朝鮮学校に対する補助金の合計金額が昨年、ようやく2億円を切ったとニュースになっていた。小泉訪朝の頃から徐々に減らしていたが、この最近、なぜだか年々減少幅が小さくなって、全国の63校合わせると、まだ1億8879万円もある。
「救う会」の全国協議会、平成21年の「朝鮮学校に対する補助金一覧」の合計は7億6666万円だから、まあ、ずいぶん減ったとは思うが、ちなみに内閣府によると「拉致問題理解促進経費等」の予算は3億3600円だ。LGBTナントカの理解増進がどうのという前に、拉致問題の理解促進に力を入れるほうが真面だと思うが、これが頭の賢い政治家先生にはわからないのか、もしくは、私が間違っているのだろうか。
また、日本人拉致被害者は政府認定が17名、救う会認定が7名、特定失踪者問題調査委員会によると更に100名以上の拉致被害者がいるという事実を踏まえて、現在の日本にまだ朝鮮総連が東京に中央本部を置き、全国の都道府県すべてに本部があり、各地域に支部組織を広げている現状がどれほど異常なのか、改めて脱力感を覚える。納税意欲が死に絶える。
そんな北朝鮮に対して「緊密に連携」してくれるはずの韓国との日韓首脳会談がサンフランシスコで行われた。岸田は「ユン大統領と共に、政治・安全保障・経済・文化など様々な分野で日韓の協力を動かしてきており、この歩みを更に前に進めたい」と言ったらしいが、歩みを前に進める、を体現したかったのか、本当に7分間、サンフランシスコの町中を、SPらを連れて歩みを進めて会場入りした。バイデンの移動による交通規制が重なり、車列が動かなかったとのことだが、たぶん、バイデンは日本の首相が歩こうが走ろうが興味もない。
アクシデントとはいえ、実に不格好な有様だが、もっと酷かったのは日中首脳会談だった。
これも岸田は相手が待つホテルへと駆け付けるという流れだった。別の会談場所を用意して「会う」のではなく、あくまでも「お伺いする」という体になる。映像もあったが、悠然と立つ習近平に岸田は小走りで駆け寄っていた。
見たまま皇帝陛下と外国使節だ。会談中も岸田は熱心にメモを取り、何度も頷いていた。習近平が話す言葉は「重要講話」とされて、その部下らは聞き漏らしたりすれば一族郎党、どんな目に遭うかわからないから、必死で傾聴してメモを取るが、つまり、日本のメガネも同じ行動をとっていた。
日本に戻ってきた岸田は国会で「対話を積み重ねていく方向性を確認したのは大きな成果だった」と威張っていたが、そんなもん立憲の代表でなくとも、ほんまかいな、と言う他ないし、呆れた泉が半笑いになるのも仕方ない。
中国共産党が2014年に「反スパイ法」を制定してから17人の日本人が逮捕、拘束されている。2019年に反スパイ法容疑で捕まった50代日本人男性は今月、上告が棄却されて12年の刑が確定したが「3期目」に入った習近平政権は今年7月1日に反スパイ法を改定している。第4条に「スパイ行為」が具体的事例として列挙されているが、その第6項は「その他、スパイ活動を行うこと」である。いつものアレだ。なにがスパイ活動かは中国共産党、習近平が判断する。
こんな相手に好き放題されて、その好き放題をやめてください、勘弁してつかぁさい、というだけのことを「対話を積み重ねていく方向性を確認した」という。メガネに他意はないが、取り上げて叩きつけてから踏みつけたくもなる。
また、岸田政権を擁護する人らは「習近平に言うべきは言った」とメガネを誉めるが、例えば習近平は「日本が福島の核汚染水を海洋に流していることは、全人類の健康と、地球全体の海洋の環境、国際的な公共の利益に関わる問題だ。日本はこうした国内外の合理的な懸念を厳粛に受けとめ、責任ある建設的な態度できちんと処理していかねばならない」と岸田に言った。岸田がメモしたかどうかは知らんが、これはCCTV(中国中央広播電視総台)でも習近平の肉声で流されている。「面と向かって言うべきを言った」というのは、こういうことを言う。
ところで政権与党の一角を担う公明党、山口代表が岸田総理の親書を携えて訪中するとか。
22日から2日間、共産党の幹部や政府要人と会いに行くとのことだ。なにしに行くのか、とマスコミが羽田で問うたら「パンダをお借りしたい」。もう「そうです。私がパンダハガーです」と言っているに等しい。どこぞの名誉会長は草葉の陰で喜んでいるかもしれないが、多くの日本人は投票用紙に「自公は絶対に書くまい」と拳を握るはずだ。
いま、そういえばアメリカもカナダもパンダを返却している。アメリカにはもうジョージア州の動物園にしかいない。今年2月、テネシー州のメンフィス動物園の返却予定だったパンダは「死んじゃった。ごめん」だった。
続けて今月8日、ワシントンの動物園からパンダ3頭を返却すると、岸田に会う前日の15日、習近平はAPECの演説にて「われわれは、アメリカとパンダの保護について協力を続け、カリフォルニア州の人たちのパンダに戻ってきてほしいという願いに応えられるよう全力を尽くしていく」と言った。アメリカは首脳会談後に独裁者呼ばわりしたあと、その本人に本当にパンダいらないの?パンダ可愛いよ?と言わせた。
ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官はすぐ「パンダが戻ってくるなら大歓迎」と声明を出し、アメリカのメディアも即「米中関係の悪化とともに、中国側はパンダの返還を要求するようになったが、米中首脳会談が行われ、関係の安定化の兆しがみえる」と報じる。
さすがは「戦略」を冠する広報調整官だが、日本の官房長官なども見習ってほしい。岸田も北朝鮮の発射について「安保理決議違反だ」と言っても仕方がない。「万引きは犯罪です」の貼り紙と同じく、相手はそんなこと知っていてやっている。いまさら金正恩が「そうなの?」となるわけもない。つまり、なんら効果もない。安保理違反もあんぽんたんもない。常任理事国にはロシアも中国もいる。国連が完全に機能不全に陥ったのも最近じゃない。
あと「最も強い口調で非難」もかなり恥ずかしい。「最も強い言葉で」じゃなく「口調」。つまり、最も強い言い回しで文句を言ってやった、と一国の首相がメガネを光らせて威張っている。もう、本当に早く辞めてください。