忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

高市氏「明らかに正確ではない」国会答弁は「前夜にやりとり」

2023年03月10日 | 随感随筆



立憲民主党の安住淳が国対委員長をしていた2020年、衆院の会派控室のドアに新聞各紙が貼り付けられて、そこに「すばらしい!」「クズ」「出入り禁止」などが赤い文字で書かれていた。ちょっとした騒ぎになったが、安住は国会内の記者会見で「私どもで毎日、各紙の政治面を見ながら論評を加えていたのだが、ちょっと調子に乗り、そのまま張り出した。ほんの冗談のつもりだった」と説明した。

まるでネットの落書き。大の大人が「クズ」というだけの貧相なコメントをして「論評」だ、と言うのは立憲だから仕方ないにしても、これが我が国の野党第一党の国対委員長かと、さすがに低レベルが過ぎて、今更ながら多くの国民も呆れた。

「すばらしい!」をもらったはずの朝日新聞ですら照れながら苦言を書いたが、もし、これを書いて貼っていたのが自民党、森山国対委員長で「売国機関紙」とか、朝日新聞を評していたらマスコミは許したかどうか、考えてみるまでもない。

そしていま、安住は「小西文書」の騒ぎをして「高市大臣か総務省か、どちらかが嘘をついていることになる。高市大臣は責任を取って議員辞職すべきだ」とのことだ。共産党の小池晃も参院本会議場で高市大臣に向けて「自らの言明に従い、議員を辞職すべきだ」と乗っかった。立憲と共に国会で追及していく、とか鼻息が荒い。統一地方選、また立憲共産党として大いに負けてほしいところだが、これでまた、高市大臣が辞職するまで審議に応じないとか、仕事をしない言い訳もできた。

立憲の米山隆一も小西を擁護するが、そのツイートでは「法律用語と言うか最早一般用語で、権限のある者によって作成された概ね正しい(荒唐無稽でない)文書は真正な文書で、「内容が不正確」位な事で「捏造」にはならないんですよ…。流石に元総務大臣が知らないはずはなく「捏造」発言こそ「虚偽」となります。辞職相当でしょう」と書いている。

公文書の「内容が不正確」なことを「くらいなこと」として「捏造」にはならないんだそうだ。ちなみに「ハッピーメール」のキャッチは「会うたびに、恋に落ちる」だそうだが、そのあとに「出会える確率は75%」ということだから、つまるところ「25%は恋に落ちないじゃないか」と文句を言うのも野暮な話だということか。米山氏くらいの大物になると、そんな些末なことどうでもよろしく「概ね正しい」と納得して数万円で買春もするのだろう。さすがである。

ま、いずれにしても「表現の自由」だの「報道の自由」だのと喧しいが、高市大臣はべつに「サンデーモーニング」をクズ呼ばわりもしていない。騒いだ本人の小西は記者会見で「国民の放送法が一部の権力者によって都合のいいような解釈に私物化されている」ことを問題だとしたが、一連の「モリカケサクラ騒動」もそうだが、実際、そうなっていると認識している国民はどれほど存在するのか。「放送局に圧力をかけた」も結構だが、その「圧力」とやらは効果があったのか大いに疑問である。

しかしながら、せっかくの「騒ぎ」だ。だから松本総務相も「文書は総務省が出したものだ」と明確に述べてから正確性と経緯などを「精査する」と言っている。それなのに小西は「よろしく頼む」ではなく「その内容の正確性や作成の経緯などを精査するなどとしているが、総務省最高幹部らが作成し共有していた一連の文書の正確性などを精査するのであれば、それは総務行政の否定に等しい。これ以上の国会審議の妨害は許されない」。

つまり、調べるな、と言っている。精査などせずに高市大臣は議員辞職しろと言う。これが通るなら、気に入らない大臣の首なんぞはいつでも飛ばせる。政権取る気なんぞ毛頭ないのは知っていたが、その「支持者」「擁護者」も心配になる。もはや意図的に悪意をもって騒いでいると信じたい。まさか本当に「不正確だと言うなら証明してみせろ。できないなら認めて辞めろ」が正しいと考えているとは信じがたい。

