忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

民主党じゃダメなんです

2010年07月05日 | 過去記事
テレビでまだ「ザ・コーヴ」の宣伝をやっている。普通のニュースでも取り上げるから、映画館は連日満員ではないか。「表現の自由はどうなんでしょうか?」は良い宣伝になるようで、これからも左翼のプロパガンダ映画には用いられるであろう。

また、同じように話題性を利用して、タイムリーな時期に発売している本がある。蓮舫の「一番じゃなきゃダメですか?」だ。発行元のPHP研究所の売り上げランキングでは3位だが、アマゾンのランキングでは11621位と低迷している。私も買って読んでみたが、まあ、そんなもんだろう(笑)。評価できるポイントを挙げれば「ああぁ、これは自分で書いたんだなぁ」とわかるところだ。もうすぐ古本屋のワゴンに50円くらいで出るから「蓮舫ファン」以外は買ってまで読むこたぁない。内容もアレだしね。

ンで、せっかくページめくったし、ちょっとだけ悪口を書こう。

まあ、しかし、ホント文章というモノは怖い。なんか、いろんなことが分かるような気がする。私は蓮舫に批判的だが、その理由は先ず「民主党にいる」ということ(笑)、そして「早口でまくしたてる」話し方や「微妙な表情で(主に目つきだが)人を馬鹿にするところ」などが鼻につくのであるが、例えば「外国人地方参政権付与に反対」などというマトモなことも言うから、国民新党の亀井静香と同じく、ちょっと叩きにくいところであった。

でも、亀井静香はともかく、この「蓮舫が自分で書いた本」を読んだら、なんとなくわかった。蓮舫は「民主主義による政権交代」を目の当たりにしたことにより、参政権というものの「重さ」を知ってしまっている。それは台湾での選挙であったと思われる。

蓮舫は2000年と2004年に行われた台湾の総統選挙を、ジャーナリストとして直接取材している。当時のリアルな「台湾の熱気」を直接みてきている。著書の中でも台湾人は政治への関心が強く、投票率も8割だったと興奮してこう続けている。

<子供も総統選について普通にしゃべるし、夕方や夜の取材を終えてレストランに夕食を食べに行くと、すべてのテーブルで、総統選挙が話題なんです。あるいは、お客さん全員で総統選挙の話をしながらご飯を食べ、喧嘩もしている。街が、国全体が総統選挙一色なんです。これは日本では考えられない>


蓮舫は20代半ばで旦那と一緒に北京大学に留学したりもしているから、一党独裁の国が民主的に「政権交代」したことに感動したのだろう。だから「選挙に投じる1票」の意味を考えてしまっている。まさに李登輝元総統の「国生み」を直接みたお陰である。それまでの「国民党党首=総統」ではなく、実際に選挙で民進党が勝利し、目の前で陳水扁氏が総統になったところをみれば「税金払っているんだから選挙権くらい」がどれほど愚かなことなのかは知っている。さすがに己の党の前代表が「愛のテーマです」と言ったことには触れていないが、これにはとても賛同できなかったはずだ。しかし、そのまま<日本もある種の一党独裁だった>と書いてしまうから残念なことになっている。


蓮舫は自分で<中国は「中国共産党が中華人民共和国を指導する」と憲法に書いている>と書きながら、与党が勝ち続けることと、一党独裁を憲法に記載している国の違いもわからない。「自民憎し」が思考を破壊する良い例である。


それに、あとはもう、どうしようもない(笑)。


事業仕分け名シーン、この本のタイトルにもしている「スパコン」に関する「一番じゃなきゃダメですか?」も酷いものだ。蓮舫がいう理屈はこれだけだ。文部科学省の調査で「世界一を奪取するのは困難」と出ていること、それなのに担当職員らは「世界一を目指してます」というギャップに納得出来なかったらしい。調査で困難なことに、担当者が「目指します」だけで税金を投入していてよいのか?ということだ。

また、その仕分け本番において、担当職員に対し「世界一を目指す理由は何ですか?」と阿呆丸出しの質問をした蓮舫だが、その職員の答えが「それは、夢です」だったからとして「会場には失笑があふれました」と馬鹿にしている。ちゃんと前後の文脈も読んだが、それでも私にはなにがおかしいのかわからない。

蓮舫の理屈を正当化するとすればもう、その担当職員が「世界一を目指すと言っておれば予算が取れるしな、うへへへ」しか思いつかないのである。たしかに文部科学省は「世界一は困難」だとしているんだろう。でも、それでも現場の担当者が「いや、我々は世界一を目指してます」というのは、会場に失笑が溢れるほど、おかしなことなのだろうか。

