「胖熊」(太ったクマ)と名乗ったアジア人の男が東京入管管理局成田空港支局に身柄を拘束されたのは2001年。当時の日本の外務大臣は田中真紀子、法務大臣は森山眞弓だった。日本のマスコミは「東京ディズニーランドに行きたかった」とか舐めたことを言うドミニカ国籍の不法入国者を金正男と報じたが、日本政府、外務省はずっと「政府としては、御指摘の者が、北朝鮮の金正日国防委員長の子である金正男氏であったと確認しているわけではない」で通した。
結果、金正男はディズニーランドには行けず、外務省職員の付き添いで全日本空輸ボーイング747-400型機、2階部分を貸し切りのVIP待遇で北京まで「国外退去」にされた。翌年、金正男はよほどディズニーランドに行きたかったのか、今度はディズニーランド・パリに行きたい、としてフランス政府に入国申請して拒否されている。
フランス相手では不法入国もしない。日本が舐められている証左だがそれも仕方がない。田中真紀子は日本政府が北朝鮮にコメ10万トン送ると決定した際「拉致問題があるからけしからんという人がいるが、50万トンでも100万トンでも出すべきだ」と発言したオバハンだ。森山眞弓も「女性初の官房長官」と騒がれたが、日本相撲協会に「女性が不浄だと思ってるのか」「土俵が神聖なもの、というのはどういう意味だ」と難癖をつけるだけのフェミ崩れのオバハンだった。
日本が嫌いで朝鮮と中国大好き。だから日本の伝統文化も軽く扱う。日本人の人権など知ったことか、という政治家が蔓延る日本。当時の鳩山由紀夫も「北朝鮮が困っているときに拉致問題が解決していない、で援助できないのは北朝鮮側の気持ちを和らげることはできない」と言っていた。自民党も山崎拓なども「北朝鮮への食糧支援は最大限尊重すべき。個別案件で支援要請に従えないならよほどの議論が必要だ」と言った。ちなみに「個別案件」というのは日本人拉致問題のことを言っている。今更だが、政治に興味ない、自分に関係ない、という理由で、こんな人間のクズに投票して税金を食ませる日本人有権者は世界から軽蔑されたらいいと思う。私も心の底から唾棄すべき愚物だと思う。
ちなみに、ついでに書いておくと、野中広務は幹事長代理だったが、その際に「拉致疑惑があるから食糧を送るなとの意見が強いが、北朝鮮との間には慰安婦や植民地、強制連行がある」と言っている。北朝鮮側の政治家は辻元だけじゃァない。自民党の青木宏之などは「それ(拉致問題)は日本が勝手に言っている。なにか証拠があるのか」だった。1999年だ。拉致問題の証拠はあるのか、は日本共産党の志位だけじゃぁない。比して、2000年の日本首相だった森喜朗は「拉致問題を棚上げして国交正常化はあり得ない」だった。あれほどマスコミから嫌われて叩かれる理由はこういうところにもある。
いま、ハマスから解放された人質が家族に再開するニュース映像が流されている。何十日ぶりかに父親に会えた少年とか、それはそれで、まあ、よかったね、という話だが、拉致被害者家族がどういう気持ちでそのニュースを見ているのか、と思うに、とても「感動の涙が」とかいう気になれない。日本は戦争もしていない国から日本人を拉致されて、未だにメガネは「我が国自身が主体的に動き、トップ同士の関係を構築していくことが極めて重要だ」とか言っている始末だ。
言っても詮無いし、散々言われてきたことだが、せめて2001年に金正男を拘束してから金正日と交渉するべきだった。もちろん、そんなことをすれば、時の政権は吹っ飛ぶほどのバッシングを受けただろうとは思う。外交問題になるだの、人権侵害がどうだの、フェアじゃないだのと日本の国会にいる多くの「北朝鮮の政治家」は大騒ぎしただろう。アメリカも「勝手なことをするな」と脅してきたかもしれない。目立つ存在の政治家をアレしたかもしれない。米の傀儡国家日本。いずれにしても無事では済まない。しかし、それでもヤルべきだったと思う。命が惜しいなら政治家なんぞやらず、普通に商売して暮らせばいい。せっせと国を売るよりはマシな死に方もできるはずだ。
しかしながら、そういう強硬手段が取れないのは時の政権だけの所為でもなく、例えば、朝鮮総連に毎日毎日、数千人数万人規模の抗議デモが発生しない日本人の所為でもある。また、耳と胸が痛いがあえて書いておくと、政治家を選んでいるのも選ばないのも国民、有権者であるから日本政府の弱腰、何十年も憲法改正どころか、現行法での自衛権の行使もしない、経済制裁も抜け穴だらけ、平時でありながら自国民を百人以上、白昼堂々と連れ去られて取り返しもできない状態に無関係でもない。
