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露外相、北方領土で「現実」認めるよう強硬態度>2012.1.29

2012年01月28日 | 過去記事







露外相、北方領土で「現実」認めるよう強硬態度(読売新聞) - goo ニュース

< 【モスクワ=寺口亮一】ロシアのラブロフ外相は26日、28日からの訪日を前に一部日本メディアの書面インタビューに応じ、エネルギー分野などでの日本との関係強化を訴える一方、懸案の北方領土問題については「(4島は)第2次大戦の結果、法的根拠に基づきロシア領となった」との「現実」を認めるよう日本に要求する強硬な態度を示した。

 露外務省が26日、サイトに内容を掲載した。

 4島での共同経済活動については、「ロシアの法があらゆる可能性を与える」として、「日本の法的立場を害さない」との前提で経済協力を求める日本の主張を否定した>




ナチス・ドイツの機甲師団が東ヨーロッパ平原(ロシア平原)に雪崩れ込んでくると、ソ連はシベリア鉄道の沿線地域の線路を外してバリケードを作った。戦後、この修復作業をシベリア抑留された日本人がやらされた。日本の外務省の発表で57万人以上、抑留中の死亡者はロシア側の資料ですら6万4千人以上、とするモノもある。「(シベリア鉄道の)枕木の数の日本人が死んだ」とされるのは大袈裟でも何でもなく、連中は零下40度にもなる極寒の中、日本人を使って枕木となる材木の伐採をさせた。飢えと寒さと疲労で死んだ日本人は「白樺のこやし」と呼ばれて、実際に木の下に埋められた。

ロシア連邦共和国の仲間、ブリヤート共和国では森林の伐採中、日本人捕虜の昼飯がソ連の警備兵に奪われる。気をつけたい。捕虜が警備兵のメシを盗むのではなく、捕虜のメシを警備兵が盗んだのである。コレが露助だ。

これに対して徳島県出身の引率者、大谷タキツネ曹長が抗議する。酷いじゃないか、戦勝国の軍人が敗戦国の捕虜の食料を奪うもんじゃない、恥を知りなさい、と窘めるとその場で射殺された。その首都、ウラン・ウデの駅ではミヤノ・シンゾウ大尉がソ連の警備兵に「オレを見て笑ったのか」とイチャモンをつけられて射殺される事件もあった。日本人の命など軽いどころではない。末端兵士の八つ当たりのレベルで殺してもよいとされていた。

そのブリヤート共和国にあるバイカル湖から北へエニセイ川が続く。シベリア鉄道もバイカル湖を迂回して同じく伸びている。そのまま広大なシベリアの真ん中まで行くと、エニセイ川を跨いでクラスノヤルスク鉄橋がある。平成9年11月、橋本龍太郎はここでエリツィンと魚釣りをしてもらい、その代わりに「ロシアのAPECへの参加を支持することを表明」させられる。「経済の活性化」も約束した。いらないけどロシアの天然ガスなどのエネルギーも買いましょう、日本は関係ないけどロシアの改革に支援もしましょう、日本が金を出すだけのことですが、それを「投資協力イニシアティヴ」と呼ぶことにしましょう、などと決めた。エリツィンは機嫌よく、それなら自衛隊とロシア軍の共同訓練もしましょう、と言ってくれた。橋本龍太郎は何が嬉しいのかわからなかったが、それでもエリツィンが「次回は日本でネクタイを外して会談をしよう」と言ってくれたから「成果があった」とした。

翌年、本当にエリツィンは来てくれた。「川奈会談」だ。橋本龍太郎はまた喜んで、日本人が住めない北方4島に電力供給をしましょう、としてディーゼル発電機をプレゼントする約束もする。資金援助も言わされた。なんの得にもならないのに、日本はもう9000億円ほどもロシアにプレゼントしている。それをまだやると。

エリツィンはそれを「評価する」と真上から褒めてくれた。この頃から橋本龍太郎は「ロシアが不法占拠する北方領土」とか「領土返還」というフレーズを止める。ロシアが怒らないように、と考えた結果「国境線画定」という言葉にした。火事場泥棒よりも不細工なことをしたロシアに「返せ」とやるのは当然だが、この国の政治家連中は火事場泥棒や居直り強盗に気を使う癖がある。泥棒相手に「相互理解」もヘチマもない。「信頼」も「友好」も通じない。悪さする相手には懲罰しかない。

それから3ヶ月後、毎度お馴染み総理が交代する。次の総理大臣となった小渕恵三は訪露して驚く。エリツィンは橋本龍太郎が気を使いながらも、こっそり小声で囁いた「領土返還」など気にもしていなかった。あっさりと「受け容れることは出来ない。代わりに新たに国境画定委員会を作ろう」と川奈会談をひっくり返す。「国境線」はお前らが言い出したんじゃないか、と。

それから何年か過ぎ、いま、ついにロシアは「現実を認めろ」とまで言い出した。「事実」ではない。あくまでも「現実」だ。どれほどウォッカを飲めば<(4島は)第2次大戦の結果、法的根拠に基づきロシア領となった>と言っても恥ずかしくないのか知らないが、たしかにそれは事実ではないが現実ではある。

民主党の閣僚らも竹島を「不法占拠されている」とは口が裂けても言わなくなった。経済で連携し、互いに信頼関係を作り、それから協議に応じてもらって「解決する」のだと言い張るのも同じことだ。そのためには「事実」は相手の都合に合わせて止めましょう、相手様を困らせないようにしましょう、というのが日本外交の基本理念となる。

「現実にどうしようもないじゃないか」というのは現実主義でもなんでもなく、ただの無責任のことだ。だからいま、大阪だけではなく、橋下新市長が人気モノである。彼は言葉を選ぶようになったが、それでもはっきりと言うべきを言う。是非、国政に、という声も聞こえてくる。良いか悪いかではなく、これも無理からぬ話だ。現状維持、棚上げ論は状況を悪化させる、と多くの日本人も気付いた。摩擦や軋轢を恐れない指導者が望まれるのも自明の理、モノを動かせない、動こうともしない政治家には辟易したことだろう。そして橋下新市長が経団連やら関西電力やら、日教組やら朝日新聞やら、既成政党やら組合やらと対峙する姿勢が鮮烈に映る。その相手がアメリカや支那朝鮮、ロシアになればいいなぁと夢想する。これも致し方ない。

無能よりも質が悪いのは無責任。無知より始末が悪いのは無自覚。無駄や無職も減らさねばならないが、それより急ぐのは無関心。日本人はこの不勉強なロシアの外相を笑えない。

2 コメント

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Unknown (Sugar)
2012-01-31 18:05:39
一つ追加願いまぁ~す♪

『愚か者よりも始末が悪いのは臆病者』
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Unknown (久代千代太郎)
2012-01-31 19:09:06
>シュガーちゃん!!

了解ですw

ルーピー>お遍路>のぶた、ですな!
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