貴重な血税を使っているからこそ、日本は技術立国だからこそ「我々は世界一を目指さねばならないのだ!それが我々の夢だ!」とスパコンの科学者が言えば、それはおかしいのだろうか。

しかも、である。蓮舫は「仕分け効果(自分の成果)」だとしてこう書く。仕分けによる蓮舫の発言を取り上げ、日本のノーベル賞受賞者が集って記者会見したことを指して、

<今までノーベル賞を取られた方たちが、この国の科学はこうあるべきだと一堂に会して声を挙げる機会はあまりなかった。もしあったとしても。国民が関心を持つことは、実はあまりなかったんじゃないか。科学系の方、科学関係の仕事をしている方なら関心もあるかもしれませんが、そうでない方たちは、今回仕分けがあって、私の「刺激的な」発言が取り上げられて、そして記者会見があって、家庭で居酒屋で会社で職場で、コンピューターの話をされたのではないでしょうか>


と、いかにもな「民主党マインド」を発揮して自画自賛である。これは相当恥ずかしい。もし、そうだったとしても、普通は自分で言わない。いや、なるほど、蓮舫は北京大学留学時に「とくに中国人の自己主張の強さ」に感銘を受け、それを自らも率先して体現すれば、周囲の友人らが「そこまでいわなくても・・・」と心配することを指して<バカじゃないのかと思いました>とするだけのことはある。そう思えば、実に支那人らしいわけだ。これは自画自賛ではなく、素晴らしい自己主張であるのだ。蓮舫にとっては褒め言葉になろうが、実にこの蓮舫、支那人マインドである。いやぁ、天晴れ。




他にもいろいろ面白いことが書いてある。「クラリオンガール時代の話」などはどうでもいいが、例えば、コレだ。

蓮舫は双子の母親でもある。その子らが生後半年も過ぎていない頃、隣で眠る旦那に腹を立て、なんと、ブチ切れて母親と伊豆の温泉に行ったと嬉しそうに書いている。これは普通の日本人は引く。「温泉に行ってやろうかと思った!」は山てこいる。しかし、本当に行ってしまう日本人はあまりいないと思う。そして蓮舫は<母乳は冷凍保存してあった>となぜだか書いている。これで旦那にもミルク飲ませるくらい出来るだろうということだろうが、これを読んでいる日本人のお母さん!そうなんですかね?ww


ンで、やはりというか、なんというか、読み進めていると、どっぷりと「ど左翼」であることもわかる。ほとんど田嶋陽子と同レベルである。蓮舫は男性が育児休暇を取らないことに異を唱え、また、その理由が「仕事で忙しいから」と「他の人に迷惑がかかる」だと挙げて<「忙しい」ホントですか?「迷惑をかける」ホントですか?>とやる。ホントだっちゅうねん!(笑)


そもそも、だ。


20代半ば過ぎて結婚してから、旦那と二人で北京大学に留学して、休みになれば「2ヶ月も中国を旅行しちゃいました♪」という恵まれた家庭と、旦那が馬車馬になって働いて、嫁はんがパートに出て、朝から戦争のように忙しく弁当こさえて、旦那と子供を放り出すような家庭を同列に語ることに違和感がない人物が、この国の事業を仕分けしている恐怖といったらもう、なんでもかんでも無茶ぶりで「問い詰めるだけ」が能じゃないだろう。


しかしまあ、蓮舫も双子の母親だから大変だろう。<育児ストレスもたまっています>と自分で書くくらいだからな。子供はもう文字くらい読めるだろうから、自分のことで母親が<ストレスです>なんて書いていると知れば傷つくだろうから見せるなよ。


ンで、蓮舫のストレスをみてみる。こんな強い女性なのに、いったい、どのようなことでストレスをためるというのか・・・。私のブログと同レベルのど下手な文章が続くが、これはあくまでも「原文ママ」であるから、我慢して読んでもらいたい。どちらも純潔の日本人じゃないしね(はぁと)。


<なぜというと、働いていた女性の多くが体験するのが、結婚して夫の名字に変わることによる違和感、職場で自分の名字が変わったという煩わしさ、プライベートなことなのに、いちいち相手に対して説明しなければいけないこと、などなど>

これ、私の思い違いなら謝るが、普通、愛する人と結ばれて「同じ名字になる」ことは、女性は普通、幸せと感じるのではないのか?いや、ちょっと、聞いてくる・・・

・・・・・・・・・・。




・・・・え?マジで・・・??