要すれば常識的な話だからだ。「悪魔の証明」は左巻きの常套手段だが、実にこれも悪質である。屁理屈こねて複雑化、いや、猥雑化させて対象者のイメージを下げる。相手が首をかしげていても勝利宣言を繰り返して、なんとなく見ているだけの人に悪影響を与える。どうせ、もうすぐ「街の声」もやる。「総務省が文書は本物だと認めましたが、高市大臣は不正確な部分がある、と言って大臣も辞任しません。どう思いますか」くらいの「声」を集めて「潔くない。辞めるべき、が7割を超えました」とかやる。いつもの手だ。

常識的に考えれば、当事者である本人が公然と「不正確である」と明言している。それなら突きつけた側が「正確である」ということを証明する他ない。警察が下手人をしょっ引いてくる。下手人は「知らねぇよ、オレじゃねぇよ」と白を切る。そこで警察が「やってないなら、やっていないという証拠を出せ」と言うなら、それはもう全体主義の怖い国である。だから小西は粛々と「証明」すればいいだけのことだ。

嫌われても腐っても公人たる政治家がSNS上、公然と「万死に値する」とまで断罪すべき悪い安倍政治の申し子、悪の女帝・高市早苗に対し、次々と「動かぬ証拠」を突き付け、正義に心を揺さぶられた勇気ある総務省職員が次々と指弾し、往生際最悪(日刊ゲンダイ)の高市大臣を観念させるべきだが、不思議なことに、そのお仲間らも揃って「証拠」にも触れず、ひたすらに大きな声で「高市大臣は捏造というなら根拠を示せ」と繰り返し無茶をやる。

そもそも本当に高市大臣を辞めさせたいなら、否定している本人にではなく、追及している側が立証責任を果たせば事足りる。私が小西の友人なら絶対にそうしろと言う。言い抜けを許さないように外堀も埋める。用意周到にて徹底的に追い詰める準備をさせる。本当に小西を応援するなら、そうアドバイスすべきだが、連中、それは絶対にやらない。ナントカのひとつ覚えで「高市大臣に挙証責任がある」で統一されている。実に不可思議だ。


8日の国会中継も酷いもんだった。地上波で生中継していなかったのも無理はない。あんなもの、ぜんぶ通して見られたら、そのあとのミスリードに差し障る。松本総務相の答弁だが、要すれば「文書を捏造する職員などはいないと信じている。しかしながら、この文書については正確性が確認できていない。事実認識にも齟齬がある。誠に遺憾である」と言っていた。すると、小西は「総務大臣が、捏造する職員はいない、と言った。それを捏造だと言う高市大臣は虚偽を述べている」と断じて辞任すべき、を言う。

小西の親御さんは子が可愛いならビンタすべきだ。50を過ぎているらしいが、こんなもの餓鬼の屁理屈以下である。つまり、巷の普通の人がこの議論を聞いていたら、悪意もヘチマもなく「は?」となる。言葉尻をとらえてでもない。解釈の相違でもない。単なるクレーマー理論だ。これをリアルタイムの国会質疑でやるか、と本当に驚いたが万死には値しない。元気で暮らせ。



ま、いずれにせよ、だ。

この件に限らずだが、小西本人はもちろん、これを無茶な理屈で擁護する連中に対する嫌悪感は、あの半島の下半分に似る。話が通じなくて、無駄に威圧的、攻撃的で、言葉が大袈裟でセンスなく、そもそもからして議論するつもりなどない。オノレの言い分を相手が認めるまで、オノレの要求が通るまで、被害者面して相手を誹るだけのことに血道をあげる。


いま、岸田政権は案の定というか、アメリカ民主党の指示のもと、韓国との距離を強引に縮めて日韓友好を演出している。自分都合の勝手な言い分は韓国も小西も同じだが、せめて日本国内におけるチンピラ、安モンのクレーマーくらい、さっさと出入り禁止にできないか。





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