忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

夢こそ大望、野心の実体は所詮悪夢の宿す影にすぎませぬ  ~ハムレットより~

2021年09月21日 | 忘憂之物

「中国共産党は団結して中国人民を指導し、社会主義制度を打ち建て完全なものとしてきた。これは目を見張るばかりの輝かしい成果である。中国共産党が中国の発展をさらに大きく推進し、世界の平和と発展を守るためにさらなる貢献を果たすことを期待している。」

中国共産党建国百年祝賀に寄せられた祝電だ。今年6月、中国共産党が管轄する中央テレビCCTVで大きく取り上げられ、いまでも対外的な宣伝に用いられている。

番組名は「中国共産党万歳」。贈ったのはイランやベネズエラの政治家ではなくタリバン幹部でもない。日本の元自民党総裁、外務大臣や官房長官、衆院議長もやった河野洋平だ。

いま、ここの長男が自民党総裁候補として日本や中国、韓国のメディアから「本命」とされている。世論調査でも断トツ。少し前から「国民から支持のある」人気者、石破茂と並んで「日本の次の総理」として期待されている。

その石破茂だけではなく、これも「将来の首相候補」として名高いレジ袋大臣、小泉進次郎氏も総裁選に協力、名前を並べて「小石河連合」というらしい。暴走族みたいでかっこいい。たぶん、恫喝されたら怖いはずだ。

「オレが小石河連合のタロウだ!そんな恣意的な記載を認めるわけねぇだろうが!お前いい加減にしろよ!」とか怒鳴られたら、これはもう、日本語わかるやつ出すしかない。

いやはや、もう、なにかと無敵であるが、この目出度い百年祝賀。もちろん、我らが立憲民主党からも祝電どころか、招待されて新華社通信のインタビューを受けている。日中友好議員連盟幹事長、近藤昭一だ。言うまでもなく、どこに出しても恥ずかしくない立憲民主党だ。

日本のミサイル防衛力強化に反対。防衛庁から省への昇格に反対。憲法9条の改定に反対。集団的自衛権の解釈変更による行使反対。日本の国旗、国歌法に反対。沖縄の米軍基地、辺野古移転についても、当時の与党だった民主党がようやく「移転」と決めたあとも「ダメ、国外」だとして反対。反対。反対。反対の反対の反対。つまり、反対だ。

こう並べると、なんでも反対か、と批判されると思うが、ちょっとマッテほしい。ちゃんと賛成もある。選択的夫婦別姓、外国人地方参政権付与などにはずっと、一貫して賛成している。誤解しないでもらいたいところだ。

また、朝鮮半島にも造詣が深く、北朝鮮が日本海にミサイルを飛ばす度に「日本が過剰に反応した」「日本が北朝鮮に抗議した」ことに対して遺憾の意を表明している。間違えないようにしたい。日本の政治家が日本に対して遺憾だと言っている。日本の国会議員、なにもなくとも平均所得は2416万円(2020年)だ。出所は中国でも北朝鮮でもなく日本人の税金である。お疲れ様である。


それはともかく、そんな近藤昭一の新華社通信インタビュー。いくつか抜粋すると、


「中国共産党が貧困問題を直視し、これを解消したのは実に素晴らしいことだ」

「中国が掲げる一帯一路の共同建設は、他国との協力の強化、各国との共同発展の実現を目指している偉大な構想だ」

「各国の交流と相互学習の促進、多国間主義の提唱といった中国の指導者の主張に敬服している」



それにしても、中国共産党が貧困問題を解消した、などは初耳に過ぎる。愛知3区の有権者はちゃんと選挙に行ってほしい。こんなの8回も当選させてる場合じゃない。


まあ、立憲民主党のアレなのはともかく、こんなのと「共同代表」として「原発ゼロの会」に名を連ねているのが小石河タロウだ。並大抵の神経じゃあない。現役の外務大臣時代、伊達に華春瑩とツーショットをSNSで拡散させていない。アメリカなら首が飛ぶ。

