【ニューヨーク=松尾理也】ニューヨークで4日開かれた米独立記念日恒例のホットドッグ早食い大会で、同大会6連覇の記録を持ちながら契約上のトラブルで今回参加を見送っていた小林尊さん(32)が、試合終了後ステージに上がろうとして警察官に制止され、逮捕された。
AP通信などによると、小林さんはステージ付近で制止された後もなお現場を離れようとせず、フェンスにしがみついたりしたため、公務執行妨害などの容疑で警察官に連行された。
「フードファイター」として2001~06年まで同大会で6連覇を成し遂げた小林さんは、ニューヨークに拠点を移し、本格的に米国進出をうかがっている。しかし、各種早食いイベントの中でも最も有名なこの大会をめぐっては主催者側との契約がこじれ、今年は出場を断念していた。
大会では3連覇中の米国人、ジョーイ・チェスナットさん(26)が10分間で54個を平らげ優勝した。小林さんは毎年チェスナットさんと接戦を繰り広げ、米国では「TSUNAMI」のニックネームで親しまれている。
1800年頃までは、人が「人種」という言葉を使うときはアイルランド人やイングランド人やスコットランド人のことであった。そこにダーウィンが出てきて「進化論」を唱えたから白人はますます勘違いし始めた。それまでも黒人は家畜と同じ扱いだったが、今度は黄色いのは「人よりもサルに近い」と真面目にやった。いま、クジラに優しいオーストラリアではアポリジニを「狩った」りもした。クソ生意気にも人間様に向かってブーメランを投げてくるサルは「類人猿と人類におけるミッシングリンク(失われた環)」と考えられたから、現在の我々がサルに対するような態度で普通だった。
アフリカのピグミー族は人間様に捕まって、アメリカ、ニューヨーク市のブロンクス動物園でオランウータンと一緒に檻に入れられ、休日になるとアメリカ人の親子は「より人間様に近いサル」を見に来て喜んだ。アメリカの子供たちは、いま、自宅で留守番をしている黒人奴隷は頭が良いから「人間の手伝い」ができると思ったのではないだろうか。
しかし、人種というモノはあくまでも社会的な概念であって、生物学的な根拠は全くないということになり、人類は全て「ホモサピエンス」と呼ぶことになった。実のところこれは1700年代に植物学者であるリンネが既に言っていた。リンネは「人間とサルは違う」としてホモサピエンスを提唱していたが、多くの白人には意味がわからなかった。
それでもアジアの国々は白人に搾取され続けた。支那大陸は白人の間で仲良く分けられた。いま、チャールズ・ダーウィンと聞けば「ああ、知ってる。進化論でしょ?」となるも「カール・フォン・リンネってなに?」という人が多いように、白人も黒人も黄色人も「人は生物学的に同じ」など認められなかった。とくに白人は、自分らが「サル目ヒト科ヒト属」などとは思いたくない。自分らこそが、透き通る白い肌のアダムとイブの子供であると信じていた。そして、現実を見ても「支配する側とされる側」になっていたから疑う理由もなかった。
しかし、ある時、極東アジアの「日本」という黄色人種の国が大国ロシアを倒してしまった。仕方がない、白人は「フェア」だから、今度は日本人を「名誉白人」だとした。色のついた肌ながら、なかなか、やるではないかと。
しかしながら、第一次世界大戦を経て、大東亜戦争を経て、日本がアジアの国を次々と独立させて、ようやく「奴隷を持つことは、なんか、もしかすると、悪いことなのかな?」と気不味くなった。だから、今度はスポーツでやっつけてやろうと、白人のすごさを教えてやろうとしたのだが、陸上競技では黒いのに勝てないと知った。
それでもアフリカ大陸には雪が無い、海が無いと気付いた白人はウィンタースポーツと水泳で白人様のすごさを教えてやろうとした。すると、今度はまた、スキージャンプなどでは勝てぬ黄色人が出てきた。日本という国は周りが海で、北の方は雪だらけだったことを忘れていた。
白人がいくら頑張って潜って泳いでも20メートルと少しなのに、この黄色いサルの古川勝というのは45メートルも潜って進んで優勝するから、慌てて禁止した。しかし、今度のソウルオリンピックでは背泳ぎでやられた。バサロ泳法だ。鈴木大地はドルフィンキックで30メートル進んで金メダルを持って帰った。だから、また慌てて「15メートルを超えたらダメ」というルールを敷いた。スキージャンプも「背の低い日本人」という弱点を見つけて喜んだ白人は「板の長さは身長を超えたらダメ」というルールを作ったから少し安心だ。
それにしても、本当に日本という国は忌々しい。独立記念日に「ホットドッグを早く食べる」という頭の悪い祭りをやったら、そこにまで日本人が押し掛けてきて6年連続で優勝を持っていったりする。尽く白人様の優越感を壊すつもりか、ホットドッグの早食いくらい邪魔しに来るんじゃない、ということで思わず逮捕してしまった。
しかし、これは皮肉ではないが、アメリカ国民は存外に「フェア」でもある。良くも悪くも「世界の大国」というプライドがある。小林さんのバッグを開けて、ホットドッグが無ければ早く釈放した方がいい。
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久代千代太郎
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