忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

日本過去最多の平昌五輪を上回るペースで大会10個目メダル

2022年02月15日 | 忘憂之物





私は幼き頃より高所恐怖症であると同時にスピード恐怖症でもある。いわゆる「限局性恐怖症」の仲間だが、成人の8%ほどが自覚する不安症らしい。

そんな私からすれば、いま、行われているらしい北京冬季五輪における「スキージャンプ」などは考えられない。たぶん、この先も一生、突き落とされることはあっても、飛ぶことはないから安心してはいるが、ずいぶん前に行った夏の北海道で大倉山競技場のジャンプ台、そのスタート地点に立ったことがある。133メートルとのことだった。

目もくらむ高さに「精巣挙筋反射」がみられた。つまり、持続可能的にふさわしくない表現で言うところの「キン〇マが縮む」あの感じだ。その踏切地点の高さは最高で88メートル。大阪を知る人は通天閣を思い出せばいい。あの先っちょからジャンプだ。とりあえず、命の保証はない高さである。

こんな危ない競技、いったいどこの誰がやり始めたのか、と腹が立ったから調べてみると、1840年くらいのノルウェー、テレマーク地方で始まったとされる。映画「テレマークの要塞」の舞台になったところだ。

原子爆弾を製造しようとするナチスがテレマークにある重水工場に大量生産を命じる。それを主人公らが命がけで止めようとして、最後は時限爆弾で鉄道連絡船を・・・みたいな映画だが、戦後のテレビも漫画も悪役はいつもナチスか大日本帝国になった。仮面ライダーも元アウシュビッツの処刑人とか、ナチスの生き残りと戦った。

北京に銅像ができたIOC会長もドイツ人。日本でのあだ名は「ぼったくり男爵」だとか。持続可能的な意味で「男爵」は大丈夫なのか、と心配になったが、日本で男爵と言ったら「男爵イモ」とか「髭男爵」くらいのイメージしかない。どちらも人気だが、このIOC会長はあまり人気がない。

ちなみに「男爵」の英訳は「バロン」。会長はドイツ人だから「フライヘル」になる。IOC会長の場合に限るが「地獄に飛ぶ」みたいな雰囲気がいい。事実、日本のテレビで古舘伊知郎からも「北京の政治局員」とか言われているが、今回の北京冬季五輪でもマイナス4度の中、馬鹿みたいな薄着で開会の挨拶なんかしていたらしい。

「らしい」というのは見ていないからだが、ここは東京五輪でやった「前振り」を生かして「ジャパニーズピープル」と呼びかけてから、慌てて「チャイニーズピープル」と言い直してほしかったが、普通に10分ほど話してお仕舞だったらしい。橋本聖子と同じく、習近平の露払いに行っただけだ。

ま、いずれにしても日本人選手が活躍しているとか。あと数日で何種目あるのかも知らんが、冬季五輪で熱くなったと思い出すのは1998年の長野冬季五輪だ。あのときのスキージャンプも盛り上がった。男子ノーマルヒルで舟木和樹が銀、ラージヒルで同じく舟木が金、原田雅彦が銅メダルだった。レジェンド葛西率いるラージヒル団体は金メダル獲得。日本中が湧きに沸いた。

その翌年、国際スキー連盟(FIS)はルール改定した。それまでは「身長プラス80センチ」だった板の長さを、なぜだか「身長との比率で制限する」とした。当然ながら平均身長が低いと思われる「日本人選手には不利なのでは?」との疑念があった。金メダルを取った団体でも活躍した岡部孝信の身長は165センチ。日本人選手の中ならとくに小さいイメージもないが、居並ぶ外国人選手と比せばその差は歴然たるものだった。

長野で日本にメダルをたくさん持っていかれて面白くない連中が、形振り構わず「ルール改定」で開き直るいつもの手口かと邪推もしたが、そのルールの改定が行われてから開催された世界選手権、2000年に優勝したのはアダムマリシュだった。ポーランドの選手で身長は169センチ。私より少し小さいが、それでもマリシュはその後、ビッグジャンプで世界選手権3連覇だった。

要するに妙なルール改定はあんまり効果がなかったから、今度は「飛んでから落とす」という「ヘンなルール」を悪用したと邪推している。しかも開催地が開催地だ。まだパラリンピックもやるそうだが、とりあえず、無事に帰国するだけでも金メダルだ。

また、東京五輪から日も浅く、どうしても選手村やらボランティア、食事や施設なども比べられがちだが、これらも同じく、開催地が開催地なんだから期待するほうがどうかしている。宿舎で水漏れしたとか動画もあったが、存外にきれいな水で安心したものだ。

バカ高い値段のステーキをSNSであげて「この物体はナニ?ステーキを頼んだら木材がきた」と泣いているが、その場所をどこだと思っているのか。まさか東京五輪の選手村と同じレベルの食事が提供されるとでも思っていたのか、とおちょくりたくなるが、選手に罪はない。いやはやご愁傷様です、と言う他ないが、これがもし、東京の五輪宿舎で発生していたなら、日本のマスコミはどう扱っていたのか、と想像するにぞっとする。

なぜだか東京五輪にだけ猛反対していた連中も、今度は静かにしとけと金でも貰ったのか、どこに行ったのかわからない。IOCの会長も日本に来たときは銀座を歩いただけで叩かれ、広島に行けば「政治利用だ」と訪問自体を拒否する申し入れまでが行われていた。同じ中国共産党の子飼い同士、仲良くすればいいのにと心配していたが、つまるところ、東京五輪に反対するスタンスならIOC会長を歓迎するわけにはいかなかっただけだ。

また、このIOC会長も当時の菅総理には「有観客開催を検討してほしい」と言ったが、菅総理と面談があった2021年7月14日の東京における「陽性者数」は1149人、メディアは第4波のピークだった「1121人を上回りました」と嬉しそうに報じていた。北京の2月8日は「感染者ゼロ」とのことだ。北京の衛生管理局は「新型コロナは全体的にコントロールできた」とコメントも出している。なぜ、習近平には「有観客」を言わないのか。

高梨沙羅選手の件にしても、男性の検査官が介入していたと報じられた。高梨選手は「スパッツを脱がされた」とも言っている。五輪反対のフェミニストは「女性選手ばかり」「5人も」「スパッツを脱がした」に反応はないか。

ところで、前JOC会長って、なんで辞めさせられたんだったっけ。




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