忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

内閣支持21.3%、最低更新=自民も下落19%―時事世論調査

2023年11月18日 | 随感随筆




今年の文藝春愁「新春特大号・創刊100周年」に林真理子が文章を寄せている。ちょうど日大のタックル問題のあと、林真理子が理事長になった少し後くらい。中身を読むと坂上忍と同じようなことを書いていたが、言いっ放しの坂上とは違い林真理子は「当事者」になった。

中身は田中理事長をはじめとする「マッチョ体質」や「専制的な組織体制」の批判。それから「女性が少ない」。だから「大胆な改革が必要」とのことで22名の理事のうち9名を女性にした。女性課長も3名追加。「秘書課」は「秘書室」に変更した、と威張っていた。

また、いままでは来客があれば秘書課の女性秘書がお茶を出していたと問題視し、秘書室に「お茶汲みの禁止」を通達して給茶機を設置。「飲みたい人が自分の分を用意する。こういう当たり前のことができていなかった」として「時代に逆行しているようで気になっていた」という。しかし、来客には基本的に水のペットボトルと紙コップを出すようにしているが、それでもまだ、お茶を淹れて出しているかもしれません、と案じていた。そんなしょうもないことではなく、いま思えば、もっと他に案ずることはあった。

ちなみに林真理子は「新しい歴史教科書をつくる会」の呼びかけ人であり、安倍総理直轄の有識者会議「日本の美・総合プロジェクト懇談会」のメンバーだったりもした。昭恵夫人とも旧知の中で、マスコミは「安倍応援団の一味」と思っていた。

橋下徹なんかと同じく、2016年頃までは林真理子も真面な人だったのかもしれないが、日本維新の会、共同代表だったころの橋下徹も2013年、いわゆる従軍慰安婦を巡る発言について中国の外務省報道局長、洪磊副に「日本の政治家が公然と人類の良識と歴史の正義に挑戦したことに、驚きと強い憤慨を表明する」公式に批判されるほど真面なことを言っていた。

ちなみに同じ会見で洪磊副は高市政調会長(当時)についても「日本が過去といかに向き合うかによって、日本が未来に向かってどう歩むかが決まる」と批判している。当時、高市さんが「村山談話」に対して疑問を呈して左巻きのマスコミと野党が騒いだからだった。高市氏と同列で中国外務省の報道局長に名指しで批判される。実に名誉なことだった。

しかしながら、林真理子も橋下徹と同じく、いつからかおかしくなった。

勝手な推測だが、どちらもテレビコメンテーターの仕事が増えてから、いや、もしかすると変容してから増えたのかもしれないが、いずれにしても、お茶の間でよく見る顔にはなっていた。落ち目の芸人が左に巻く理由もこの辺にあるのかもしれない。

林真理子は2016年の「朝日ジャーナル」で島田雅彦との対談をしている。「若者たちの神々のそれから」という、どこから目線か不明な題され方だったが、その中で「旦那が右傾化している」との悩みを島田雅彦に伝えていた。

旦那が朝、朝日新聞を読んで「なんだこの記事は?朝日なんかもう取るな」と怒っているそうで、林真理子はこれを「産経新聞がネット記事を無料にしているから」と分析もしていた。暇で金のない老人は無料だからという理由で産経の記事を読む、知らぬ間に洗脳されて右傾化する、というのが大作家様の結論だった。左に巻くと阿呆になる、もしくは阿呆だから左に巻いていく、という証左か。

ちなみに、この島田雅彦というのは今年の4月、ネット番組で安倍さんの暗殺事件に触れ「こんな事を言うと顰蹙を買うかも知れないけど、今まで何ら一矢報いる事が出来なかったリベラル市民として言えば、せめて暗殺が成功して良かった」との人間のクズ発言が思い出される。さすがは日本共産党100周年記念講演会に談話を出すほどの筋金入りの共産党支持者である。

ともかく、朱に交われば赤くなるし、反日マスコミに交わればアカくなるのも間違いないようだ。そして利用価値がある間は持ち上げて、不要になったり、都合が悪くなるとすっと梯子も外して指弾し始めるのも反日マスコミの常套手段だが、持ち上げてほしそうなのはまだまだいる。いまなら杉田水脈議員の悪口言っていれば大丈夫だ。気の利いた悪口ならネットニュースにもなるし、テレビで顔を写してくれるかもしれない。

「嫌いなタレント第一位」は嫌かもしれないが、結果として売れているという事実も忘れてはならない。「知らないタレント第一位」は誰も知らない。そもそも需要がない。だから知られていない、忘れられているタレントは日本を腐して、せめて「嫌われよう」と必死だ。

しかしながら、政権はそうはいかない。時の政府、内閣が支持されていないなら、次の選挙で現与党が議席を減らす。政治は数、数は力ならば、それは組織全体の弱体化を示す。驚愕すべきは自民党支持率だ。この時事通信の記事によると19.1%とある。麻生政権末期でも22%だった。あのときの自民党員、支持者は怒っていたが、それでも「お灸を」と優しかった。つまり、いま選挙をやれば自民党の負け方は2009年よりも酷くなる可能性は高い。「お灸」ではなく、岩盤保守層の剥がれたところに業火で焼かれる。メガネは火だるまになる。

岸田を降ろしたら小石河連合が来るぞ、と脅す岸田フリークも結構だが、このままなら自民党が立ち直れないほどの深刻なダメージを負うと思われる。それに小石河ではなく、茂木でもなく、上川がくる可能性もある。安易な「初の女性総理誕生」で党勢回復、支持率上昇、なんとか政権与党であり続けられるかも、と考える輩は自公内に存在する。いざとなれば社会党と組むこともできる政党である。良くも悪くも「いろんな人材が豊富」なのである。

できるかできないか、難しいかそうでないか、はともかく、方向性ははっきりしている。アンチ岸田と岸田擁護派も「高市総裁誕生」に異論はないはずだ。自民党はともかく、いまの日本、高市総理が求められている。安倍さんのときと同じく、マスコミも含む「アンナヒトタチ」からの猛攻撃も予想される。岸田が街頭で応援演説しても「キシダヤメロ」「メガネハズセ」コールは聞こえない。このメガネはアメリカ民主党の好き放題、どーとでもなるからだ。



田中理事長がマスコミをスルーして車に乗り込む様子を、林真理子は「なぜこんな人が理事長なのか」と大いに批判していた。いま、林真理子はマスコミをスルーして車に乗り込んでいる。少しは相手の気持ちがわかったかもしれないが、岸田政権も不思議となかなか下がらない支持率がいま、マスコミから梯子を外されて下駄を脱がせられている。ネットではだれも驚いていない。ずいぶん前からSNSなどで支持率アンケートなどがあれば数%だった。

設立したばかり、まだ国政政党でもない「日本保守党」が大阪で街宣したら人も集まったが、消防車も救急車もたくさん集まった。「人が将棋倒しになっている」との偽通報があったらしいが、時事通信の記事など読まなくても、いま、日本国内で誰がどこに対して怒っているのか、それでどこが困っているのか、あれほどわかりやすい光景もない。

梯子も下駄も必要のない女性総理の誕生が待たれる。自民党の執行部の頭が真面なら、あの大阪の熱量を取り入れる方途を探すはずだ。ならば岩盤支持層は増えて戻るし、大阪で維新に一矢報いることができるかもしれない。逆にあの熱量がオノレに向かってくることも考えねばならない。有権者を舐めてはいけない。

大袈裟でもなく「高市総裁」の誕生は日本最後の希望かもしれない。




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