そして、それらを扇動してきたマスコミ各社の罪はかなり大きい。「24時間テレビ」の寄付金を着服するくらい平気でやると知れている。とくに朝日新聞の日本に対する憎悪の執念は根腐れを起こしている。もう改善する余地もなく、引っこ抜いて捨てる他ない。長年、無意識に放置していたから、朝日の反日イデオロギーが周辺組織に侵食して壊死を起こしていた。いま、ようやく多くの日本人は気付いて遠ざけ、できるだけ読まないように見ないようにして回復もしてきたが、いずれにせよ、早く病根を取り除くべきではある。
例えば2002年9月18日。小泉訪朝にて金正日が拉致を認めた次の日、各紙一面の見出しは概ね「8名死亡・5名生存」だった。ただ、朝日だけは見出しの写真が違った。産経も毎日も読売も見出し写真は「涙する拉致被害者家族」だったが、朝日だけは「小泉首相と金正日が日朝平壌宣言の証書を交換している写真」だった。そして朝日以外は小見出しで「国交交渉を再開」だったが、朝日だけは「国交正常化交渉を来月再開」と書いていた。
朝日は金正日が拉致を認めて謝罪したことよりも、日朝平壌宣言が嬉しくてたまらないとわかる。つまり、拉致問題の所為で日朝国交正常化が進まない、とイライラする売国政治家や官僚と同根だとわかる。腐臭漂うから日本国民からは嫌われる。当然だ。
そういえば、裏交渉で拉致された日本人5人をまた北朝鮮に戻す、としていた田中均みたいなのもいたが、怒った右翼団体から自宅ガレージに爆発物を仕掛けられ、その件をして石原慎太郎は都議会の発言で「爆弾仕掛けられて当然の話だ」と言ってマスコミを騒がせた。口から泡飛ばして突っかかる記者に対し、石原氏は「田中均なるものの売国行為は万死に値するからああいう表現をした」と怯まず堂々たる態度だった。マスコミや特定野党は群がって攻撃もしたが、賢明な日本人有権者も多く、ちゃんと都知事で4連勝している。
そもそも2002年まで日本のマスコミは「北朝鮮」と言ったあと、必ず「朝鮮民主主義人民共和国」と付け加えねばならなかった。2002年以降、さすがの朝日新聞も気兼ねしながら、ちゃんと「おことわり」を紙面に掲載している。
「おことわり 『朝鮮民主主義人民共和国』の国名については、中国、韓国のように関係者が納得する適切な略称がないなどの理由から、『朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)』と表記してきました。しかし、北朝鮮という呼び方が定着したうえ、記事簡略化も図れることから、今後、外交記事などでは引き続き従来どおりの表記を使う場合もありますが、その他の記事では『北朝鮮』という呼称を使います」
ハマスを「イスラム解放運動・ハマース」とか、ヒズボラを「ヒッズブゥラー(神の党)」と表記する必要がないように北朝鮮は北朝鮮である。「東日本」とか「近畿東海」みたいなもので、要すれば朝鮮半島の上のほうにいる犯罪テロ組織、金一族の武装集団である。偽札や麻薬で周辺国に犯罪行為を厭わず、ミサイルを飛ばして威嚇し、他国の国民を攫っていくことを「国営放送」と僭称して犯行声明を出しているだけのことだ。やっていることは大きいか小さいだけの差異でしかなく、普通に考えれば単なるテロ組織である。しかも独裁者の世襲である。過激派のテロ組織と同じである。
ところで2003年、青森で開催された冬季アジア大会に北朝鮮が参加したとき、そのときの文科相だった遠山敦子が記者会見で「北鮮」と何度か言った。すると秘書官が指摘して訂正。その後、文化相は書面にて「不適切な表現のため、訂正いたします。他意はございません」と釈明させられた。朝日新聞も「飛ぶが如く」の紹介記事の中、うっかり「渡鮮に同行」と書いてしまい、慌てて朝日新聞のテレビ欄に「朝鮮に渡るのに同行」とすべきでした。「鮮」は日本が植民地支配していた時代に使った差別的表現で不適切でした。お詫びして訂正します」と平謝りだったとか。
朝日新聞はもう「新鮮」とか「海鮮」もひらがなで書くのだろうが、北朝鮮はやはり「北鮮」がいいと思う。差別的な表現かどうかは知らんが、金一味が嫌がるなら結構なことだ。せっかくだから日本語にはこだわってほしい。
それと、これも常識だが、テロ組織の親玉がいちばん怖いのは「斬首作戦」だ。そういえば最近、どこに行くにも小さい娘を連れているのがいるが、米韓軍事演習の「チーク・ナイフ」と呼ばれる特殊作戦(斬首作戦)の演習やら、その演習に無人攻撃機の「MQ-9リーパー」なんかが投入されているから怖いんだろう。朝日なら心配してくれるはずだ。