忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

日ロ首脳、夜にも電話会談ウクライナ情勢で

2022年02月17日 | 忘憂之物




テレビを見ていると「毎年恒例」のものは結構あって、年末なら「今年の漢字」とか「流行語大賞」も必ず取り上げている。昨年はもう忘れてしまったが、たぶん、今年の漢字は「金」で流行語大賞は「立憲共産党」だったか。

他、2位か3位には「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」で立憲の石垣のりこが授賞式に出ていたような気がする。間違ってたらすまん。たしか花束を渡していたのが菅野完氏と高橋洋一氏だったような雰囲気はなかったか。なにしろ覚えていないので間違ってたらすまん。夢かもしれん。

ま、ところで「毎年恒例」は世界にもあって、例えば「世界で最も影響力のある100人」などがある。これの複数回受賞、日本人では「2回」の安倍元総理だけだったりする。1位は習近平12回。2位はオバマ11回。3位はオバマの支持者でテレビ屋のオプラ・ウィンフリー。4位はメルケル、5位は金正恩。ノーベル平和賞と同じで、選ばれても嬉しくないかもしれない。

昨年あたりなら大阪なおみか。企画主の米誌タイムも「スポーツの領域を超えた存在感」とべた褒めだった。なぜにスポーツの領域を超えたのか、という理由は全米オープンで「黒人差別を非難するマスクを7枚もつけたから」という頭が左に巻いていれば納得できるものだった。

また、この年はもうひとり「伊藤詩織さん」が選ばれていた。日本人ダブル受賞、しかも女性ということで、出ました、みんな大好き東大名誉教授、上野千鶴子氏は「性暴力に対する勇気ある告発で日本人女性のあり方を大きく変えた」と同誌で絶賛していた。胸焼けがする。つまり、そういうことだった。

米誌タイムは「タイム100」だけではなく、他にも特別号があって表紙の写真に大きなバッテンをつける、という悪趣味なイベントもある。かつて「大きな✖」がついたのはヒトラー、日の丸、フセイン、ザルカーウィー、ビン・ラディン・新型コロナウイルスだけとのこと。これで喜ぶ読者の浅薄さが伝わる。



今年、このまま本当にウクライナ侵攻から世界大戦に進めばタイムの表紙、新型コロナウイルスの次に「✖」が入れられるのはプーチン大統領になる。

日本のニュースやネットなどを見ても評価が割れている。割合はともかく保守論陣も真っ二つだ。2020年のアメリカ大統領選を思い出すが、勝手に大別しておくと「ロシアのプロパガンダに踊らされてる」という評論をするのは「アメリカ大統領選で不正なんかなかった」と言っていた人に多い。ウクライナを事実、大群で包囲しているのはロシアじゃないか。北方領土を盗られたまま、軍事演習までやっているロシアの擁護をするのか、とお怒りだ。ま、もっともではある。

また「バイデン民主党の反ロシアキャンペーン」というのもいる。ロシアからドイツに海底を通って直接、天然ガスを送る「ノルドストリーム2」も本音では容認していない。メルケルも辞めたし、ロシアの儲けを倍にするのも面白くないし、欧州のエネルギーの首根っこを押さえられるのも、アメリカにとって嬉しいことでもない。

プーチンを挑発して嵌めてから経済制裁で干上がらせる。そのためのネガティブキャンペーンでもあったし、これなら国際社会の賛同も得られる。それでまた内乱でも起こってプーチンは吊るされ、ロシアなど崩壊すればいい。そのあとは「何故だか」暗殺未遂でロシア国内の刑務所で生きているナワリヌイでも牢屋から出して、出来レースの選挙でもさせればいい。暗殺くらい金正恩でも確実にやる。元KGBのプーチンロシアがヘマをするもんだ、とは思う。

また、ナイスなタイミングで「全ロシア将校協会 」から「プーチン辞任を求める書簡」が出る。中身は至極真っ当だ。要するに「ロシアの存在が危うくなる」「ロシア人とウクライナ人が永遠に敵になる」「ロシアとウクライナの若者が数万人死ぬ」から止めろと言う。とりあえず、その通りだと誰でも思う。

続けて書簡は「戦争は、しばらくの期間、反国家的権力と、国民から盗んだ富を守るための手段だ 」とする。だから辞めろと言う。いま、冬季五輪を開催している国の国家主席にも言ってほしいが、これにもとくに反論もない。

つまり、


プーチンはもう引けない。


2021年3月、バイデンは米ABCニュースのインタビューで「プーチンを人殺しだと思うか」と問われて「思う」と答えたが、その前に2020年11月のアメリカ大統領選にロシアが不当に介入したとのことで「彼(プーチン)は代償を払うことになる」として、インタビューアーが「代償とは?」と続けて質問すると「直にわかる」。その日の会見にて、ホワイトハウスの報道官ジェン・サキも「確実に、ロシアは自分たちが取った行動に対して責任を問われることになる」と公言している。

ロシア外務省は駐米大使を召還した。トランプ政権からバイデン民主党になり、誰が見ても米露関係は悪化した。中露の日本に対する挑発行為もエスカレート、おまけに北朝鮮はミサイル発射に逡巡もない。他方、ミャンマーからアフガニスタン、カザフスタンと火種から発火。そしていま、ウクライナ危機から世界大戦への懸念すら報じられるようになった。

アメリカの内政も予想以上の速度、規模で悪化している。「下駄を履かせた」で済まないインチキ政権のバイデンは、アメリカの左巻きメディアも庇い切れないレベルに堕してしばらく経つ。「ロシアゲート」もボロが表面化し始めている。大混乱になる。「相手陣営の選挙本部に盗聴器」など可愛いものだ。

少し前、日本は「自分で考えない」「責任を取らない」「争いごとを避けるだけ」の安モンのアルバイトみたいなおっさんが総理大臣になった。ふらふらにやにや記者会見もしていたが、今日、プーチンに電話するとか。

ちなみに15日にはゼレンスキー大統領にも電話している。「ウクライナの主権と領土の一体性を一貫して支持している。力による一方的な現状変更は断じて認められない」と言ったそうだが、その同じ日に林外務大臣はロシアのレシェトニコフ経済発展相とオンラインで経済協議。林外相は緊張が続くウクライナ情勢を重大な懸念を持って注視している、緊張を緩和し外交的解決を追求するように、と告げたが、レシェトニコフ経済発展相は「答えなかった」と報じられている(NHK)。

当たり前だ。相手もびっくりしただろう。いま、アメリカをはじめ西側諸国はロシアがウクライナに侵攻すれば、重大な経済制裁を行うと表明している。そこに西側諸国の日本が「経済協力を協議する」という外交センスはアルバイト以下、というか朝鮮半島の下半分みたいな蝙蝠ぶりだ。要するに「お金出しますから」だけなら格好つかないから、なんとなくそれっぽいことを言っているに過ぎない。

今年の参院選が滞りなく行われるならば、自民党には大きな「✖」がつくだろう。自公分裂は良いことだが、いまは手放しで喜べない。



「リーダーの不在や無能さが暗示しているのは、ビジョンの不在、夢の無い社会だ。それがもたらすものは、よくて現状維持であり、悪ければ目的と一体感を失って崩壊する社会である」
『本物のリーダーとは何か 』ウォレン・ベニス バート・ナナス (共著)





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