忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

ウクライナ、戦争犯罪の疑い8600件特定

2022年04月29日 | 忘憂之物






ニュールンベルグ裁判で裁かれたのはナチス、ゲシュタポ、ナチ親衛隊、ナチ保安部隊。つまり、ドイツ国家は裁かれていない。いわゆる「A級戦犯」もひとりだけ。ナチスの副総裁だったルドルフ・ヘスだけだった。連合国はニュールンベルグ憲章を公表して「平和に対する罪(a)」で公判を行うも、ドイツの弁護団から「事後法を遡及適用するとは正気か」と反撃にあい断念、メインを「人道に対する罪(c)」に切り替えた。

比して日本の「東京裁判」では日本国家が加害者だった。事後法のいちゃもん「平和に対する罪」で裁かれたのは15名。通常の「戦争犯罪(b)も含めて裁かれた(a+b)のは9名。ちなみに(b)のみで裁かれたのが松井石根大将になる。罪に問われたのは、未だに田嶋陽子などが大きな声で誹る、いわゆる「南京大虐殺」だ。ブチャでも遺体はその辺に転がるが、遺体どころか、いまでも骨一本出ない罪で松井大将は死刑にされている。

いわゆる「A級戦犯」として有罪判決は25名。7名が絞首刑。16名が終身刑。あと東郷茂徳が禁固20年。重光葵が禁固7年だ。「BC級戦犯」として死刑にされた日本人は1000名を超える。容疑者リストにより逮捕された日本人、朝鮮人、台湾人は合わせて36529名(朝鮮人148名・台湾人173名)。

中身もしょうもなくて、有名な話だと「虐待された」はゴボウを喰わされたとか「拷問された」はお灸だったりした。「バターン死の行進」も戦後、日本人ジャーナリストの笹幸恵氏が実際に歩いた。マリベレスからサンフェルナンドの88キロだ。日本人女性が「栄養失調気味の私ですら踏破できた」と事実を言うと元米軍捕虜が怒って抗議声明を出した。たぶん、恥ずかしかったが、時の民主党政権、岡田克也外相は総理官邸で謝罪した。腰抜けの見本だ。

それにしても「死の行進」とは恐ろしいが、昭和17年に出版された「比島従軍記南十字星下」にその様子がある。著者の向井潤吉氏は写真も載せているが、重装備しているのは日本兵だけ。米軍捕虜はシャツ1枚に手ぶら。水分補給どころか、日本兵は「紅茶」を淹れている。まるでピクニックだが、これで米軍捕虜2000名が倒れたとして「捕虜虐待」だった。

米兵の体力が心配になるが、いずれにせよ、負けた日本は潔く、アメリカ、イギリス、オランダ、オーストラリア、フィリピン、中国、ソ連など世界各地で連合国の報復感情に付き合った。

中国では単に銃殺、絞首刑にしない。拷問してから市中を引き回して晒してから殺した。戦中の犯罪行為はダメだが、戦後はどうでもいいらしい。もちろん、取り調べも杜撰。証言があればアウトだ。「タナカ、という憲兵に拷問された」と訴えれば、どこかの日本人が捕まって面通し。「被害者」が「こいつです」と言えば有罪だ。それで捕まった山本七平の証言も残る。「自分はタナカではなくヤマモト、憲兵じゃなく砲兵、それにこの人は誰ですか」でも有罪だった。戦勝国からなる連合軍はなにをしてもよかった。

そもそも戦前、戦中から日本は悪役だった。アメリカ人の中にはフレデリック・ヴィンセント・ウイリアムズやラルフ・タウンゼントなどがいて、あまりに一方的な「中国・善」「日本・悪」にアメリカ世論を心配もしている。どちらも実際に現地にて取材したり、調べたりして「単純な善悪二次元論はどうか。プロパガンダとか知っているか」と警鐘も鳴らしていた。

今に通じる懸念だが、1937年当時のウイリアムズも米国内世論を案じて「日本人はそんなことしてない」というと「親日派」のレッテルを貼付された。ウイリアムズは同年に上海、南京を訪れて蒋介石政府の高官に取材している。北京にも行きシベリアから満州と南下しながら取材する。日本軍と蒋介石軍で戦闘が始まると、ウイリアムズは先ず蒋介石軍に同行し、その後は日本軍の従軍記者として取材している。つまり、自分は実際に見てきたけど、アメリカ国内で報道されている「日本悪玉論」は嘘だと思う、と言っただけだった。

親日も反日もなかった。これもいま「ウクライナはいつから親日国になったの?」と問うだけで「プーチン派」「親ロシア」とヒステリックに誹られる日本の国内世論に似る。

1937年当時のアメリカ。対日輸出額は2億8837万7千ドル。輸入額は2億420万ドル。対日輸出額は前年比で164%に増えた年だ。最大の貿易相手国と言って大過ない。アメリカが輸入していたのは主に生糸。アメリカ国内では数十万人が関連企業に雇用されていた。輸出は綿花。アメリカ国内で生産される綿花の25%以上を日本が買う。

