指を蛇口に回す。それから左の掌をそっと右手の下に添える。軽く握った右手親指からは湧水のように水道水が溜まり溢れる。そこに静かに口を付けてごくごくと喉を鳴らす。エレガントな東大阪の下町風だ。

星野勘太郎が21歳年下の獣神・サンダ―ライガーと試合をし、脱水症状で動けなくなったライガーを倒して悠々としている頃、まだまだ運動部の常識は「練習中、水を飲むな」だった。「うさぎ跳び」は膝を壊すとわかったけれど、まだ「クーラーは体に悪い」とか言っている時代だった。だから「日射病」はあっても「熱中症」などという言葉もなかった。

「日射病」とは「熱射病」の「太陽光の熱源を原因としたもの」に分類される。それから「熱射病」は「熱中症」の症例のひとつになる。脳血管性とかレビー小体型とかある認知症を総じて「アルツハイマー」と呼んでいたのと同じだが、ちょっとだけ不思議なのは、例えば先月、熱中症で病院に救急搬送された人は全国で1837人。これが多いか少ないかはともかく、昨年の同時期をみると6980人とある。実質、73.7%の減少だ。ちなみにその前年になる2010年は2276人。今年の数字を見る限り、まあ、こんなもんだろう。

異常なのは昨年だ。これは言うまでもなく東日本大震災があった。それから原発事故。テレビは今年よりも節電節電と、エアコンの1.7倍の電力を使用しながらうるさかった。西日本でやれることは義捐金とボランティア、それから節電くらいしかない、ということでエアコンの温度を上げたり切ったりした。簡単に考えれば、ああ、そうか、節電してエアコンを切ったから熱中症が増えたのか、でお仕舞いだが、それなら私が中学生の頃、水も飲まずに走らされるのが普通だった頃、どれほどの熱中症患者が病院に担ぎ込まれたのかと不思議に思うに、これがなんと半分以下(1985年・2010年比)だった。また、これも当然なのだが、ほとんどが高齢者だった。つまり、この最近で子供や普通の大人が「暑い」と倒れて病院に担ぎ込まれるケースが急増している。

いまは「こまめに水分補給をしましょう」ということで、仕事中に水を飲むのも許される。学校の机にペットボトルを置いていても叱られない。エアコンもずいぶん良くなった。地球温暖化やヒートアイランドとは言うが「夏が暑い」のは今に始まったことでもない。つまり、これは「テレビの影響」も十分考えられる。夏が暑いのは当然だが、これをテレビでも職場でも、公共機関でも「気をつけましょう」とやれば、少々、大仰になる。生徒が「頭がふらふらする」といえば、以前なら保健室で寝かせるか、家に帰らせるか、それとも仮病を見抜かれたりした。しかしいまは「熱中症対策」を問われる。学校や企業は余計に気を使う。小さな子供は決まった時間に何度か水を飲まされる。

いや、たしかに「暑い」のに無理していたら体によろしくない。2年ほど前の夏、私も宇治川の堤防で本を読んでいたら目の前が暗くなって、頭がくらくらしたこともある。いま思えば「日射病」だ。年も感じたが(笑)、なんとか自動販売機の前に辿り着き、冷たいドリンクを飲んで冷房の利いた車に乗り込み、少し休んでいると復活した。みんながみんな星野勘太郎じゃないんだから、暑い中、無理をしているとぶっ倒れることもある。しかし、ひと月だけで七千人は倒れ過ぎだ。中には「熱中症かも」という程度の人もいたのではなかろうか。「熱中症」を知らなければ「暑いから調子悪くなった」と自覚し、何か飲んで日陰で休んでいた可能性はないか。つまり、過剰反応による逆転現象だ。



ところで、妻がテレビで「若年型アルツハイマー」をみたとかで、私にちょくちょく「認知症かなぁ」とか言ってくる。聞けば「物忘れがひどい」とのこと。ちょっと心配して詳しく聞くと、家に帰ってからカギをどこに置いたかわからなくなる、などと言った。私は「家のカギを見て、それが“なんのカギか”わからなくなるまで大丈夫」と言っておいた。施設にいる認知症のホンマモンは、パソコンのマウスを片手に「もしもし?」とやる。朝のテレビ画面、アナウンサーが「おはようございます!」と言うと、その前に座る数人が「おはようございます」と反応する。映っているのか、そこにいるのか、そんなことはどーでもよくなっている。舐めてはいけない。ホンマモンはレベルが違う。