そ、そうか・・・・わかた・・・




・・・みょ、名字は「ドラゴンがよかったやんけ!」と叱られた。ま、まあ、最悪、私の場合は「通名」があるしな、明日でも市役所行って・・・変えるか・・ドラゴンにな・・





ま、まあ、私の家庭のことはどうでもいい。普通はそうだと思いたいのである。しかし、蓮舫のストレスはそれだけではない。我が妻も大変だが、なかなか蓮舫の旦那も大変だw


<子どもが生まれるともっと違う環境になって、子どもが生まれた瞬間に夫からは「ママ」とか「お母さん」とか呼ばれて、それで病院に行ったら「何とかちゃん、何とか君のお母さん」になって、保育園、幼稚園に行くとまさしくそれが自分の呼称になって、「何とか君のママ」「何とかちゃんのお母さん」、先生からもそう呼ばれる。あるいは名字で呼ばれる>


これを蓮舫は「アイデンティティの喪失」と書いている。言うまでもなく「アイデンティティ」というのは「存在意義」とか「存在理由」という意味となる。これも蓮舫などの安モンのフェミに見られる思考経路だ。つまり、蓮舫は「母親としての存在意義」を軽んじている。だから、乳飲み子を残して温泉に遊びに行ける。母親は「自分じゃないとダメ」だと思うものだ。誰かが代われると知っているが、それでも「自分が母親だ」という自覚に基づいて「自分しかいない」と思えるからこそ、女性はオンナから母になる。


子供が出来て幼稚園に放り込みに行けば、誰でも「ナントカちゃんのお母ちゃん」と呼ばれる。誰でも、だ。この誰にでも起こりうることで「アイデンティティを喪失」したりしない。女性だから「もう、わたしもお母ちゃん、おばちゃん、と呼ばれる年になったのかぁ」と凹むことはあろう。しかし、それを「存在意義の喪失」まで言うのは珍しい、というか、完全なる誤りである。


愛した女性が知り合いや友人から恋人、そして結婚して妻へと変化し、さらにはそこから母になる場合、普通、それは「存在意義が増す」ことになる。若いチャラ男が結婚して子供が出来て「自分も父親になるのだ」と自覚したとき、信じられん程の急成長を見せる若者を、私は何人も見てきた。職場と家庭は「つながっている」から、そのどちらでも「存在意義」は確実に増すことになる。存在する理由も確固たるものに変容する。


もはや<名字で呼ばれる>に至っては、何がストレスなのか理解不能である。幼稚園の先生に「名前で呼ばれる」方が不自然ではないか。そんなに旦那の名字で呼ばれるのが不快なのだろうか。



また、子育てについても書いている。もう、明確な男女悪平等だ。困ったもんだ。


<男の子は男らしく、女の子は女らしく、という育て方はしていません。男の子には赤い洋服が似合うから赤い服を着せていましたし、逆に女の子はクールな方が似合うから青い服を着せたり>



しかし、である。このすぐあとだ。


<お下がりも当然、息子の方が大きいから、娘は息子のお下がりを着ていたし、息子はいとこのお兄ちゃんからのお下がりを着ていました>



蓮舫夫妻は共に「3人兄弟」だとある。従姉妹のお姉ちゃんはいなかったのだろうか。大きくなった息子にスカートを穿かせないのはなぜなのか。「似合わないから」なのか。そもそも「赤い服と青い服」を逆に着せていたからといって「男の子らしく」「女の子らしく」でもあるまい。では、男には女言葉で言葉を教えればよい。女の子には「オレ様」とでも教えればどうか。「らしく」はともかく、男の子は男として、女の子は女として育てているはずだ。ならばいっそ、男の子には「男らしくするな」と教えてみればいい。女の子はバリカンで坊主頭にすればいい。そんなこと、誰もしないのである。




と、まあ、しかし、だ。

これらのことは所詮が「余所の家のこと」だから、どうでもいい。


ちょっと洒落にならんのもあった。はっきり言って、これが蓮舫のマインドである。

阪神淡路大震災のことが書いてある。蓮舫は当時、ジャーナリストとして取材している。いかにも人道的に報道したかのように書いている。報道することの意義はあったと書いている。もちろん、あのような大災害の場合、マスメディアの仕事というものはある。メディアしか出来ぬ仕事もあろう。しかし、だ。


蓮舫が書いているのは先ず、その報道をすることが「どれほど大変だったのか」を強調している。いや、それはとくに問題ない。自分の経験を通して震災というものを見て欲しい、思い出して欲しいという書き方はある。しかしながら、


<早朝に神戸に入り、夜遅くになって宿に戻ってくる。一週間近く、そういう取材活動をして、週末に他のスタッフと交代>



は、あまりにヌルイのではないか?だからどうした?というレベルではないか?これが、あれほどの大震災、しかも被災者を目の当たりにした人間の言うセリフか?しかも、その宿とは<淡路島か有馬温泉>だという。夜は温泉に浸かりながら、風呂にも入れぬ被災者を取材していたのに、朝から夜まで取材活動したことが、それほど自慢なのかと思う。



