忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

ウクライナ侵攻を理由に憲法改正を叫ぶ政治家の発想は「必殺技の名前叫ぶ漫画と同じ」引っ越し…

2022年05月08日 | 忘憂之物






メーカー主催の説明会に行く。たくさん人がいるから、やあやあ、どうもどうも、と社交辞令しながら過ごしていると、少し離れた場所、頭が「カルデラ湖」みたいな禿げ方のおっさんがひとり、不機嫌そうにしているのが目に入る。

ちょっとした料理も酒もある。新商品なんかの説明も終わり、みんな談笑しながら適当なことを話す。ウクライナ情勢もあるし、円安の話も出るが、やはりというか、コロナの話も出る。もう、いい加減にしてほしいですね、みたいな感じだ。会場はもちろん、感染対策しているし、ここは日本だからみんながマスクもしている。私は普通に水道で手を洗ったが、ほとんどの人が消毒液を使ってもいたし、アクリル板もしつこいほど設置されてもいた。

私も適当に話を合わせる。日本人は同調圧力に弱いから、元来、清潔な民族だから、嫌がる人、気にする人がいるなら、と我慢してマスクをつける人もいるとかなんとか。すると、その場にいた年長者がアクリル板を指さして、これもほんと、どうにかならないもんですかね、と笑った。

居酒屋でカップルが座る。その前もこの後も濃厚接触は間違いない。しかし、居酒屋で酒飲む時間だけアクリル板で仕切られる。これに何の意味があるのか、と年長者は言う。「取ってくれ」と頼んでも「決まりなんで」と言われたら引き下がるほかないし、こっそり取ってやろうとしたらビスで固定されていた、とか嘆いていると、知らぬ間に「カルデラ湖」が近くにいて、まあまあの場違いな怒声で「コロナ、なったことありますか?」と年長者に問うた。

私も含めた数人のグループは戸惑ったが、年長者は「いえ、感染はしていないと思います」と応じた。カルデラ湖は「私は昨年、感染しました。死ぬと思いました。世間で言われているようなレベルではありません。あれは本当に怖い感染症です。何も知らない人らがそうやって、大したことない、と言っているのを聞くと我慢なりません。そういう人がいるから~~~」とやりだす。

私は初対面だったし、何人か「知る顔」がいたのかもしれないが、それでも仕事上の顔見知り程度、挨拶もなく割り込んでくる傲慢さに辟易した。たぶん、こんなのがマスクしたとかしないとかで知らない人を殴ったり、タクシーや飲食店と揉めたり、飛行機から降ろされたりするのだろう。

少々、ムカついたが「症状」を問うと、高熱に咳、鼻水に倦怠感、関節の痛みなど、最近めっきりみなくなった「風邪薬のCM」だった。「死ぬかと思った」とカルデラ湖は言うが、季節性のインフルエンザでも毎年、日本でも数千人以上が死ぬ。数年前に夫婦共に「A型です」と言われたときも死ぬかと思った。3日ほど寝込んで、1週間ほどしても調子は戻らなかった。ヘンな禿げ方のおっさんに言われなくとも、インフルエンザはきついものだ。

なんでも一絡げにするのは気が引けるが、こんなカルデラ湖みたいなのはどこにでもいる。要するに理論的ではなく、説得力も乏しく、強弁が目立ち、押しつけがましく、攻撃的なのである。放っておけばいいものを、殊更に「問題だ」として騒ぎだして攻撃、相手を屈服させようとする。マスクやワクチンと同じで、多くの人らは面倒だから「右に倣え」で付き合っているに過ぎない。

もちろん、それもよろしくはないが、やはり、圧力を感じるような連中とは距離を置きたい。アクリル板の必要性を話しているのに、コロナの恐ろしさも知らないくせに、とマウント取るのは、やはり、うっとうしいのである。

アニメを観ているだけの人は、そのキャラクターが「性的搾取されている」とか思わない。買い物に行って「お母さんの味」とかあっても「性差が強調されている」とか思わない。それに騒いで怒る人を見ると距離を置きたくなる。

「最近のテレビ、オカマキャラだけじゃなく、ハーフタレントも多くなったな」というのも「個人の感想」である。「韓国推しが酷い」と思うのも人の勝手なのだが、SNSなどでそんなことを書けば、たちまち変なのが湧く。たぶん、日本は右傾化している、安倍政権が日本をダメにした、韓国は日本の植民地でした、とかやれば、連中は「なかま」だと認識して去っていくのかもしれないが、要するにとてもうっとうしい。