我が妻の場合もばっちり、これも残念無念ながら「テレビの影響」だ。テレビは「あるある!!そういうことあった!」という事例を探してきて脅す。ガスの元栓閉めたかしら?この芸能人、顔は知ってるけど誰だったかしら?という主婦をドラマ仕立てで並べる。誰でも心当たりがあるから心配になる。視聴者を不安にさせる。そうでなければ誰も見てくれないからだが、真面目な顔のアナウンサーが「ほら、いま、テレビを見ているあなたも認知症かも?」と真面目に問われれば怖くもなる。「毒電波」と呼ばれる所以だ。

そんなテレビの毒がまわっている妻は納得しない。「最近、ホンマによく忘れるの!」と怒っている。数分後、ところで何を怒ってたの?と問うて覚えているかどうかは怪しいが、ともかく、妻には「物忘れ」を怖がる前に「物覚え」をちゃんとしなさいと付け加えた。この場合もそう。家のカギをどこに置いたのか「忘れた」のではない。「覚えていない」のである。覚えていないなら忘れようがない。結果、わからなくて当たり前だ。テレビはこれを意図的に混同させ、誰にでもあるようなことで脅かすわけだ。

妻に問う。我が家の電話の左横にあるモノを答えなさい。妻は「レターケース?」と不安げに答える。正解。では上の引き出しから開けていこう。いちばん上は?いちばん下は?妻は「知らない。覚えていない」と墓穴を掘る。そうでしょう、これを「忘れた」とは言わないでしょ、と説明する。妻の場合はそれよりも「目が悪くなったかも?」で「双眼鏡がほしい」と言ったり、適当に言語を扱うから「あねごのサボテン」を「あなごのごぼてん」と言ったりする方が心配だが、ともかく、テレビでやっていたら、なんでも「その気」になってくることは気をつけたい。「認知症」とか「熱中症」とか「脱原発」とか。



―――さて、ここにいくら暑くとも倒れるわけにはいかない連中がいる。脱原発デモだ。熱中症で倒れたら「ほらエアコンが必要でしょう」と電力会社が勝ち誇ることになる。また、この人らの何人かは山本太郎みたいなのに騙されている人だ。山本太郎は「このままなら国に殺される」と物騒なことをテレビで言う。子供さんを被曝させてもいいんですか?と問われて、ええ、まあ、別に、と答える母親などいないから、とりあえず反対に反対する理由はないことになる。あとは「脱原発」の皮をかぶった「反核」の連中。これは「核兵器根絶」をなぜだか核兵器のない日本にだけ言う不思議な連中でもある。

それからデモの中身をよく見ると、いろいろと具合の悪い連中も混じる。社民党や共産党の政治家もいるし、憲法9条がどーしたとか、人権がどうの差別がこうの、女性の権利がこーしたという連中が混じる。この連中が旗を振り、人々の不安を煽ってから、自民党と大企業の悪口を刷り込み、その帰りには「慰安婦」とか「南京虐殺」をお土産にする。

要するに安モンのメディアと同じ、反日と売国のマルチ商法だが、この集団には鳩山政権時代、原発増設・推進を盛り込んだ「地球温暖化対策法案」を閣議決定した際の消費者・少子化大臣もいた。福島瑞穂だ。もちろん、我らがルーピーは「地下原発推進議連」の顧問である。これが「みなさんと思いは同じ」と叫べば歓声が上がったという。「物覚えが悪い」のか「物忘れがひどい」のか、それとも「ルーピー型」なのか。

コメント一覧

久代千代太郎
>あきぼん殿

「ちゃんとした人」は国有地を占拠したり、道路を封鎖したりしませんよねw

大江も困ったもんですが、坂本龍一は日本に住んでから言ってもらいたいもんですな。
あきぼん
今回のデモ、田中秀征氏いわく
旗振りが大江健三郎や坂本龍一などの
「ちゃんとした人」がやっているので
ごく普通の人が沢山集まったらしいですよw
センスのない冗談ですよね





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