しかも、だ。


<そんなときに、有馬温泉がやっぱりすごいなと思ったのは、温泉のお湯を自衛隊に委託をして、被災地まで運んできたんです。それで、臨時の銭湯をつくったんです>



は、もう、頭がおかしいのかと思う。すごいのは自衛隊もであろう。有馬温泉の人がお湯を運んで銭湯作ったのか?温泉を提供してくれたことは涙が出るほどありがたい。しかし、それを運んで浸かれるようにしてくれたのは自衛隊員ではなかったか。蓮舫はこのあとも、感動したと言いながらもまったく自衛隊には触れず、最終的には<鳩山由紀夫総理のおっしゃっている「絆」が根付いている街なので、とても温かかった>と気味の悪いことを書く。そして、だ。



<なぜあのとき、兵庫県知事は自衛隊の災害出動をためらったんだろう。なぜ総理大臣官邸は、危機対応ではなく通常日程をこなしたのか>

とぬけぬけと書く。

<瓦礫の中に埋もれて、まだ息をしていたであろう人を見つけられなかった>

としゃあしゃあと書く。



自衛隊が遅かったのは、当時の兵庫県の貝原知事がためらったからではなく、兵庫県警からの情報が無かったからだ。発生から4時間が過ぎても「死亡者4名」の情報しか伝わっておらんからだ。総理官邸が呑気だったのは「何分、はじめてのことじゃったから」と「ど左翼」の総理大臣が国会で答弁したではないか。

瓦礫に埋もれている人が、押し潰される隙間から出す「細い声」をかき消したのは、貴様らが乗っていたヘリコプターの音ではないか。当時、ジャーナリストとしてその場に居ながら、なんたる杜撰なのか。未だに「なんでだろう?」とは何事なのか。貴様、そこにいたのだろう。ならば、いま、政治家として閣僚として、もっと参考になることは書けんのか。


貴様から仕分けされるべきではないのか。有馬温泉から被災地に物見遊山よろしく、あとは<壊れた家の片付けをしている人から「カメラを向けるな!」と怒鳴られました>だの<火事跡のすすけた現場でリポートしていてレンガを投げられました>だの、それはそれは、どうも、ジャーナリスト様、御苦労さまでしたとでも言って欲しいのか?






あと、笑うのは子供手当だ。子供手当を「酒代、煙草代、パチンコ代に消えてしまう」と批判する人は国民を信頼していない証拠なんだそうだ。蓮舫は<(酒代、煙草代に)消えてもいいと思っています>だそうだ。ならば「酒手当・煙草手当・パチンコ軍資金手当て」とすればいいではないか。しかも、その理由がまたすごい。



<最終的には、あのうちは子どもにまだ食べさせていないとか、冬なのに半袖しか着せられていないとか、親父はいつもパチンコやってる、子ども手当が正しく使われていないと、近所の目が絶対に厳しくなる>



これが子供手当、史上最悪のバラマキ政策の「理由」なのか。私の納税意識が下がったのは貴様らの所為だぞ。本気で払いたくないと思う。本気で嫌だ。しかし、英霊に対して恥ずかしいから払ってやる。貴様らに払うんじゃない。日本の国のために払うのだ。


そして、更にだ。<それを貯金しようが、お母さんのお洋服代に使おうが、構わないと、そのお母さんがそれによって余裕を持つことができれば、子どもに対する接し方が変わってくるんです>にはもう、脱毛だ。



貴様、オヤジが酒飲んでパチンコしたら「正しく使っていない」と近所の目が厳しくなるのに、お母ちゃんが服買ったら「余裕ができるから構わない」とはどういう了見だ?貴様、自分がどれほど矛盾したこと書いているか自覚していないだろう。おまえなど、所詮、その程度なのだ。しかし、まあ、いずれ気付く。いくら貴様が阿呆でも、いずれ気付くことになる。周囲にたくさんいるだろう。50も60もなって阿呆なのが、そこらにいるだろう。お前もああなるのだ。ずっと「女のくせに、なんて許さない!きぃ~!」とやってろ。




「一番じゃなきゃダメですか?」だと?


それはいずれ「なんで私じゃダメなんですか?」というエゴイズムに堕す。己の必要に過信して、他人の不必要をあげつらい、いい気になったツケは必ず己に戻る。己が「必要」とされていたのか、それとも単なる「入用」だったのかも、そのときにわかる。


2 コメント

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白いスーツがお似合い (AngleobAttack)
2010-12-09 00:21:43
恋慕さんは薄汚れ現与党に居てはいけない人です.お似合いの白いスーツに染みがつきます。
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Unknown (久代千代太郎)
2010-12-09 20:42:40
>(AngleobAttack さん


好きでいるんでしょうw
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