「ブッシュ・シューズ」という名の靴が37万足も売れているそうだ。トルコ製の靴らしいが、イラクからだけではなくアメリカからも注文が殺到しているという。従業員も100名増やしたらしい。派遣だろうか。▼インターネットでのオンラインゲームの登場も早かった。さすが、アメリカの大統領ともなれば「靴が飛んで来て避けた」だけで大騒ぎだ。▼そして「投げた本人」であるイラク人記者は、既にイラクのマリキ首相に謝罪文を送ったとされていたが、それがどうやら違うらしい。▼もちろん、伝えてくれるのは良心的マスメディア・朝日新聞である。なんでも「拷問されて書かされたもの」だったという。▼靴を投げたイラク人記者は「歯が抜け落ち」「耳にタバコを押し付けた後」があるという凄惨な拷問後が見られるとある。今年の大晦日に裁判があり、最長では15年の禁固刑に処されるというから呑気に「靴投げゲーム」になっている場合ではない。▼いずれにせよ、せっかく空爆までして「裁判で罪科を決めて」「刑に服す」という「民主主義」をプレゼントしたはずなのに、まさか報復感情丸出しの「拷問」などが行われては、世界の警察の面目もあるまい。▼朝日新聞などの反米メディアはいろいろと考えているようだが、妙な形で「時の人」となったイラク人記者は、これからメディアには引っ張りだこだし、この先の人生において靴に不自由はしまい。▼渦中のイラク人記者は、存外、靴が外れたことを悔しく思っているだけかもしれない。