私はあまり喰わないが、我が家の雑煮は「澄まし汁」である。関西だから「白味噌」だということはないようだ。しかしながら、私も年を取ったのだろう。最近、やたらと「汁物」が欲しくなる。もう、勘弁してくれというほど「御節」で日本酒を飲んだあとは、すっきりあったかい雑煮もウマいもんだ。ちなみに、妻と倅は「モチ2個」で私は「1個」だ。
私はこの「モチ」というやつも、あまり好きではなかった。居酒屋でも「餅とチーズ」を合わせて焼いたようなものがあるが、あんなものは女子供の喰い物、いわゆる「おやつ」の感が否めないのである。ンで、なんか、モチモチしてるし。
ところで、正月は結構なことなのだが、今年も「餅を喉に詰めての窒息死」が連発している。もはや風物詩ならぬ「風物死」であろう。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/100103/dst1001031546007-n1.htm
<もちを詰まらせ60歳男性死亡 埼玉・朝霞>
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/saitama/100103/stm1001031621009-n1.htm
<またもちを詰まらせ… 羽生で83歳男性死亡>
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/saitama/100102/stm1001021415005-n1.htm
<もちをのどに詰まらせる? 蕨の公園で男性死亡>
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/saitama/100102/stm1001021217002-n1.htm
<もちをのどに詰まらせ女性死亡 川口市>
ちなみに、これ全部、埼玉県であった。「栃餅」の所為かと思ったが、あまり関係ないようだ。しかし、やはり多いのは「雑煮」である。雑煮の餅は冷えると固くなって粘り気が強くなる。ちゃんと温かくしたまま、つるんと喰えば美味いだけなのだが、これを口に入れたままウロウロしたり、思いがけず飲み込めなくて冷えてしまったりする。それがちょうど、気管のあたりでモチモチしてたり、慌てて飲み込もうとした結果、風物死してしまうわけだ。
世界に「もち米」を使った料理は数あれど、そこそこの大きさの「ついた餅」を汁に入れて喰う雑煮のような食い方は珍しいのかもしれない。中華ちまきや東南アジアの「もち米のお菓子」で窒息したとは、あまり聞かないのはその所為か。
また、よってたかって悪者にされた「こんにゃくゼリー」というのも子供や老人の呼吸を止めた。そ、そういえば「こんにゃく」は埼玉県の特産品じゃないか(恐)。「さいたま」の人はウマいもん造るのはいいが、ちゃんと気道を確保してほしい。
ちなみに2008年、厚生労働省が発表した調査結果によれば、全国の消防本部で「窒息事故」と判断したものは約700件だったという。そのうち「食品が原因」とされたのは432件、更にそのうち「穀類」が211件、内訳は「餅」がトップの77件。あとは「おにぎり・ごはん」が61件と続き、「パン類」は47件、なぜだか「粥」が11件だった。菓子類は62件あった。で、そのうち「ゼリー」は何件かといえば、たった4件だった。野田聖子はこれを規制したわけだが、しかし、考え方によれば「ゼリー」が喉に詰まったら諦めた方がいいほどの殺傷力とは言えまいか。77人が喉に詰めても亡くなるのは数名、ゼリーは件数こそ少ないが、その圧倒的な殺傷能力は恐ろしいほどである。「クラッシュタイプ」を喰おう。
また、餅が喉に詰まったら「電気掃除機で吸い出す」というのが良いらしいが、アレも慌ててスイッチをオンにしたまま口に突っ込むのではなく、喉の奥まで挿入してからオンにするのが「正しいやり方」らしい。覚えておこう。ま、ともかく、慌てないことだ。
それと「喰い方」だな。先ほどの「餅を口に放り込んだまま」何かしたり、「こんにゃくゼリー」も凍らせてというより、例えば、寝転がってテレビ見ながら喰ってたりね。ちゃんとコタツで座って喰ってれば、危険度は下がるんじゃないのかと書いたら、向こうの方から「なら、おまえの好きな“立ち飲み”はどうなんだ!行儀悪いじゃないか!」と言われそうだが、アレはあーゆー「スタイル」なのである。それに「量が飲めない」という利点付きだ。立ちっぱなしだからな。あと「立って飲むと酔わない」みたいなことも言われるが、まったく関係ない。「立っている」から緊張が弛緩しにくいだけだ。酔うモノは酔う。
去年、日本国民は「甘くて温かい」と思って、寝そべったまま「友愛」を口に入れた。100日間も口の中でもごもごする以前に、それからは酸っぱい臭いもしていたのに、インフルエンザでマスクをしてたからかどうかは知らないが、そんなことにも気付かず、長年喰ってきたものを「こればっかりじゃね・・」という理由だけで「変えて」しまった。今、その「友愛」は日本国の気道を塞ぎ、「マトモな神経」は青紫に変色し、チアノーゼとなっている。早く取り出さないと、日本国は死に至るところまできた。
また、政治の「政」は「まつりごと」と読む。国をあげて正月を祝うことは、実にめでたいことだが、それでも餅を詰まらせて死んだらしょうがない。国をあげて「政権交代」を成し得たことは結構なことだが、それで日本国が窒息死してはしょうがない。
何にでも「喰い方」というものがある。
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