忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

友愛に感謝しよう(「打ち首じゃぁぁぁ!!!ぁぁああああ!!」)

2010年04月22日 | 過去記事
「打ち首じゃぁぁぁ!!!ぁぁああああ!!」

最近、我が家のリビングから漏れ聞こえる声である。声の主はもちろん、我が妻だ。

「打ち首じゃぁぁぁ!!!ぁぁああああ!!」

りーちゃんがテーブルの上に乗る(普段は乗れない“ふり”をしている)。むーちゃんがサカリだから、りーちゃんを追いかけ回す(彼女いない歴5年と少し)。そのたびに、

「打ち首じゃぁぁぁ!!!ぁぁああああ!!」

という叫び声がする。倅は学校から帰っただけでも打ち首られる。

理由は、オープニング2日間の興行収入13億1600万円という、なんとも、あの「アバター」の2倍を誇る注目度の「アリス・イン・ワンダーランド」の影響をモロに受けたからである。一昨日、妻と観に行ったのであった。内容を知らん人からすればなんのこっちゃであることを知っていて書くが、妻はあの「赤の女王」にハマってしまっているのである。

今も赤い宝石をあしらった杖を振りかざしている。エライ気に入った様子である。私が買い与えたのである。打ち首なのである。

物語だから、ほとんどの人が「白の女王」に共感するように創ってあると思うのだが、我が妻は「赤の女王がかわいそう。白の女王はムカつく」という評価を下している。私などは「赤の女王」と聞けばすぐに社民党の党首とか国土交通省の副大臣が頭に浮かぶが、我が妻は「赤の女王」のワガママ、横暴には理由があると見抜き、誰からも愛されるキャラの「白の女王」には作為的で偽善的な振る舞いが鼻につく、というのである。

「あんなん、イメージに騙されてるだけやんか!打ち首やンか!!」

とのことだ。そんな妻にある質問をしてみる。

「アンケートでは舛添が“総理大臣になって欲しい政治家NO1”だが、あんたはどう思う?」

妻はしばらく考えたあと(舛添氏が誰か思い出している)、高らかにこう告げた。

「打ち首じゃぁぁぁ!!!ぁぁああああ!!」

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100422/stt1004221057001-n1.htm
<舛添氏ら離党届提出 大島氏からは議員辞職要求>

妻の「舛添→打ち首」という決定はひとまず措くが、それでも「イメージに騙されているだけ」という妻の指摘は外れていない。マスコミが「お茶の間選挙」という手段を捨てるはずもない。はっきり書くが、私は今回の離党、大いに結構だと思っている。マスコミに惑わされず、世論に流されず、引き止めなかった谷垣総裁、実に天晴れである。自民党、それでいいのだである。名の通る大物政治家とやらが次々に離党したことから「自民崩壊」が危惧されているが、ンなもん、下野したのであるから当たり前のことだ。少々のゴタゴタは避けられんし、避けてはならないのである。

また、これは皮肉ではないが、民主党、本当によくやってくれた。ここまでの無能政府を国民に周知してくれた功績は小さくない。日本国民に「ちゃんと考えて投票しないと大変なことになる」と気付かせてくれた。あのままスッと辺野古に移転していたはずの米軍基地も、友愛がぐちゃぐちゃにしてくれたからこそ、マスメディアは連日「沖縄基地問題」として取り扱ってくれた。なぜ沖縄に米軍基地があるのか、民主党の薄らトンカチでも認めざるを得ない「抑止効果」とは、いったい、なにから「抑止」せねばならないのか、と日本国民は「考えるきっかけ」を得た。場末のバーで「米軍基地は必要か否か」の話題が出るなど、スムーズに政権運営するだけしか能がない自民党政権ならばあり得なかった。

もちろん、これは単なる結果論であり、民主党政権のあいだに失った時間や国益を鑑みるに、それはもう甚大な被害ではあるが、それでも、この失敗政権から日本の有権者が学ぶことは少なくなかった。日本共産党の委員長が慌てて在日アメリカ大使館に飛んで行って「米軍基地は無条件で全面撤退するべき」という、噴飯ものの「緊急アピール」もせねばならなくなった。ルース大使は、何処の国にもおかしな人はいるなぁ、と思ったことだろう。まあ、お陰で安全保障についてはloopy顔負けである政党の性質というモノも日本国民に伝わった。また、社民党なんぞと連立してくれた民主党のお陰で、やっぱり社民党はダメだ、と多くの日本国民が認識できたように、日本共産党も議席が無くなるまでもうすぐだろう。しかし、まあ、社民党はいらないが、少しは残そう共産党。

また、この委員長の「在日米軍基地は無条件で全面撤退」などという愚論に賛同する人は、いくら依存ボケした日本人の中であってもかなり稀有な思考の持ち主であるから、周囲からの客観的な意見に対しては「日本にはどの国も攻めてこないし、世界はすでに平和だ」と言うほかない。すると、たちまち領土問題や拉致攻撃に関する質問が怒涛のように押し寄せ、もはや、「日本は悪かったから仕方がない」という、気の狂った応答をすることになろうから、周囲のマトモな人からは、やはり、赤旗新聞は赤旗新聞だと再認識されることになる。このことは日本の国益につながる。

ところで、舛添氏に話を戻すと、日本のために無能を晒してくれた政党のMVP候補が、己の所を棚に上げて何か言っている。先日の党首討論を見ていないのか、あるいは寝ていたのか知らないが、己の所のエースは身内から「休んだ方が良い」とまで言われている。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100422/stt1004221344005-n1.htm
<「自民党のエースが夜逃げ」 民主・山岡国対委員長、舛添氏離党に>

ちなみに、この自民党のエースとやらは、自民党が「党を挙げて反対する」と言っている外国人地方参政権推薦者である。エースは党是に反対しない。つまり、看板ではあったがエースではない。エースは交代せねばならないが、看板は交換するだけで済む話だ。

「看板を探すだけ」の選挙が続く中、この「総理大臣になって欲しい政治家NO1」の看板を切った自民党は化けるかもしれない、と期待を込めて書いておく。その「総理大臣になって欲しいランキング」は、所詮、そこにビートたけしやそのまんま東など「たけし軍団」が入れば大きく変わる程度のものだ。無論ながら「看板の意味」自体を否定するものではないが、至極当然、それだけでも困るのである。

ちなみに、野球における「エース」というものは「最後まで投げ抜く」ことが条件であり、自分が「チームの主戦力」であると自覚した立ち振る舞いを心がけている。チームが勝っている時も負けている時も、いや、負けている時こそ、奮い立つのがエースである。

この自民党の「なんちゃってエース」は執行部にいたときから「麻生批判」などもしていたではないか。そんな政権与党のときに辞めるならばともかく、下野して沈む船から逃げるエースなど、その前提条件がおかしいのだ。それに自民党は沈まない可能性も出てきた。重くて無駄な荷物を捨て始めたからだ。だから離党ではなく、打ち首なのである。

それに比べて、我らが長尾敬氏は「民主党という泥船」から逃げ出していない。さすが民主党のホープである。もちろん、これは皮肉である。


ともあれ、スクラップ・アンド・ビルド、民主党には感謝する。だが、もういい。あとはもう、妻の言う通り、「打ち首じゃぁぁぁ!!!ぁぁああああ!!」である。

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