仕事を失った労働者に生活費を貸し出す国の制度が悪用されるなどして、およそ4億3000万円の資金が回収できていないことがわかりました。厚生労働省は、ほかにも失業者の支援制度があることなどから、この制度を廃止することを決めました。
この制度は、仕事を失って社員寮などを退去させられた労働者を対象に国が住宅費用などの生活費を貸し出す「就職安定資金融資制度」です。厚生労働省によりますと、おととし12月に制度が始まってからことし4月までの融資金額はおよそ1万1000件で、92億円余りです。このうち仕事を失ったことを証明する書類が偽造されたり、架空の住宅に入居するとうその申請書類が出されたりして制度が悪用されたケースや債務者が行方不明になったケースなどで回収できていない資金は365件で、およそ4億3000万円に上るということです。厚生労働省は、こうした悪質なケースについては警察に告発するとともに、ほかにも生活費を貸し付ける失業者の支援制度があることなどから「就職安定資金融資制度」は、ことし9月に廃止することを決めました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/6d/7b12c4795c13d303a6c93369802add37.jpg)