その状況ながら「日本は中国で悪いことをしている」として制裁を科すと、アメリカ人の雇用数十万人が失われ、原綿を栽培するアメリカ人農家は大打撃を被るが、徹底的なメディアの反日工作により、その怒りの矛先は「日本が悪い」になる。意図的に自国民を経済的に弱体化させ、格差助長してからのイデオロギーによる分断、疲弊した民衆の不満が暴発するころに「リメンバー」だ。米民主党、いつもの手だ。

いまなら暗黒皇帝の大量破壊兵器もセンセーショナルだが、最近、CNNの報道ではゼレンスキー大統領が、バイデンに「ウクライナに来るべき」と言ったとか。ウクライナ外相のドミトロ・クレパ氏も「我々に対する支持を示す重要なメッセージになるだろう 」と謎の上から目線で述べている。一応「5人目」にならないよう祈るが、本人、骨の髄まで米民主党に使われるなら本望かもしれない。


ところで、いまの日本でも物価が上がる、燃料費が高騰の原因を「ロシアが悪い」で済ませているのは考える力がないのか、心根が腐っているのか、もしかすると他に理由があるのか、なんなのかと心配になる。

また、たくさん本を読んで頭が賢い保守論者の方々は、蒋介石が作って世界にばらまいたプロパガンダ写真もご存じかと思う。「上海ベイビー」も有名だが、この写真は上海ですらなく南京だったとか、キャッセイホテルやらパレスホテルが蒋介石軍の空爆によって爆破された場所だ。欧米世論を憤怒させようと画策した作り物だった。

あるいは「中国人捕虜を銃剣で突き刺す練習をする日本兵」とキャンプションが付いた写真も世界を震撼させたが、あれもいまでは写真に印がつけられて、これが嘘、これは違う、とか説明文がなされて世に出回っている。普通に本屋で買えるが、いまでも日本国内には無意識に、意図的に、あるいは反日工作の続きとして「日本は中国人に酷いことをした」と疑わない人もいる。

そんなプロパガンダ写真が世界中でばらまかれたその瞬間、国際社会の多くの国民は疑うこともなく、日本人というのはなんという非人道的な民族なのだ、こんな野蛮な民族がいるとは信じられない、これはもう戦争してでも止めさせねばならない、と思ったに違いない。「原爆を落としました」と聞いても、可哀そうだけど、まあ、アレじゃあね、と思ったはずだ。

そう思うのも無理はないし、そう思うほうが正常だ。

しかし、それは全部が嘘だった。やった蒋介石政府はもちろん、米英の政府も当時の従軍記者なども「嘘」と知っている。軍服が違う、くらい「知っていれば」すぐにわかる。日本政府も「それは嘘だ」を言った。崩壊した建物の写真をして「それは中国がやった、蒋介石が自分でやったのだ」と言ったが、しかし、いまのロシア政府と同じく、世界中の誰も信じてくれなかった。どころか、よくぞまあ、抜け抜けと、これだけの「証拠」があるのに、やってないとか、よくもまあ、と火に油だった。

地上波に出てくるタレントレベルの野党政治家は話にならんが、他にも軍事専門家、国際ジャーナリスト、国際政治学者などの論を観よ。

なぜロシアはウクライナに侵攻したのか、と問えば「プーチンの領土的野心」「旧ソ連帝国の復活」と言う。更に「それにしては理に適わない、割に合わない」を問うと「自国の力を過信していた、ウクライナ市民の底力を舐めていた」「プーチンが独裁者で恐ろしいから情報が正しく伝えられていなかった」。

ロシア軍がキエフを落とせないのは「ロシア軍が弱いから」「装備が古いから」「士気が低いから」「キエフの住民が一致団結したから」「ゼレンスキーが国外逃亡もせず、リーダーシップを発揮したから」。

それでも説明がつかないと「プーチンは頭が狂ってる」。

これで納得する人はいろいろと大丈夫なのだろうか。興味深い勧誘や簡単に儲かる投資話に気をつけてATMには誰かと一緒に行ってほしい。


プーチンがいろいろ公式声明を出すも「またまたプロパガンダ」「国内向けのプロパガンダ」「孤独で意固地になってる」「病気で自棄になってる」。よくもまあ、ブチャの件をやってないとか言えるもんだ、それにその部隊に称号を与えるだと、として日本の女子アナが「悔しくて」と涙ぐむと、人の心を持っている、アナウンサーも人間だ、として同情が集まる。私は頭と心がおかしいのか、吐き気がした。



日本の特攻隊はなんと言われていたか。天皇崇拝の狂信者、恐怖を感じない麻薬中毒、軍国主義による洗脳などだった。要するにプーチンと同じ。狂っていた。だからアメリカは原爆投下を「戦争の早期終結には必要だった」といまも言って恥じない。



先日、ウクライナ外務省の公式動画にてヒトラーとムッソリーニと昭和天皇が並べられて「ファシズム」とされた。物事の分からん阿呆でも阿呆なりに、そこはせめて東条英機だろが、と真面な保守論者は怒るが、まったく触れないのもいた。中には「親ロシア派」に利用されるから黙ってた、という御仁もいたとか。

頭の中までアクリル板。心の声までマスクする。どんなワクチンを接種したのか知らんが、保守の変異株には気をつけたい。




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