忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

産経・FNN合同世論調査内閣支持率38%に下落内閣改造49%「評価せず」政権浮揚効果なく

2023年09月21日 | 随感随筆



「棚に上げる」といえば、都合の悪いことや面倒臭いことを棚の上のほうに押し込んで見えなくすることを言う。いつのモノか誰のモノかわからない不用品や見られたくない不良在庫、整理が行き届いていないファイル類や尖閣諸島などがそれになる。せめて期末ごとには棚卸をしたほうがいい、と真面目な勤め人は知るが、不真面目な連中はわからない。

例えば新聞。戦前などは「新聞紙法」に基づいて特高警察の検閲も受けた。いまの朝日新聞みたいに「侍ジャパンは良くない、百姓ジャパンでいいじゃないか」とか阿呆を書けば「言論統制」の憂い目に遭うよくできた仕組みだ。

この恐怖の言論抑圧も日本の敗戦で終わった。GHQは1945年9月24日に「新聞界の政府からの分離に関する覚書」を発布。3日後の27日には「新聞および言論の自由に関する追加措置」を発してくれた。

マッカーサーが急いで日本の言論を検閲したかったのが伝わる日付だが、そのお陰様で昭和天皇とマッカーサーによる「あの写真」は全国紙の1面になった。ちなみに「あの写真」は3枚あって、1枚はマッカーサーが目を閉じているからダメ、もう1枚は昭和天皇の足が開いているからダメ、身長180センチのマッカーサーが手を後ろに組んでリラックスしている横で、直立不動の昭和天皇が写る「あの写真」でなければ駄目だった。

この写真を内務省が新聞紙法第23条違反だとして掲載中止にした。これが9月27日だったから、同日、GHQは先述の「追加措置」で掲載させた。さすがは占領軍、つまり、なんでもできたわけだが、この写真に日本人は驚愕し、なにかと諦めたが、憤る日本人もいた。新聞一面の写真を見た歌人の斎藤茂吉は日記に「ウヌ!マツカーサーノ野郎」と書いている。当時の日本、内務省だけではなく、巷にもまだ「日本人」はたくさんいた。いまは数えるほどしかいない。

地方紙も含め、戦前の新聞は特高警察の幹部を主幹に招いたりする健気さだったが、戦後、それがGHQに代わった。さっきまで特高幹部の特集を実名でやり、日本の功労者と持ち上げていたのに、気がつけば「強権を持つ特高は社内ににらみを利かし」と悪口を書いていた。この「現実的で柔軟な」姿勢、あるいはその「事なかれ体質」はいまも変わらない。マスコミ上層部に中国、朝鮮人は珍しくもない。身内の批判もしない。

例えばコロナのバカ騒ぎの頃、テレビ朝日のニュースサイトには普通に「文鮮明先生聖誕100周年」とか「真の父母聖誕100周年記念」などと広告があった。いま、素知らぬ顔で活動家みたいな連中と一緒になって被害者救済、解散させろ、自民党議員と深いつながりが、と騒いでいる。

全国最大の中古車屋もそう。子供までが「CMソング」を覚えるほど垂れ流しておいて、国交省が聴取に入れば手のひらをくるりと反す。いくら内部告発があろうが、裁判で訴えられようが、悪い中古車屋が「なんとかやり過ごせるはず」と考えた理由に、かつての「悪夢の民主党政権」と同じく「メディアのスルーっぷり」はないか。

いまなら某大手タレント事務所もそう。暴露本もあったし、文春砲もあったがマスコミは総じてだんまりだった。相手が弱い、弱っている、あるいは「反論、反撃してこない」という前提条件が整えば連日、吊るし上げてメシの種にする。子供に自慢できる仕事じゃない。

そして同じような体質の岸田政権。弱いし反撃も知れているはずだが、叩き方に刃引きが見られる。これが「第三次安倍政権」とかなら、無理でもモリカケサクラでもなんでも、いくらでもなんでも出してきて全力で総攻撃していたはずだ。しかし、相手が対米従属の傀儡なら同病相憐れむ、同じ穴のポチということで「岸田さん人気出ませんね。人気ないですね」と心配している。内閣改造の御祝儀もない。どころか下がっているという報道もあるが、マスコミの叩き方は緩く、ナニか知らないが、非常に気を使っていると感ずる。

思い起こすに、手加減なしどころか、歪曲偏向してまでも叩きに叩いたのは安倍政権。最近ならトランプ大統領にプーチン大統領。高市早苗に杉田水脈などの自民党の保守政治家。ジャーナリストや専門家の保守論客はそもそも触らない。いないことにする。間違ってテレビやラジオで使っても、気づけばすぐ、慌てて使わないようにする。コロナのバカ騒ぎでもそうだった。「ガンガン煽りましょう」に逆らう専門家、医師は絶対に使わない。実害が報じられるようになってもまだ、ワクチン打つな、という医療関係者はマスコミには出てこない。こんなことがもう、ずいぶんと続いている。

少し前から、さすがの日本人も棚からいろいろと卸し始めている。ちゃんとモノを確かめ始めている。頬を叩いて顔を洗い、しっかりと覚醒した目と耳で確認し、すっきりした頭で考えれば、岸田政権の支持率が上がらないのは当然だし、ネット上のこととはいえ「日本保守党」のフォロワー数が短期間で政権与党を抜き去ることも至極当然である。

「連中」はいまでも形振り構わぬほど追い込まれているが、今年後半、来年は更に可視化されて具現化する。日本国内でも「治安が悪くなった」で済まない現実問題として顕在化される。もうマスコミもヘチマもない。眼前にごろりと出現する危機は更に日本人を覚醒させる。




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