憲法改正の議論もそう。

「平和憲法は日本特有。世界でも日本だけ。誇らしいから世界遺産に」とか言うのがいる。福島瑞穂などは「日本が戦後平和だったのは日米安保ではなく、憲法9条とそれを支えてきた市民運動」と言い切る。根本、且つ、前提がおかしいから話にならないのは、もう、四半世紀以上が過ぎて明らかだ。

「平和憲法は日本だけ」も基本的に間違っている。これをタレントやアナウンサーはともかく、政治家や政治学者などが意図的かどうかはともかく、危うい嘘を垂れ流してきたのが今の日本だ。例えば9条の1項などは1928年のパリ不戦条約や1945年の国連憲章に基づいている。「侵略戦争はもちろん、国家間の問題を武力で解決してはならない」というのは国際法だ。つまり、これを「遵守しない国がある」というのが問題であり、それが顕在化している(とされる)のが、いまのウクライナ問題だったりする。勢いもヘチマもない。

それだけのことを「ウクライナをダシにして戦争ができる国にしようと企てている」と騒ぐ阿呆が公党にいるから真面な国民は嘆いている。選挙も近いが、岸田自民に入れる理由も義理もない。たまには野党に、とみてみれば、志位和夫や福島瑞穂と一緒に集会に出て、憲法記念日に「ロシアより許せないのが与党」とかリップサービスしているのが立憲にいる。聞けばこれが野党第一党だという。岸田は笑い、有権者は頭が痛くなる。

表面だけをみれば、あるいは「西側報道」だけを見ていれば、国連の常任理事国でもあるロシアが「平和に暮らす親日なウクライナ」に突如として攻め込み、人権を蹂躙し、無辜の民を惨殺し、ジェノサイドも厭わぬ暴虐無人を行っているとされている。そんな恐ろしい暗黒皇帝プーチンロシアにある政党「公正なロシア」の党首、セルゲイ・ミロノフは「ロシアは北海道の権利を有している 」と真顔で言った。だから日本国民は「大丈夫なのか?」と極普通の不安を抱いている。そこに「9条があるから大丈夫です」は滑稽に過ぎる。

夜、早く寝ないとプーチンが来るぞ、と心配になって岸田政権をみるも「敵基地攻撃能力」という文言を「反撃能力」と呼ぶことにします、とか底抜けの呑気をみせている。ところで日本の軍事費、GDPの1%で大丈夫か、ほとんどが人件費だし、と不安を言うも連立与党の公明党、山口代表は「おおむね1%程度は大事にしていくべきだ 」とか。普通、おいおい・・・となる。

北朝鮮がミサイル発射を繰り返すと、日本政府も「地域や国際社会の平和と安全・安定を脅かすものであり、これは断じて容認できません。安保理決議違反であり、強く非難するとともに、抗議を行ったところであります。引き続き、米国等ともしっかり連携しながら、国民の安全のために万全を期していきたいと思います 」とコピペで対応する。半世紀近くも自国民を拉致されたまま取り戻せず、通告なしにミサイルをボンボン撃ち込まれても何もできない。「ミニストップの総売り上げ」ほどのGDPしかない弱小国家に舐められ続けるのも「憲法9条」のお陰様だと、日本国民の多くは気付いている。

そろそろ日本人はマスクを外して「声」にしないと間に合わない。北朝鮮やロシアだけではなく、日本の納税者に対して「経済制裁」する連立政権も経年劣化、慢性疲労で使えない。中にヘンなのもいるし一度、解体して整理する必要がある。無論、政治家は国民の写し鏡だ。政治家のレベルは国民のレベルでもある。それに今回は「自民票の受け皿」がある。演説に集う聴衆の熱気は本物だ。どんどん増えている。近くに来たら私も行く。知った顔もいる。

自民と一蓮托生も大袈裟ではない。日本国民にも気絶するほどの痛み、ショックもあるが、これは日本を丸ごとパクられた2009年とは違って回復するための「荒療治」かもしれない。このまま放置は死ぬかもしれない。もしくは、あなたやあなたの子供や孫が社会に出るとき、上司や先輩、社長やオーナーは日本人ではなくなるかもしれない。マスクや消毒液と同じく、挨拶は「ニイハオ」になるかもしれない。コンビニで買い物したら店員から「シェイシェイ」と言われることも定着しているかもしれない。うっかり「おはよう」と言ってしまってから「まだ慣れないね」とか笑う日が来るかもしれない。


ともあれ今度は「自民にお灸」のレベルではない。なんとかマスクに言われなくとも、日本国は未来永劫続いてほしい。だからこそ「お灸」ではなく、ともに大火傷する覚悟を示す夏にしたい。





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