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忘憂之物

<信金立てこもり>「内閣退陣、32歳に訂正」謎深まる言動




<信金立てこもり>「内閣退陣、32歳に訂正」謎深まる言動

<豊川信用金庫蔵子(ぞうし)支店(愛知県豊川市)の立てこもり事件は23日未明、店内に突入した特殊捜査班「SIT」隊員が長久保浩二容疑者(32)を逮捕、人質4人も無事保護し、発生から約13時間ぶりに決着した。一方、職員らを盾に「内閣退陣」などの不可解な主張を繰り返しながら、県警との間で巧妙な駆け引きを続ける冷静な面も見せた長久保容疑者の言動を巡っては、謎が深まるばかりだ>









自衛隊がイラク、サマーワに行ったとき、朝日新聞は自衛隊の駐屯地の見取り図を載せた。自衛隊は朝日新聞の正体を知るから、あまり詳しく教えなかったのが幸いして、迫撃砲が飛んできても被害は出なかった。朝日新聞は自衛官に死傷者が出るようにと、どこに何があるのか、どこを狙えばいいのか、兵力はどのくらいかも書き、御丁寧に駐屯地基地内の見取り図を作り、詳細な記事を載せてアルカイダに味方したが効果はなかった。

今回の愛知県豊川市の豊川信用金庫蔵子支店で起きた「立てこもり事件」も日本テレビが生中継、建物の周囲に張り巡らされた規制線も、捜査1課特殊班「SIT」の様子までお茶の間と犯人に届けた。カメラは信金裏で待機する捜査員、捜査関係者もお届けした。アナウンサーも困惑して「あぁ・・・この映像は流していいのでしょうか」とコメントした。

捜査員の人数はこうで服装はコレです、犯人さん、騙されないでね、ということだった。でも、犯人はただのポン中(と思う)。そういうことが通じたかどうか。

この馬鹿はメディアに「50代」とされると「32歳だ」と訂正を求めたとか。この腐った自尊心、身勝手さは1979年の「三菱銀行人質事件」の梅川昭美に似る。梅川は当初、メディアが「テルミ」と誤報したのを「アキヨシ」と訂正しろと要求した。強盗目的で銀行に立てこもりながら、自分の名前を読み違うなと憤るのは変質者である証左だった。

梅川が撃ったのは「ニッサン・ミロク社製」の猟銃だった。なぜに猟銃を持っていたか。それは住吉警察が許可を出していたからだった。梅川は15歳のとき、広島県大竹市栄町の土建業者宅に押し入り、家人の妻(当時23歳)を殺して現金や株券、通帳を奪った。殺された奥さんは6か所刺されていて、無数の殴打を受けていた。「大竹市強盗殺人事件」だ。

梅川の面倒を見た少年院は<このような資質の少年を社会に放任することはきわめて危険であり、積極的に規制する必要がある。この病的な人格はすでに根深く形成されており、矯正は困難であり、些細なことで反社会的行動や犯罪に結びつきやすく、累犯の可能性が極めて高い>と鑑定した。またやると。

15歳当時の梅川。犯行動機は「なんでオレばっかり貧乏しなければならないのか」だった。この発想は危険極まりない、とわかる。事件も凄惨だった。成人なら死刑か無期懲役。いずれにしても極刑は免れない残虐な事件だったが、そこは少年法でよろしくと、梅川は1年半ほどで社会に放り出される。それから大阪で猟銃を購入する。住吉警察は難癖付けて許可しないとか、なんかあったはずだと思うが、これまたあっさりと「少年時代の殺人歴」と「銃刀法第5条」の不許可条項には該当しないとして許可を出した。不許可にすれば少年法第60条に抵触するから、と。梅川はその猟銃で警官2名、行員2名を射殺した。

今回の信金立てこもりの容疑者、長久保浩二は「野田内閣は退陣しろ」と叫び、籠城の段取りがよかったとか、県警との交渉が冷静だったとか、持ち上げられて「なぜ?」ということで動機の判明が待たれるという。そうだろうか。

梅川の場合もさっさと5千万円だけ奪って逃走するはずが、逃げ出した客が偶然、自転車で警ら中の楠本正己警部補をみつけて助けを求めたから、予想外に早く警察官が到着している。梅川は楠本警部補の威嚇射撃にも怯まず、逆に顔と胸を撃ち抜いて殺害している。パトカーで駆けつけた警官のひとりも射殺し、緊急配備から2分後、武装警官320名が銀行を包囲するころには人質をとって籠城している。実に「冷静」「沈着」ではある。

梅川の自宅からはヒトラーやムッソリーニ、スターリンの伝記も出てくる。大藪春彦の小説やら経営学、医学関連の著作、合わせて数百冊も出てきた。読書家だった。つまり、長久保が「野田内閣は退陣しろ」と言っても不思議でもなんでもない。狂った頭の中に「知識の断片」が混じる。被害妄想と自意識過剰がぶつかり合い、被害者意識だけが肥大化する。自分は悪くない、社会が悪い政治が悪いとなるのもお約束だ。ポン中の頭の中、今回は「野田内閣」だった。それだけだ。

行員の服を脱がせたりするのも同じ。喰い物を要求するのも同じ。梅川はステーキにワインだった。ワインは「シャトー・マルゴー」を要求している。ただ、長久保の凶器はサバイバルナイフとカッターナイフだった。そこらのゴロツキと同じ武装だった。

マスコミは「深まる謎」とせねば視聴者が見てくれない。しかし、それは立てこもり犯に資する生中継と同じ、相手を喜ばせるだけのことだ。謎なんか深まらない。ちょろっと勉強して分かったつもりの馬鹿は馬に喰わせるほどいる。梅川も消費者金融に借金だらけ、どうしようもない状態だった。いろいろと本を読んでいても足元がふらふらだった。

信金に立てこもるほどの体力がありながら社会の役に立たない。どころか迷惑をかける。メディアは「こんな馬鹿がいました。でも捕まりました。女の子が腕に怪我をしました。50代に見える老け顔の長久保とか、射殺されればよかったですね。気持ち悪い」でよろしい。長久保ももう少しだけ頭が良ければ「野田内閣」がどうしたではなく、安倍晋三は辞任せよ、と言うべきだった。それなら朝日新聞が「自民党政権の犠牲者」とか庇ってくれた。「安倍氏はこれにどう応えるのか」とか、また社説で素っ頓狂をやったのに。
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