米国の北朝鮮敵視に「超強硬措置で対応」と警告(読売新聞) - goo ニュース
＜【ソウル＝門間順平】朝鮮中央通信によると、北朝鮮国防委員会は２９日、北朝鮮に対する米国の「敵視政策」に、「超強硬措置で対応する」と警告する報道官声明を発表した。
声明は、北朝鮮が６月中旬に国内で逮捕した脱北者男性が自供したとされる、米国による、 金日成 ( キムイルソン ) 主席の銅像爆破計画を批判。「米国が、遠く離れているから安全であると考えるなら、これほど愚かなことはない」などとしたが、具体的な「超強硬措置」の内容については言及していない。
北朝鮮が主張する「銅像爆破計画」を巡っては、北朝鮮外務省も２０日、「核問題を全面的に再検討せざるを得ない」との報道官声明を出している＞
台北にある中山公園。中には「國立國父紀念館」があって孫文の銅像がある。銅像は高さが8.9メートル。リンカーン記念館の銅像より3メートルほど大きくした。妻は「でかいオッサンやなぁ」と感心していたが、それでもまだまだ遠慮しているほうだ。金日成広場の「金日成像」は22.8メートル。お台場のガンダムでも18メートルだった。これは奈良の大仏よりもでかい。さらにその横には228体の革命軍の像も設置される。湖南省韶山にある毛沢東でも3メートルほど。中に人が入って動かすわけじゃないんだから、実在した人物、あんまり大き過ぎるのもみっともない。
三笠公園の連合艦隊司令長官・東郷平八郎像も等身大くらいか。比して今をときめくロンドン五輪。その中心部にある「トラファルガー広場」にはネルソン総督の銅像がある。これは東郷さんのように普通に立っているのではなく、巨大な円柱の上に立たされている。ネルソン提督は5.5メートルとリンカーンレベルだが、円柱の高さは英国人の感謝の気持ち、ということで46メートルも高くなってしまった。だから広場に入ると提督が見えない。
ネルソン提督の「英国は全員がそれぞれの任務を全うすることを期待する」は有名だ。しかし、これは書かれたものではなく、話した言葉でもなく、艦船ビクトリーのマストに掲げられた旗による「信号」だった。フランスとスペインの連合艦隊はこれに敗れた。トラファルガー海戦だ。その100年後が東郷さんの番だった。「皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ」としてバルチック艦隊を殲滅した。東郷さんが「東洋のネルソン」と言われた所以だ。
ま、比べるのもアレだが、金日成が残した言葉は「英雄的朝鮮人民軍将兵諸君に栄光あれ」という悪者のボスみたいな言葉だ。旧ソ連の軍歌にも「スターリンに栄光あれ」があるし、ゲルショッカーのゲル将軍（正体はヒルカメレオン）も「ゲルショッカーに栄光あれ」と言って爆発して死んだ。あまりイメージはよろしくない。
しかし、北朝鮮が「銅像爆破計画」とか馬鹿を言うのは（金一族の）独裁者の自覚があるから。アメリカは時の権力者の銅像を引き倒す癖があると知っているからだ。スターリンもいなくなった。各地で引き倒されたからだ。いまは生まれ故郷のグルジア、ゴリという街の広場にあるだけとなった。最近ではフセインが引き倒されていた。日本が敗戦したときも巨大な先帝陛下の銅像でもあれば引き倒すつもりだったが、これが、まあ、ない。
御嶽山の「神武天皇像」を壊しても仕方ないし、明治天皇陛下の銅像が昨年、静岡県袋井市久能の「可睡斎」から出てきたが、これも55センチだった。つまり、日本で大きい銅像とは仏像くらい。茨城県には牛久大仏があるが、これはブロンズ立像としては世界最高の120メートル。支那の海上観音聖像より、ロシアのピョートル大帝像より、アメリカの自由の女神よりも大きい。まさに金日成像を踏み潰すほどの大きさだが、こんなの引き倒したら野蛮人だと世界にばれる。
独裁するような小心者は虚勢が大切。だからその象徴は大きく、日本のアイドルが巨大風船の広告になるが如く、ともかく大きく大きくする必要がある。だから北朝鮮の国防委員会、報道官も「爆破計画」とか、漫画じゃあるまいし、笑われる覚悟で言う他ないが、鳩山会館には鳩山一郎の銅像がある。ロシアから送られたものだ。大きさはともかく、そんなみっともないモノは一族だけで楽しむに限る、と鳩山由紀夫でも知っている。