忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

2012.1.2

2012年01月02日 | 過去記事
除染、手探り始動 対処特別措置法、施行(産経新聞) - goo ニュース



1000ミリシーベルトの放射線を浴びると、吐き気を覚えるだけではなく、白血球が著しく減少する。放射線宿酔だ。これよりも大量の放射線を一気に浴びると急性放射線障害を引き起こす。これでチェルノブイリでは4カ月以内に28名の作業員が死んだ。

記事では<1ミリシーベルトを超える放射能汚染地域は、総面積で秋田県にも匹敵する計1万1600平方キロメートルと途方もない>とあるが、1986年にチェルノブイリで起きた4号炉の爆発事故の場合は、ヨーロッパ全域となる20万平方キロメートルに放射線が降り注いだ。ウクライナとベラルーシの国境にまたがる半径30km圏内は立入禁止区域になった。そこに今でも毎日、3500人ほどの作業員が立ち入り、除染作業をしている。これはとりあえず、あと50年続く。

いま、チェルノブイリの4号炉の真横には「かまぼこ型」の構造物が建設されている。底には溝が掘ってあって、これをスライド移動させれば4号炉の「石棺」ごと覆えることになっている。今度はコンクリートではなく鋼鉄製で高さが105メートル、幅が257メートルという巨大な「かまぼこ」だ。コレの完成が2015年、今後100年は大丈夫だと言われる。無論、覆い隠してお仕舞いではなく、その「かまぼこ」の中ではロボットが作業する。原子炉本体の解体だ。それが終了するのが2065年、ずいぶん先の話だ。私はもうこの世にいないだろうが、この世界もどうなっているかわかったもんじゃない。

また、福島原発事故で有名になった「冷却プール」であるが、これもチェルノブイリでは「冷却池」となる。溜め池だ。そこに使用済みの燃料棒を置いておく。この溜池が溢れると堤防が決壊して東側を流れるプリピャチ川に流れ込む。そうなれば終わりだ。「いくらセシウム137やストロンチウム90といえども、川に流れ込むと急速に薄まるから心配ない。その先には海があるじゃないか」と言っても下流の人々はパニックに陥り、反核のタレントなどが大騒ぎするのは日本も同じだ。しかし、本当に不気味なのは「露出」である。溜池の水位が下がり、放射性粒子が剥き出しになるほうが危うい。だからチェルノブイリの処理チームも、プリピャチ川から水を汲み上げて足している。


チェルノブイリ原発事故から20年間のヨーロッパ人の総被曝線量は0.3ミリシーベルトだった、という数字がある。これは事故の影響で死んだ人や甲状腺がんになった人、などという専門家ですらかけ離れた数字同士を戦わせているような「計測不能」と思しき数字ではなく、その場で計ればわかる数値のことだ。0.3ミリシーベルトの被曝線量と聞けばなにやら恐ろしいが、この数値は例えば「ラドン温泉に1時間浸かった程度」だとわかる。ラドン温泉の被曝線量は「0.3~0.5ミリシーベルト/時間」だ。だから温泉に浸かったら疲れが取れるように、ヨーロッパ人は全滅もしていない。

放射能など怖くない、と言っているのではない。ただ、汚染土壌も汚染した瓦礫も「どこもイヤ」では済まぬと言うのだ。東京から飛行機でニューヨークに行けば、CTスキャンでも放射線は浴びるじゃないか、というナンセンスも結構だが、いい加減「反核活動家」やら「反核市民グループ」に踊らされる愚は止めよう、ということだ。これは将来的に原発を続けるか、止めるのか、とは別の問題、今ここにある問題だ。

世界の年間自然被曝線量の平均値は2.4ミリシーベルト、これはもう仕方がないことだ。同じく、被災地にある瓦礫も、除染作業で出る土壌も仕方がないことだ。「我が町だけはお断り」ではどうしようもない。同胞が苦しんでいる。困っているのだ。

今年も正月がやってきた。毎年のことだが、紅白歌合戦の司会者は拉致被害者を言わない。我々はこうして目出度く新年を迎えておりますが、北朝鮮ではまだ我々の同胞が拉致されたままです。その同胞は祖国で正月も出来ないのです、とは言わない。今年の年賀状は「あけましておめでとうございます」と書かないものもあったそうだ。無論、被災地を思えばこそであるが、ならば、この国はもっと以前からそうでなければならなかったはずだ。

被災地の瓦礫なんぞ知ったことかと、汚染した土壌を運んでくるなと言うだけの連中とは、自国民が拉致されても、それよりも「(金をくれる)生活が第一」だとして恥じぬ連中ではないか。その権化、それが具現化したのがグロテスクな反日極左政権の誕生だったわけだ。


<その後の難題が中間貯蔵施設の設置だ。最大で東京ドーム22杯分という収容量で、最長30年間保管する巨大施設になる>


孫正義がメガソーラーとかで「東京ドーム~~個分」を日本各地に作るくらいなら、こっちのほうがよほど日本のためになる。


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