総裁選も始まり、一番人気の河野太郎、地上波メディアでの露出も増えた。いろいろと聞かれるだろうが、やはり、1993年の官房長官談話、いわゆる「河野談話」を問われるも「歴代内閣と同じく継承します」でお仕舞だった。他候補ならまあ、がっかりで済むかもしれないが、そこはやはり、実父のことである。もう少し、何かないのかと思う。

蓮舫の息子でも「国難より党のこと考えるなら国会議員辞めるべき」とマトモを言ってマトモな人らを安心させた。吉田清治の息子も「父が発信し続けた虚偽によって日韓両国民が不必要な対立をすることも、それが史実として世界に喧伝され続けることも、これ以上、私は耐えられません」とマトモをやる。

日本人は親は親、子は子くらいの情けもある。それに親の不始末を子供が謝罪する健気な姿は同情や感心こそすれ、誰もそれ以上、なにも思わない。

そんな小石河候補によろしくない情報が出ている。噂ではない。疑惑でもない。「日本端子問題」だ。SNSでも大炎上とのことだが、今日の朝には1255万円くらいだった企業献金が、いまみたらファミリー企業から合計6700万円に増えている。もちろん、違法行為ではないのだろう。しっかりと収支報告もしてます、と本人も言っている。そして国民の不安はそこにないから、あわせて「政治活動に影響はない」とも言っている。

そして「それで済まぬ」ことくらいは過去、安倍内閣がどのくらいやられたのかを思い出すまでもない。取るに足らぬ下らぬことで、どれほどの時間を無駄にしたのか。どれほどのコストが消えてしまったのか。ネットに溢れているので詳細は避けるが、比して、この件について考えるとき、単なる「政治と金」の問題ではないことくらい誰でもわかる。

もう父親の時代ではない。もう中国共産党の「疑似戦争」は既に隠されていない。こんな時代にまだ、チャイナマネーで政治活動している議員、それも「悪名高い談話」の長男が「総理になったら毎年、日中首脳会談を行う」といえば、どこのだれも「政治活動に影響ない」で安堵しないのである。

もし、仮に、このまま1回目の投票で勝ち切り、総理総裁になったとしても、この問題を追及する野党が出れば確実に支持率も上がる。立憲民主党は野党合同で調査チームを作ればいい。特集すればワイドショーも観るだろう。坂上忍を応援してもいい。玉川徹を誉めてもいい。そしてそのまま総選挙だ。

つまり、自民党が負けてしまう。コロナで疲弊する日本に更なる深刻なダメージが加えられる。立憲民主党は「公約」を果たすだろう。前回と違い、阿呆なことは書いていても、無茶なことは書いていない。ちゃんとモリカケサクラ、それから「タンシ」が増えるのか。いずれにしても「悪夢」は繰り返される。

多くの日本国民はすでに不安や疑念ではなく、その人を小馬鹿にしたような「影響ありません」で済まそうとする傲慢に憤りと恐怖を感じている。とりあえず、様子を見ようで済まない危機感を共有している。下手すれば日本国首相である。繰り返すが「影響ありません」では済まない。どころか、もう影響は出ていた、と薄ら寒い思いがしているのである。


出馬表明の会見で

「みなさんと一緒に笑い、みなさんと一緒に泣き、みなさんの思いを受け止め、みなさんに共感していただけるそんな政治を通じて人が人に寄り添う、温もりのある社会を作っていきたいと思っております」


と言った舌の根も乾かぬうちに、この件で質問をしただけの自党の党員をブロックするなど、その「みなさん」とは「どこのみなさん」のことなのか心配になる。


「少しずつ手を伸ばしていけば、いずれは星にだって手が届くかもしれない」


と不気味なことも言っていたが、その星とは紅い布地にきらめく五光星のことではあるまいな。いずれにせよ、あと8日ほどか。自民党議員と党員にお任せするほかない。





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